第12話 修行開始

「では、修業を始めようか勇人少年!」



「よろしくお願いします」


 正式に弟子入りが認められてから1日後…勇人はデンティーの家に来ていた。



「で、何をすればいいんだ?」


 軽くストレッチをしながら、デンティーに質問する勇人。



「まぁそんなに焦らないでくれたまえ…修業は長いんだからね!」


 質問に対しキラリと汗臭いウィンクをかえしたデンティー。うわーとジト目を勇人は向けた。



「とは言っても、どう強くなりたいか要望とかは聞いておかねばな…何かあるかい?」



「なるべく早く強くなりたい」


 真顔で答える勇人。



「oh…即答だね…なにか理由でもあるのかい?」


「あぁ、早く妹に会いたいんだ…そして現世に連れ帰りイチャイチャしまくる!!」


 ぐっと拳を握り熱弁する勇人。



「すごいな…とても強い熱意が君から伝わってくるよ…よしなら私もその熱意に応えようではないか!」


 何故か謎の熱意に押されやる気になったデンティー。



「君には入門編から教えていこうと思っている。しかしまず奥義を見せておくことにしよう!修業には全力でついてきたまえ!死ぬことになるからな!!」



「はい!全力でついていきます!ってえ?死ぬの?」



「なに!心配することは無い!少し長い時間眠ることになるだけだ!!」


 急にしょぼんとした顔をした勇人にデンティーが答える。



「いや!ちょっと待って!死ぬなんて聞いてない!そんな修行なら俺は帰るぜ!」


 涙目で帰ろうとする勇人。ダッシュで帰ろうとした瞬間目の前にデンティーがいきなり現れ道を阻まれた。



「ぐわっ」



「HAHAHAさあ頑張ろうか勇人少年!!君の熱意ならやり遂げられるはずだ!!」


 倒れている勇人をそのまま持ち上げ丸太のように肩に乗せてデンティーは自分の家の方へ向かう。



「いやだー!家へ帰してくれ!!妹よ助けてくれええ」


 勇人の絶叫が響く朝…今日から修業が始まろうとしていた。





~~~自宅




「あれ??今お兄ちゃんに呼ばれた気がした…」










~~~




「まず奥義を見せると言ったからな!奥義その1から教えていこうか!!



「いやその前にこの縄をほどいてくれよ…」


デンティーの庭に生えている木に縛り付けられている状態の勇人はもはや死んだ魚のような目でデンティーを見ていた。



「だが、断る!!だって勇人その縄を解くと逃げてしまうだろ!」



「もう逃げねーよ…ていうか逃げてもすぐに追いついてくるじゃん…」


 先程から10回ほど脱走を試みたがその全てがデンティーによって一瞬で連れ戻されている。



「HAHAHA!まぁそこでみてなさい。それほど今からやる奥義は危険なんだ。」



「んー…わかったじゃあここで見ているよ」


 いつになく真剣な顔をするデンティーに勇人はおされ渋々了解しました。


「うん、いいこだ…よしでは始めるぞ」


 そういうと、デンティーは両手の手首を合わせあの有名バトル漫画の亀仙流の奥義のような構えをする。



「ムーキ、ムーキー」


 その動作と一緒に意味深な掛け声を発するデンティー。



「キャノン!!」


 そう叫ぶとデンティーは両手を突き出した。するとそこからビームのようなものが出てきて周りの気を消し飛ばしていった。



「今のが筋肉流マッスリュウ奥義「筋肉砲ムキムキキャノン」だ!」






「カ〇ハメ破じゃねーか!!」






 絶対習得できないと思いながらら勇人は叫んだ。




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