第2話 わたしと彼の結婚
大学で再会してから、彼の勧めで彼と同じ文学愛好会へ入った。
彼は文系でわたしは理系だったが、本を読むことが好きで、偶然にも好きな作家が同じで、話が盛り上がってしまった勢いもあっただろう。
そこからはもうトントン拍子、というやつだ。
二人で出掛けることが増えて、1年の終わり頃にはどちらからともなく付き合っていた。
大学時代の全ての青春を彼に費やしてしまった。
もっと遊んでおけば良かったのだろうかと思うのは、きっと今更だ。
彼は当たり前だがわたしよりも1年早く社会人となった。
それでも彼は仕事が早く終われば大学まで来て一緒に食事をしたり、土日は当たり前のように一緒にいた。
その時は多分、お互いにこの相手こそが、自分の人生の中で一番のパートナーだと思っていたんだと思う。
彼より1年遅れてわたしも社会人となった。
お互いに大学からさほど遠くはない職場であった為、会うことに不便はなかった。
今まで通りの休日を一緒に過ごしていた時だったと思う。
今ではもうどのような会話をしたのか、あまりはっきり思い出せないし、思い出したくもないが、23歳の春にわたしは彼と結婚をした。
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