第27話 終戦

「喰らいな!これが筋肉流とっておき全身全霊超筋肉砲だ!」


そう言うと勇人はフルパワーでクイーンゴブリンへ放つ。



ガァァァァァ!



クイーンゴブリンも溜めていた魔力を解き放ち魔力砲として勇人に放った。



2つのエネルギー砲がぶつかりあい地下室の檻や実験道具は吹き飛んでゆく。


それほどまでに1人と1匹が放ったのは高威力の技なのだ



技を撃っている両者もこの技のぶつかり合いを肌身に感じ理解している、これが当たった方が負けであると



「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


ガァァァァァァァァァァァ!




「ぐぅ、このままではおそらく超筋肉の効果で消費している体力、魔力が尽きてしまう…最後の力だ」




最後の力を振り絞り勇人は威力をあげる。


「うぉぉぉぉぉぉ」



グァァァァ!?



クイーンゴブリンの魔力砲は筋肉砲に飲み込まれていく。



「いけぇぇぇぇぇ」




そしてクイーンゴブリンの魔力は全て飲み込まれた。



「ハァァァ!」



直撃


クイーンゴブリンはぶっ飛びそしてパラパラと体の端から灰となっていった。



やがて、クイーンゴブリンを、倒し勇人は思い出したかのように


「サラ、サラはどこだ!」


そして最愛の妹に向かって走ろうとした瞬間、勇人の意識は途絶えた。










~~~3日後



「う~ん…まだ体が痛むな…」


体をさすりながらディムは言った。



あのクイーンゴブリン戦の後、ディムは必死で技の威力で崩れた地下室の瓦礫の中から勇人の救出にあたっていた。



そして、勇人の救出が終わった後、勇人の妹のサラを探していたのだ。



しかし、あの場にはサラの姿はなかった。



その代わりに置き手紙がおいてあった。そこには


「勇人、君の妹様は魔王城にもらってくよ 。 プレアもとい魔王軍幹部 プレカノス -アシム」


と書かれていた。



「くそっ、あいつ今度会ったら許さないからな」


そうして悪態をついていたら後ろから足音がしてきた。



「あっ、ディムさん!もう出ても大丈夫なんですか?」


ディムの配下の一人のリトルリザードマンはディムに呼び掛ける。



「ああ、心配をかけたな」



「いえ、ディムさんにはお世話になったので…あっそう言えば勇人さん…でしたっけ?人族の方はどちらに?」



「あー、あいつか…」


遠い目をしながらディムは言った


未だに勇人は起きてきていないのである。



「あいつ大丈夫なのかね…」


ディムは呟く。



「え、そんなに具合が悪いのですか!?」


「まてまて、そうじゃない、そうじゃないから安心してくれ」


焦りながらディムは言う 。



「あ、なんだ心配しましたよ」


「大丈夫だよ、あいつなら妹が!とか言って起きてくるから…」


それら願望であると自分でもわかってる。勇人は3日も起きていないのである。今は息をしているが最悪の場合は…



「そんなわけあるか!」


自分に言い聞かせるようにも聞こえるような声でディムは言った。



「デ、ディムさん!」


あわただしく別のリトルリザードマンがディムに走り寄る。



「どうした?そんなに慌てて」



「は、勇人さんが目覚めました!」


その言葉を聞きディムは勇人が寝ていた場所まで走った。



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