第7話 妹が魔王様!?

「お前誰だ?」「ほぇ?」



なにがなんだかわからないという顔をしてるサラと呼ばれた少女。



しかし、わけが分からないのは勇人も同じで


「だーかーらお前は誰なんだ?俺の妹と言っているみたいだが俺の妹は魔央ただ1人と決めているんだ」



と質問をいきなりこの少女にぶつけた。すると少女は不思議そうな顔をして


「まお??って誰?お兄ちゃんどしたの?こーんなに可愛い妹の顔を忘れるなんて…もしかして…記憶喪失ってやつ??」と言いながら勇人の顔をじーと見る。



「顔を見続けるな…それに俺は記憶喪失ではない。お前のことは本当に知らないんだ」



「え~でもな…私はお兄ちゃんのことよく知ってるよ」



「そうか…お前がなんで俺のことを知っているんだとツッコミたいところだがそれは置いといてとりあえずこの状況を整理しよう」



「じゃあ!おうちに入ってお話しよ!お兄ちゃんのためにご飯作ってあるの!!」


 ルンルン気分で家に入っていくサラ。



「しょうがないな」


 勇人はため息混じりではあるがかわいい妹のために家に入ったのであった。






 家の中に入り、サラの案内で勇人はへやにはいった。


そこは四角い木でできたテーブルとふたつの椅子が置いてあり端には本棚がおいてある。そこで軽くサラと食事をし今に至る…。



「まず質問だ…。ここはどこだ?」



「んーとね!ここはヘファイストス大陸のカインド王国っていう国の端っこにあるトーラって村だよ」


 やはりここは異世界のようだな。妹の部屋から転移したらしい。



「言葉だけでは詳しい位置がわからんな地図はあるか?」「あるよー」


 サラは地図を持ってきて見してくれた。



「ここがトーラなのか…これヘファイストス大陸の他に2つ大陸と1つの島があるが…」



「この2つの大陸と島のこと?」「そおだ」



「まずこっちの大陸はね暗黒大陸って言って人も近寄れないような危険な場所なの~そしてこっちの島が和ノ国だよ」



「まんまじゃーねか!!世界観ぶち壊しか!?何でこんな中世ヨーロッパぽいとこに日本があんだよ!しかもこのネーミングまんまワン〇ースの日本っぽい国に漢字あてただけじゃねーか!!」



 ツッコミどころすべてにツッコミ、ゼエゼエと息を切らす勇人。その勇人に、少し怯えながらサラは続けた。



「まあ和ノ国はいいとしてね…こっちの国が今問題になっているの忘れたの??」



「十分和ノ国も問題だらけだと思うがな…」



「こっちのゴジベリー大陸のゴジベリー王国っていうのに問題があるの!!」



「なんでそのゴジベリー大陸のゴジベリー王国っていうのに問題があるんだ…?」



「なんでって…お兄ちゃんそんなことも忘れちゃったの??」


 不思議そうな顔をした勇人にサラも不思議そうな顔を返す。



「あ、ああ」



「も~しょうがないな~!ゴジベリー王国には魔王ってゆーのがいて人を襲う魔物を使ってカインド王国に攻めくるからだよ!!」



「なるほど…」



「お兄ちゃんも魔王絶対倒してやるー!ってすごい怖い目をして特訓していたの忘れたの??」



「そんなにか…何があったんだよこの世界の俺」


 相当な恨みなあったんだろうな…親でも殺されたのか?



「この間なんか近所の人ムツタロウさんに魔王殺すべしって言って襲いかかってたんだから!!」



「マジで何やってんだこの世界の俺!!」


 もう親どころか親戚一同みんな魔王に殺されたんじゃないかと疑うレベルだぞ。



「で、何者なんだその魔王って?」



「んーとね!女の子でー」「ちょっと待て…」


 頭を抱えストップを言い渡す勇人。



「女の子?魔王がか?」



「うん、それで髪の毛はこの世界で珍しい黒色でー年は私と同じくらいで噂だと異世界から来たとか言われてるよ~」


 ちょっと待てよ。年はサラと同じくらい、そして黒髪、さらには異世界人。まさかそんなことあるわけないよなと思いながら話を続ける。



「で?その魔王名前はなんてゆうんだ?」


 勇人がその言葉を口にするとサラはキョトンとした顔で勇人を見た。



「なんだ?その顔…何か言いたいことでもあるのか?」



「う、うん。だってお兄ちゃんってば変な事言うんだよ?」



「何が変なことなんだ??」



「だってーお兄ちゃん魔王の名前知ってるのに私に聞いてきてるんだよ?そりゃ変だと思うよ」



「は?」


 訳が分からないというか分かっていたが分かりたくなかったの方が正しいかもしれない。そんな複雑な表情をした俺にサラは続ける。



「俺の妹は魔央ただ1人って…、なんで魔王がお兄ちゃんの妹なの?魔王の名前は、”マオ”だよ?」



「え?は?ちょっと待てよ…」


 今まで薄々分かってきていたことの確信をつかれて、動揺する勇人。勇人はガタガタと席を立ち呟く






「妹が…”マオ”がこの世界では魔王…?」



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