第20話

「と、言うことで俺たちは武者修行の旅に出る!」


こうして俺たちは数多くの強者が集まる街に向かっているのだが、なんでこうなったのか一応説明しよう。まぁ数行で終わるが。(多分な


うん、時轟がマジで鬼だった!

「もしお前たちが強くなりたいのなら、今のままではダメだ!ダメだダメだダメだダメだ!もっと己の腕を磨き、スキルを習得し、数多の戦士と呼ばれるようになるのだ!!大体、 お前ら全員がかかってわし1人も倒せないようではやってけないぞ!いづれかは神々と戦うことになるかもしれない、もっと強敵と戦うことになるのだ、そんな時練習や修行はできない!だから今からやるのだ!よいか!今から鬼の特訓をしにいくぞ!」


こうして時轟はそれぞれに修行する場所を伝え、一時的に解散となったのだ。ちなみにバイブルは俺についてきている。


「ファスト、お前は神術剣士としてやっていくにはまだまだ甘い!そこで『オード』という街に出てもらう。いいな!」


「は、はい!」


おいなんだこの俺の立場。









「なぁバイブルそのオードっていう街はどんな街なんだ?」


「オードというのは中級剣士が集まる街でなんと道端でいきなり果たし状を渡されて決闘するのです!その瞬間両者は異空間に転送され、闘技場で決闘。勝てば勝つほどポイントが高くなり、ランキング上位に行くほど強いと、まぁそんな感じですね」


楽しそうだけど、心の準備とか絶対できないじゃん…


修行の期間は一年。その間に死ぬほど強くなってくるようにと言われた。

だがしかし、俺はパーティーのリーダーとしてみんなを時には助け、時には率先して戦わなければならない。頑張らなければ。



たんたんと道を歩いていく…

女の子と2人っきりで歩いてる。

いやこれ結構緊急事態やで!

数掛け月前まで引きこもりだった俺が今隣に美少女!一応腐っても美少女!


「なんか思いました?」


「ヒヤッ、なんでもない!」


そうじゃんこいつ俺の心読み取るんだった…


あれ?じゃあ俺が何をオカズに抜いたのかも…


イヤァォァァァアアァァァ!!!





無事に街につき、酒屋で昼飯を食べていたころ…


「なんか果たし状が飛び交うとかそういう感じじゃないんだな」


「そりゃそうですよ。ここはまだ街の周りの部分。中心地に行けば果たし状のオンパレードですよ。覚悟しないと即刻やられちゃいますよ〜。あ、私は側から見てるんで頑張って」


「いやお前何もしねぇのかよ!」


「当たり前でしょう?私なんか強すぎてこのじゃ相手になりませんから」


「よぉイキリ」


「ぶち殺しましょっか?」


「いいえなんでもないです」


「よろしい。もうすぐアロトオデンぶっ放すとこでしたよ」


MA☆ZI☆KA


「しかしどのお店も料理が上手いなぁ」


「まぁ毎日コンビニ食人間から取ったらそうでしょうねぇ」


「イラっ」


ゆっくりと昼飯を食べ。休憩し。外の街をバイブルが眺めていた。


横顔は可愛いんだよなぁこいつ


まあ普通にみても可愛いけど!3次元のくせに


「さ、そろそろ行くか」


このままだと俺の神経がヤバイ


バイブルが立ち上がり店を出ようとしたころ、


「おい、そこのお前ら待てよ」



明らかにガラが悪そうな男二人組が近寄ってきた。


「ふーん、お前ステータスを見る限り、『元人間』なのか。おもしれぇ奴がいるじゃねえか。こんな下等民族がこんなところにいるとは。こりゃ笑えるな! ゼルフィ」


下等民族?


「本当だな。こりゃ笑えるわ。おいこの娘よく見ろよ。今じゃ珍しい神導書だぞ。しかもかなりの高性能ときた。こりゃ使えるぜ」


「おいまじかよ、おいおい嬢ちゃん。

こんなクズ生物と一緒にいないで俺たちとともに暮らそうぜ。可愛がってやるぜぇ。もちろん夜の相手もな、グハハハ」


バイブルの顎に手を伸ばそうとした男の手をパシリと払う。


「おい、勝手に触れないでくれないか。それと、バイブルは生物だ。道具じゃない」


「あぁ?うるせぇな、おい」


ファストは男に手で突き飛ばされ、その場に尻餅をついた。


「ご主人様!」


「おいおい、ご主人様とは。こいついい奉仕プレイしてくれそうだぞ。ほらほら、こっちだよお嬢ちゃん。きっと俺たち2人に嬲られたらお嬢ちゃんすぐ虜になっちまうぜ。ガハハ」


「文字どうり嬲ってやるよ。グハハハ」


ゼルフィと呼ばれた男は強引にバイブルの手を掴み取り、引き寄せた。


「キャッ!」


「おいやめろ!」


立ち上がろうとするファストを男は蹴り倒し、もう一度尻餅をつかせる。


「そんなに取られたくないんだったら決闘で決めるんだな。フッ、みたところお前この街に来たところか。ステータスもこりゃクズじゃねえか。中心街で待ってるぜ」


そう言って男二人は強引にバイブルを連れて行った。


いやそうはさせるか!


「おい、ふざけんな!返せコラ!」


しかしファストはまた蹴られた。

腹を蹴られたため一時的にショックが起き、さらに遠くに飛ばされとても痛い。


「おいこら!」


男2人はもういなかった。














「ほう、何か憎しみを感じるなと思ったら、ロバイルではないか」



そう話しかけたのはロバイルと同じくらいの背の男であった。着物を着ており、腰には刀はない、がこの男は剣士であることをロバイルは知っている。


さて、今ロバイルの前には大きな屋敷がある。大きい松、しゃちほこ、屋敷というより、城に近い感じがする。


ロバイルが修行として赴いたのは、『覇勇家』と呼ばれる代々名戦士を生み出してきた家であった。


なぜロバイルがこの家に来たのか、いづれわかることである。


「まあとりあえずお前が会いたいのはテレサであろう。こい」


「すまない」


長い廊下である。その長さは100メートルもある。100メートルと言ったらプール4つ分である。ところどころに扉があり、全体は和風建築である。


「この襖の先だ」


大きく金で縁取られたその襖は鮮やかにそして堂々と立っている。



この先に拙者が会うべき人物がいる。

なんとしても変えなければ!


ロバイルが襖を開けようと手を輪のところにかけた瞬間、扉は斬られた。そう、斬られたのだ。


内側から何者かが剣で斬撃を飛ばしたのだ。誰に?ロバイルにだ。


今ロバイルは倒れている。胸から腹にかけて縦にまっすぐ大きな赤い、赤い斬り跡をぱっくり開いて。


「グハッ。変わらなかったか…」


テレサという男はただ一言言っただけであった。


「貴様を見るほど私の目は腐ってない」



ロバイルは玄関の外へと投げ出された。


「まぁ、落ちこぼれ落ちこぼれよな。剣が語ってるわ」






「さて、ここからどうしたものか」



今拙者は追い出された。さすがは鬼族、私を一瞬でこの家の子と見抜いたのはいいが、関係性まではつかめんかったのだろう。ましてや、親から捨てられているなどな。更に捨てられたのは生まれてすぐだ。拙者が母体から出て、秒で私は捨てられたという。

拙者の何が悪かったのか!



さて、どこで腕を上げるか…


仰向けに倒れながら考えていたロバイル、1人の娘が近づいてくる


「もしかして、ロバイル君?」


顔を上げるとそこにいたのは、可憐な、和風な、着物を着た美しい女性であった。


「菊姉か」


「未だにそのあだ名は変わらないのね。昔から『キクネェ!キクネェ!』ってあんたは言ってたもんね」


「懐かしいな」


「ほら、そんなことよりまずはうちきて傷防ぐよ」


「かたじけない」














中心街ってどこだ!


「あのお兄さん!中心街ってどこだかわかりますか!」


「この道をまっすg


「ありがとう!」


ヤバイヤバイ。今ごろバイブルは既に犯され… いやいやいや!そんなん許すものか!

待ってろバイブル!

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