第21話 妹奪還作戦開始

「よし、では作戦を伝える」


気を取り直したリザードマンのディムが3人に言う。



「お前作戦考えてたのか。さすがといったところか…」


勇人がそう言うと自信満々にディムが作戦を皆に伝える。



「ははは、さすがだろ俺様は。そしてその作戦だが……全員で突撃。以上だ」



「ただの脳筋ですね、わかります。さすがと言ったのを取り消したいぜ」


とても単純な作戦につい、言葉をこぼしてしまう勇人。



「なんだと、オラァ!?俺の完璧な作戦に文句あるんなら言ってみろや!」



「いや、文句しかないよ。なんだよ、その幼稚園児でも思いつきそうな作戦」



「てめぇ、じゃあお前が作戦を考えてみろ!」



怒りながらディムは勇人に言った。



「わかった。じゃあ、1分くれ」


そう言いながら周りの地形を再度確認する。



「ふ~む。この地形なら…」


ブツブツと唱えながら頭をフル回転させる勇人。



そして、少し経った後


「なあ、ディム」



「なんだ」


ディ厶がイライラした様子で返事をした。



「最初に会ったときの魔法以外に何か使える魔法はあるか?」



「なんだ突然、まぁ使えんこともないが…」



「よし、使える魔法をすべて教えてくれ」



こうして勇人は妹を助ける算段を建てていった。







~~~1分後~~~


「よーし、じゃあ今伝えたように行ってくれ」


そう言いながらストレッチをして体をほぐしていく勇人



「わかったが…お前…」



何か怯えるような目で勇人を見つめるディム。心なしか距離が遠ざかった気がする


「なんだ、何か言いたいことでもあるのか」



そんな様子に少しも気づかず返事をした勇人



「いや、なんでもない…」



「そうか…ならいいんだ俺の作戦通り頼むぞ。お前らの働きで俺の妹の安否が懸かっているんだ、万が一何かあったら、お前らただじゃおかないからな」



そう言いながらディムたちを睨み付ける。するとディムが小声で


「こいつ妹のことになると鬼のようにこええな…」



「ん?なんか行ったか??」



「なんも言ってねえよ。全力で当たらせて貰います」



なぜ敬語?と思ったがとりあえず置いておき、再び作戦に集中する勇人


「よし、じゃあ始めるぞ」



妹奪還作戦及びゴブリン撲滅作戦が今、始まった。



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