第3話 わたしと彼の結婚生活
結婚してしばらくして、彼は転職したいと言い出した。
私は彼を全面的に信頼していたので、彼の話を聞き、彼のやりたいようにすればよいと応援した。
私はもともと感情的になることの少ない性格で、彼とケンカらしいケンカをしたことなど無いに等しかった。
転職後、会社の始業時間が遅くなったせいか、彼の生活はすっかり夜型になった。
朝方に帰ってくることなど当たり前のようになっていた。
それでも仕事のことを楽しそうに話す彼が私は嫌いではなかったので、家事を全て引き受けて応援していた。
24歳の初夏、わたしは出産をした。
わたしと彼の息子、はるた。
彼は仕事で多忙の為、休日にはるたの相手をする程度だったが、彼がはるたを大切に、愛しく想っていることは感じられた。
しばらくしてはるたを保育園に預け、わたしは復職した。
朝方に彼は帰宅して布団に入る。それと入れ違いにわたしは起床して朝食を作り、はるたの支度をして家を出る。おそらくその後、彼は起床して仕事へ向かうのだろう。
そして夕方は仕事帰りに保育園に寄り、はるたと共に帰宅し、夕食、お風呂、洗濯、寝かしつけ、掃除。
とても慌ただしい毎日だが、大好きな家族が居てとても幸せだと感じていた。
しばらくして、二人目を妊娠した。
だがその出産直前に、彼は上司とケンカした等という理由で関係会社へ異動した。
わたしは内心ハラハラしたが、それでも仕事があって良かったと、とりあえずほっとした。
その一月後くらいだったか、わたしが26歳の秋、娘のゆうきが産まれた。
相変わらず彼は夜型で、日曜日くらいしかまともに家には居なかった。
家事も育児も全てわたしがこなしていた。
それでも、家族のために働いてくれているのならば構わない。
家族を一番に想ってくれているのだからと、わたしは過信していた。
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