『白雪姫』のストーリーに沿いながら、作者様ならではの視点で、美に憧れた女性を描いています。
まずタイトルが素晴らしいです。ただ白雪姫が悲観的なだけでなく、その彼女が見つめている未来こそが、悲観的であり、残酷であるからです。鏡は嘘偽りのない今を映し出すもの。かつて義母が今を恐れたように、やがては白雪姫さえも未来に怯え、その立場を奪い取られてしまう、そんな憂いを孕んでいることを、作者様の美しい描写が、また、時間の止まったような、朽ち果てない美を求める変態王子様の存在が、暗に仄めかしています。見事です。