第2話 愉快な仲間たち

「いってきまーす」



 朝食(妹からのご褒美も含め)を無事に摂って、キッチリ時間通りに家を出た俺は歩いて8分の駅へと向かっていた。



「おっ?勇人くーん!おはよー」



ひとり俺を呼ぶ声がした。こいつは、同じ高校に通う同級生の女子の山上美姫やまがみみき顔もそこそこよく、男子受けの良い奴で俺とは中学から同じクラスで家も近いためよく一緒に登校している。



「おう、おはよう山上」



「ん?どうしたの?なんか元気ない?とゆーかむしろ元気?」



「よくわかったな山上よ。流石だ。」



「朝に何かあったの?」



「よく聞いてくれたそれがな……」



俺は山上が聞いてきたので俺は朝のご褒美について話してみた。



「へー」



会話の最初は親身になって聞いてくれた山上出会ったが話が終わる頃には冷めた目で俺をみていた。



「なんていう勇人ってさーほんとにさ妹さんのこと好きよね」あきれたように言ってくる。



「それはそうさ!何たって妹は神が俺にくれた唯一のたからものだからな!もしこの世界と妹のどっちかを取れと言われたら迷うこと無く妹をとる!」



 手を握りしめ山上に力説した。少し頬を赤らめながらもすぐ冷静になり冷ややかなめで俺を見て言った



「世界取らなきゃ妹さんもなくなっちゃうと思うんだけど…妹好きもここまでなると気持ち悪いわね」



「山上までそう思うか!?」



数少ない理解者であると信じた山上にまでそう言われてしまい、いよいよ精神的に死に始めてきた勇人を見ながら山上は小声で



「すこしでも、その好意を私にくれればいいのに…」と呟いていた




 学校に着くまでの間山上とご褒美のこと含め色々話学校に来るまでの30分を過ごした。教室につき自分の席へ向かう。



「席替えしたんだったか、えーと俺の席は……」勇人が絶句した。



その理由は視線の先にあった。(←山上もいます)



「おー勇人殿か!おはで候」



 謎の甲冑に身を包まれその姿で勇人の席に座っていた。


 読者及び勇人理解不能だと思われるのでもう一度言おう。中に道着を着て上から甲冑を身につけている武人が勇人の席に座っていた。



「……」「……」


「勇人ー?どうしたー早くこっち来いよ?」



「なあ…山上…」「なに…?勇人くん…」



「俺の席に甲冑着ているやつがいるんだけど、俺ついに頭狂ったのかな?」「君が狂っているとしたらそれが見えてる私も狂っていることになるから、あまり肯定したくないなぁ…」



「そうか、じゃあ1番頭がいかれてるのは目の前のアイツということでいいか?」「異議なし」



「よし、じゃ俺の許可無く変な格好で俺の席に座っているあいつとりあえず飛び蹴りしても問題ないよな山上」



「異議なしね」「いってくる」


「おーい、勇人殿??何駆け抜けてるでござるか、少々危ういとは、うぉっ??」



「ちっ避けたか」



「避けたかはねーで候。なんじゃ今の!?それがしではなかったら死んでいるぞ! 」



「安心しろお前じゃなくても死なねーから、あと侍言葉やめろウザイし分かりにくい読者が嫌がる」



「くっ、武士のそれがしに侍言葉をやめろというの…はいやめます。」



武人は侍言葉をやめ、制服に着替えて普段の俺の友達、笹川謙持ささかわけんじに戻った。こいつは剣道をしていて、時代劇や戦国武将オタクである。



「えーと結局何をしていたのかな?笹川くん」久しぶりに山上が口を開く。



「よく聞いてくれました、山上ちゃん」



「その割には、最初の方私を無視していたよね……!?」



聞こえないふりをする武人こと笹川。勇人が改めて聞いてみる



「で、本当何を考えてそんな格好をしているんだ?」



「それはだな……ほら俺侍すきじゃん?」



「まあ…そこはどうでもいいのよ、それで?」



「どうでもいいは傷つくな山上ちゃん…まあいいかそれでだね侍の格好をすればタイムリープして侍の世界へ飛べるのではないかと思ったんだよ」



「今の一言でツッコミどころだらけでどこからツッコムべきなのか…」



「珍しく私も同意よ。そしてなぜその理論に達したかも私には分からないわ」



二人の意見が一致し二人とも頭を抱える中笹川は、


「まぁ、タイムリープはできなかったんだがな…」


見ればわかるよ!!!というツッコミを二人に心の中でさせる見当違いな結果報告をしてきた。こうして騒がしい朝は終わった。





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