第5話

この子優しいなあと思った瞬間、本に変化が起きた。神道書全体が光だし、開いているページが下に向いた。下にさっきの波動支神支をはなって飛ぶのかな~と思って見ていると、

 

 本の中から15~16くらいの歳の女の子が出てきた。

 顔や服装はさっきまで本に載っていたときと変わらず、全身は黒と白のローブに覆われており、ところどころに本が書いてある。

右手には白の手袋を、左手には黒の手袋をしている。貴重品とか触るときにつけるような手袋だ。

ローブの下は15㎝程足が出ており、その足はとても細い。

ブーツをはいており、

頭には下向きにさっきの神道書が乗っているというか、もうほぼつながっている。

改めて全身を見てみると、the・魔道士って感じの服装だ。

顔にはどこか幼さがあるが藍色の目にはどこか遠くを見ているような、まるで世界の果てを見ているような、そんな感じがする。なんつって。かっこいいこと言ってみただけです。調子乗ってすいません。

マジ次からきおつけます。後マジで長すぎましたマジさーせん


 彼女がふふっと笑ったところを見て俺は思った、絵からこの子は出てきたのだと。それはすなわち二次元から三次元へと次期を超えることができることを意味する。つまり、もしこっちの世界にいればの話だが、自分の二次嫁を三次元へ顕現することができるのだ。


 まあしかし今は落下途中だし、今はあきらめてこの話はまた今度にしよう。


 「ビックリしましたか?」

 「正直かなりびっくりしたよ。まさか絵である君が立体化できるなんて考えられなかったからね」


 ちなみに今の文で俺は遠まわしに『二次元って三次元化できるんだね』といって自然と自分の二次嫁も三次元化したいという話にもっていこうとしている。やっぱりあきらめきれない。


 「さあ、飛びますよ、」


 そういて神道書が右手を下に出す。


 「詠唱とかいらないのか?」

 「いい質問ですね

 よっしゃ

 「技を出すには大きく分けて四つのタイプがあります。一つ目は有詠唱陣(ゆうえいしょうじん)。詠唱を言い、神陣(しんじん)という魔法陣のようなものを書いて技を出すもので、時間はかかりますが、初級者はここから始めます。次に詠唱だけの有詠唱(ゆうえいしょう)、神陣だけの有神陣(ゆうしんじん)、詠唱も神陣もない無詠唱陣(むえいしょうじん)があり、私が今やろうとしているのは無詠唱陣です」


 「へ~、そんなに種類があるのか」

 「はい、ファストさんも頑張れば無詠唱陣が使えるようになりますよ」

 「どのくらいで使えるようになるかな?」

 「だいだい10年から15年ですね。」


 なげーよ。くそなげよーよ。俺そのとき最短でも25じゃねえか。それまで空飛ぶ練習してたら俺完璧ニートになってるわ。まあいっか。


 「まあ頑張るのみです!では、飛びますよ!」


 そう神道書がいった直後、体がフワっと浮くのを感じた。その瞬間、さっきまでものすごいスピードで落ちていた俺の体はゆっくりと降下し始めたかと思うと、一気に降下し始めた。しかもさっきの倍ぐらいのスピードで、


 「こなうぇあは(おまえは)あい(なに)もふぁんらえでぃうの(をかんがえているの)?」

 「このまま一気に落ちて地面すれすれのところでゆっくり降下します」


 通じた

 まさか今の言葉で通じるとは思ってなかったのでかなり驚いた。

 そして10秒後、ファスト達は無事着陸したのであった。

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