第6話 コピコ失踪

「コピコ。ようやく完成したよ。これが秘密の言葉だ」


ロバートは大声で言うと、秘密の言葉が書かれた紙をコピコに見せた。


「フフフフ」


コピコはいつものように笑う。


「どうだ?」


「大成功です」


神の指令を受けてから15年、ロバートは55歳になっていた。本当に長い道のりだった。大成功の声を聞いて、ロバートは意識を失った。死んではいない。ようやく休息が与えられたのだ。コピコはソファーで横になっているロバートに毛布を掛けた。そして、秘密の言葉が書かれた紙を持って家を出た。


いよいよ文明の革新が始まる。


ロバート言語に感染することで人間の文化的遺伝子が突然変異を起こすという仕掛けだ。ワクチンができる前に速やかに世界に拡散させることが重要なのだ。


それから3日、ロバートはようやく意識を取り戻した。そして、机の上の紙を探したが見つからなかった。ああ、コピコが持ち出したのだな。そう思ってため息をついてから、大変なことに気がついた。


あれ、秘密の言葉はなんだったのだろう。思い出すことができない。ロバート凍りついた。まずい。本当にまずい。とにかく落ち着け。


ロバートはコピコの携帯に電話をしたが、現在は使用されていない旨のメッセージが聞こえてくるだけだった。


思い出せ。思い出せ。


その時、お腹がグーッと鳴った。まずは食事だ。ロバートは特製のスープを口にした。

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