第3話 愉快な仲間たち②
「ふー、やっと午前が終わった~」
午前の授業が終わり、背もたれを使いぐーっと伸びをする勇人
「まだ午前なのよね~、勇人ご飯たべよー。」
かわいらしいピンク色をしたうさぎの柄の弁当箱を持ちながら寄ってくる山上。
「お、そうだな。ご飯とするか!しっかしいつもかわいい弁当箱だよな山上って」
「なっ別にいいでしょ!ほらご飯食べよ」
顔を赤くしながら、席を動かしせっせと準備をしていくツンデレピュアっ子さん(山上)
そんな会話の中別に勇人を呼ぶ声があった。
「王野、王野…」
「ん?あぁ、望月か…」
勇人の名前を呼びながら勇人の服の袖を引っ張るメガネっ娘。彼女は望月ヨミと言って、勇人と山上両方に接点がある読書好きな女の子だ。そこそこ可愛い。「私も一緒にご飯たべていい……?」と自信なさげに勇人に問いかけていた。
「ああもちろんいいぞ…山上もそれでいいよな?」
「う、うんいいけどヨミちゃんと勇人って、仲良かったっけ?」山上は両方ともに面識があるので疑問に思ったらしい。
「まあ、席は隣だし本の話とかもしてたら自然に仲良くなっていたよ」勇人の言葉に賛同するように首を縦に振っているメガネっ娘こと望月。
「へー?そおなのね」勇人の言葉を聞いて納得したらしい。
「そういうわけだから…私も一緒に食べる…」
山上が納得したのを確認した望月は勇人と、ご飯を一緒に食べようと席を動かす。
そして当然のように勇人の隣にピタットくっつく。その行動に山上は間髪いれずに言う。「ちょっと!?なにやってんのヨミちゃん」
「私が勇人の隣にいるのは当然…」
「なんでよ!?」
「私が勇人の隣の席だから…」
「隣の席ってそこまでやるものじゃないでしょ!?」
「そこまで…やるもの…」
「だからなんでよー!?」唐突に始まった隣席戦争に対し唖然としている戦争の、当事者であり賞品(勇人)ちなみにこの二人が妹なら俺は死んでもいいと感じていることは誰にも秘密である。
そして山上が切り出す。
「わかった!ヨミちゃんがそうするなら、私もそうする!!」
「なん…だと…」そう言うが否や山上も自分の席を勇人の隣へ移動させる。
「そうは…させない…」ガッと山上の席を抑え行かせないようにする望月。
「やるわね。ヨミちゃん!!」「負けない…」両者の力は拮抗しており椅子がさっきから山上の方へ行ったり望月の方へ行ったりととても忙しそうにしていた。そこへ、一人のバカが来た。
「ここで、空気を読まず登場する俺!!前話出てできた武人笹川だよー。勇人にいい思いばっかりさせねーぜ!」購買で買ったパンを入れた袋を下げ騒がしい声とともに教室に入ってきた笹川。
席が扉に近かったため戦争中の二人は驚いて力が抜け二人とも後に転んでしまった。
二人とも派手に転んだため、後頭部をゆかにぶつけうなりながら悶えていた。そんなことは気にせず笹川は二人を無視し勇人の方へ歩いてきて「ずりーんだよ勇人ー!お前だけモテやがってー!今のはお前への仕返しだ!」とか言っている。
そんな笹川を、後ろの二人の状況を見て勇人は心の中で笑いながら
「悪いことは言わない。早く逃げておけ笹川」
「ん??何水臭い事言ってんだよ勇人。自分だけいい思いしようったって、そうはいかないぜ!」純粋な勇人の助言に気づきもせず勇人に近づいてくる笹川。そんな笹川の背後に好きな男の子と接近できるチャンスを笹川のせいで潰された二人の影がムクリと起き上がる。
「そうか、それでいいのだな笹川。死ぬなよ笹川」
笹川に別れの言葉を言って退散の準備をする勇人。
「ん?何言ってんだ勇人別に死にはしねーって」
「後ろを見てもそれを言えるのか」
「だーかーら別に後ろに鬼でもいない限りしには死ねーy」
そう言いながら後ろの様子を確認した笹川の言葉は途中で途切れた。
「……どうしよう勇人……鬼が後ろに……」
涙目で訴えてくる笹川に「侍なら大丈夫だろ」
「待て、勇人無理だ…逃げないでくれ俺を助けてくれー!!」
「ごしゅうしょうさま(笑)」と言葉をかけて勇人は走って教室が戦場になる前に逃げたした。
走っていた勇人の背後からは、好きな人との接近のチャンスを潰されたあげくに倒されるとゆう行為を受け復讐に燃えた、鬼が二人笹川に襲いかかっていた。笹川の、断末魔を聞きながらおれは廊下を走り抜けた。
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