第12話
俺氏、今回は本当に何もしてないぞ。剣すら出してねえし。神術も使えてない。ああ、俺って本当に主人公なのだろうか?実は違うんじゃね?
「ちょっとあんた!顔出しなさいよ!名乗りなさいよ!人が狩ろうとしてるのに横取りするなんて最低な半神のやることよ!」
お前も同じことをしただろうサイクロ君
「あ、すいません。本当にごめんなさい。つい集中しちゃってて気づきませんでした」
茂みをかき分けて現れたのは190センチはありそうなくらいの青年だった。右手には鞘に収められた刀がある。
日本刀だ!!かっこよ!
「あの、マリアルはどうぞもらってください。勝手に狩ってしまった僕が悪いので」
「いえいえ、ここは山分にしましょう」
と、いうバイブル
「いえいえいえいえ、全ての責任はこちらにあるので」
「こちらも流石に全てもらうわけにはいきません」
「いやいや、どうかもらってください」
「いえいえ、狩ったのはあなたなんですから」
何だこのおばちゃん劇
「ちなみに君、名前はなんていうの?」
ここで俺がこの質問をしておけば途切れるだろう。
「ああ、申し遅れました。私は覇雄はゆう・オード ・ロバイルと申します」
「俺はファスト、このうるさいのは、
「うるさいとは何だ!私は神術・ラーレット・サイクロだ!って言ってもまあ知ってるか」
「はて?」
「てめえぶっ潰すぞ!」
首を傾けるロバイル
「私はバイブル・ライリー・リーラです」
あれ、俺だけ名前に違和感感じる
「あなたの剣技、素晴らしかったです!」
「いやあ、そこまででも。私もこんなに美しい神導書は初めて見ましたよ」
ちなみにこの時二人はいまだに袋を押し付けあっている。
「なあサイクロ、あの袋の中何が入ってるんだ?」
「マリアルと言って、さっきのビトールが入ってるの」
「あんなにでかいのが?全部?」
「あのね、主神支と支神支でこの時空が構成されているのは知ってるでしょ?」
「聞いたことあるような聞いたことないような」
ため息をつくサイクロ
「でね、1つの支神支と1つの支神支の距離はとっても長いの。まあこっちから見たらぎっしり詰まってるように見えるけど。だから本当は凝縮させると、あんくらいの大きさなの。実際はもっと小さくできるのよ」
まじか、それ俺小人になれんじゃん。
それにしてもさっきの剣技は凄かった。
あいつは是非仲間にしたい。
「ねえ、君。僕たちの仲間にならないかい?」
「言うと思った」
「私もです」
「ええ!いや、やめておいたほうがいいよ。僕、本当に仲間とかには向いてないから!」
「いやいや、君のその剣で敵をスパスパと斬ってくれたら、いい戦力になると思うんだけど、」
「あのねファスト、」
サイクロが少し悲しい、哀れみの目で見てくる。
「この剣何も切れないの。なまくらなの」
ふぁ?開いた口がまじで塞がらねえよ
「ちょっと借りるわね」
そう言ってサイクロが剣を鞘から取り出すと、
シュッ
ファストを斬った
「うわああ!ってあれ?」
何も痛くない、どこも切れてない
「僕の剣は『不断の剣つるぎ』と言って、斬った対象を通り抜けてしまう剣なんです、その代わり、この剣はその相手からマリアルを吸収できます。今はまだ成長途中ですが、僕がもっと上達すれば、斬っただけでどんな敵も仮死状態にすることができます」
強いのか弱いのか
「一応生命のないもの、つまり核と魂のないもの以外は普通に切れるのよね」
てことは、
「ああ!俺の服が!」
「ちなみにこいつのスキルは『ワンリー』と言って、まあ簡単に言うと1つのものしかできなくで、それ以外は何にもできないと言うスキル。彼の場合はジョブが神剣士だから剣技に集中してるわ」
「つまり君な剣技においては最強クラスの実力を持てる可能性があると言うことなんだろ?」
「ええ、でもそれ以外は本当に何も…」
「他のことなんていいんだ。俺たちと一緒に来いよ!未来の最強剣士ソードナイト君」
いいキャッチコピーだぜ。あ、声優さんここイケボでよろしく〜
「じゃ、じゃあ、迷惑かけるばかりかもしれませんが、よろしくお願いします」
「よろしくな」
「よ、よろしく」
「よろしくお願いします」
いいペースすぎるぜ俺!
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