第2話 ロバート空間2号

「ロバート空間1号」は多くの人に届いたものの、その反応は散々なものだった。頭が悪すぎる、完全に狂っている、負け犬の大袈裟な言い訳。ほとんど失笑を買っただけで終わってしまった。そのことを教えてくれたのは、コピコという友達であり協力者だった。彼女は言った。


「失敗は当然よ。失敗を繰り返すことで成功が生まれるの。まだまだこれから」


ロバートは忌み嫌っている感染マーケティングの手法を使うかどうかで迷った。毒には毒で立ち向かうべきではないのか。とにかく、ロバート空間を完成させないといけない。


コピコはそんなロバートを見て、私もロバート空間を作ってみると言い出した。そうだ、空間はいくつあっても問題ない。そして、コピコはロバート空間2号を作った。



汚れ、醜く、臭い腎臓結石のような心の玉よ

そんな心の玉は洗っても磨いてもムダ、ムダ


そんな心の玉は重いハンマーで叩き割るしかないよねん

粉々になるまで叩き割ろうねん

さらさらになるまで叩き割ろうねん

さらさらきれいな心の粉

汚れてる粉は深く地中に埋めようねん


お。宇宙を席捲するロバート空間

それは、人称とは無関係やねん


心の玉を粉々にするロバート空間

ナノ・セコンドのレーザービームのストリーム


破壊するのよん

貴方を


粉々にするのよん

貴方を


さあ、足を手を首を洗っておこう!!

まあ、洗わなくても良いけどねん


あんたさあ、ロバート空間に来る?

うっふっふっ


もう手遅れだわよ

貴方はロバート空間を見てしまったし~

貴方はロバート空間に触れてしまったし~


さあ、粉々にして、あ・げ・る

うふっ、うふっ、うふっ




ロバート空間2号は一定の成果を収めた。多くの心の琴線に触れた。しかし、まだこれは第一段階である。ロバート空間を知ったというだけのことだ。ただ、心に、脳にロバート空間を刻み込んだだけだ。チーム・ロバートは次の作戦へ向けて活動を活発化させた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る