登場人物紹介2
「ねえ、次はだれを調べようかな」
「本気で乗ってるな」
「別にいいじゃない。エゴサーチって意外とはまると楽しいのよ」
「あのさあ、気になったんだけど」
「何?」
「ひょっとして前世でもやってた。ほら、よく考えると俺って天才物理学者って言われてたし、自分もかなりの名医だし」
「……やって、ない、よ」
「うーん、その間が怪しいなあ。けど追及すると殺されそうだしな」
俺はとある夜に思ったのだった。俺たちの情報を次元間から得たらどうなるのかと。
そうして俺たちの過去を振り返っていたのだが、最初に嫌々付き合わせた妻がすっかりはまってしまい、結局は俺が押し切られる形で続きを調べることになってしまった。
「それで、次はどうするんだ」
「うーん、七賢者の皆さんかな。それぐらい有名だったら魔力消費も少ないでしょ」
「まあ、そうだな。……じゃあさっきは師匠でしめたし、セーラさんから行こうか…<
セーラ・ヒーリア・フェルナー
古代に魔人を封じたとされる七賢者の第二位。普段は清楚で穏やかな美女だが、根は行動的で子供好き。
召喚魔法と治癒魔法の権威であり、超越級魔法<
魔神戦で命を失いかけ、メビウスの魂魔法スピリットリプレイスで人格を白竜に移すことで生きながらえた。
メビウスとマーリスとの三角関係には全く気付いていなかった人。
夫のマーリスとはもちろん相思相愛。服装はワンピースまたはブラウスとロングスカート。明るい銀髪の長髪、絶世の美女。
「胸のサイズは……し、詩帆いやこれはそういう……」
「どこまで調べてるのかな、あなたは」
「いや、知的好奇心というかなんというか」
「痴的好奇心の間違いじゃないの」
「うう、すみません」
「にしても、セーラさんも色々気づきそうなのにそういうとこ鈍かったのね」
「だな。お前にもいつか話したろ」
「昔のやつよね。あの後、あの人たちからも聞いたけど……小説書けそうなできだったわよ」
「……そうか」
師匠たちが何を詩帆に話したかは気になるな。……面白そうだし今度聞きに行こうかな。
「さてと、じゃあ次は師匠つながりでメビウスさんいきますか」
メビウス・コーリング
古代に魔人を封じたとされる七賢者の第四位。現在のマーリスの口調の下となったフランクな話し方をする。
藍色の髪のイケメンで、セーラに恋していた。気分屋に見えるが根は真面目で自己犠牲を顧みないタイプ。補助魔法の権威であり、結界魔法も得意で、超越級補助魔法<
魔神戦で開発した魔法をマーリスに託してからの生死は不明。
天才的であると同時に親友のマーリスとセーラの関係を誰よりも守ろうとしていた。
「どこを読んでも性格はイケメンよね」
「まあ師匠クラスの研究バカなんだけどな」
「そういう何かに一生懸命な人って、かっこいいじゃない」
「それって俺も含む?」
「もちろん」
「……」
「なに赤くなってるのよ。ほら他の七賢者の面々も」
グラスリー・ザッカー・メイヤー
古代に魔人を封じたとされる七賢者の第一位。あらゆる魔法に精通しており、超越級魔法<
「魔道を極めたもの」、「大賢者」などの通り名があり、世界中の人々から尊敬されていた。
魔力量は七賢者唯一の第十二階位だった。七賢者を作り上げ、魔神を封印したということ以外の功績は人々の記憶にはあるものの記録には存在しておらず、研究者の間でも実在していたかどうか、賛否両論がある。
白髪、白鬚のおじいさん。ローブの色は白。国境の村で助けたスリフに対しては実の孫のように甘い。
スリフ・メイヤー
古代に魔人を封じたとされる七賢者の第三位。幼いころにルーテミア王国とカーティナ帝国との戦争に巻き込まれ、住んでいた村と両親を失った。その後、偶然にも通りかかったグラスリーに拾われて、魔法の才能があったためそのまま彼の手によって育てられる。八歳にして結界魔法と空間魔法の権威であり、超越級魔法<
基本、日常生活では眠たげにダラダラしているが、戦闘に入るとテキパキ動く人。普段だらしないのでそうは見えないが顔のスペックはかなり高い。髪は紫がっかた青髪。
ジェニス・カーテス
古代に魔人を封じたとされる七賢者の第六位。大陸西方で妻 ラニアとともに魔法を使った何でも屋を営んでいたところにマーリスに出会い、説得されて七賢者の一人になった。その時点で相当な資産家だったそうで、七賢者の資金源は彼である。物質の合成魔法の権威で超越級魔法<
明るく能天気な性格であり完全に奥さんの尻に敷かれている。顏はそれなりだが、資産とその魔法の実力から縁談の申し込みが絶えなかった人。
ラニア・カーテス
古代に魔人を封じたとされる七賢者の第五位。ジェニスの妻。
星魔法の第一人者であり、超越級魔法「アストロ・ハインド」の作成者。
明るく快活な性格でバカっぽく見えるが論理的な思考で物事を考える人。茶色いショートヘアのかなり美人なのだが、幼少期からジェニス一筋だった人。
「こうしてみると七賢者の方々ってユニークよね」
「ああ。……全員生きてたら会ってみたかったな」
「まあいいじゃないの、それ以上に面白い人たちが周りにいるし」
「そうだな……」
「じゃあ次は魔神で」
「お前なあ……それ数年前だったらシャレにならないからね」
「分かってるよ。ああ後、ついでにあのクズがどういうやつだったのか知りたい」
「クズってあのお前のとこの元お抱え魔術師か。まあ、いいけど」
魔神
負の魔力エネルギーを利用して世界を破壊しようとしていたが、メビウスが魔神が介入しようとしていた魔神封印魔法を、自身の制御式に戻そうとして、その結果おこった魔法陣の暴走によって次元層の狭間の深部(時が停滞している場所)に封じ込められた。
魔法の実力は世界最強レベル。
エルケーニヒ
元グレーフィア伯爵家お抱えの魔導士。第六階位の魔術師で闇魔術の精神魔法と火魔法を得意としていた。グヴァルド伯爵の下で暗殺から潜入まで行っていた凄腕クズだが、人格は最悪で自分以外の人間を人とも思っていなかった。重度のロリコンで伯爵とは気が合ったという。
すり切れた黒のローブ姿でぼさぼさの長髪と、病的なまでの細さが目立つ人。
ユーフィリアに全身を黒焦げにされるも、治癒魔法で一命はとりとめ、今も全身焼けただれた無残な姿で投獄されている。
「まあ特にコメントもないわな」
「そうね。魔神に関しては私たちが知っていること以上はないし。後あいつはクズだってことが再確認できただけだし」
「じゃあ今日のラストな」
「ええ……この終わり方は嫌だから……私の関係者で……あっ、水輝のパートナー」
「じゃあ、それで」
星川 千夏
T大理学部物理学科の湊崎研究室に所属する大学院二年生。もとは天文学関係の研究室に所属していたのだが、湊崎准教授の発表を見てそれに憧れて研究室の所属を変えた女の子。
雅也の転生実験の後始末をしていた水輝を見かけたことで、その研究の深みに飲み込まれていく。
明るく活発だが、根は恋愛小説好きな乙女タイプ。茶色に近い黒髪をショートにしている子。
顏は水輝いわく庇護欲がわくようなかわいさだそう。
「うーん、こういう子が水輝をリードしてくれるからなんとかなるかな」
「ああ、こういうしっかりした子が研究の後始末付き合ってくれたのはありがたいな。じゃなきゃ、いつまで経っても終わってないだろうし」
「でも、二人だったから研究を進めてるのよね」
「いいじゃないか。覚悟があってやるならそれでいいわけだし」
「水輝、災難ね……」
などと水輝君のことから始まって、気が付いたら前世のいろんな懐かしい話をしていた。……出会いの時とか思い出したくもない。
「あのころのあなたもかわいくっていいけど。やっぱり今の頼もしい方がいいかな」
「俺もあのころの貴女も好きだけど、今の君の方がよっぽど美人だよ。……ほんとに君とベッドで横になってるとは思わなかったけど」
「……確かにね」
どうやら今夜は眠れそうもないな。などと考えていると朝日が昇るのが見えた。
幸せな遠い未来では、徹夜で話していた二人が、今日の仕事に影響することに気づいて頭を抱えていた。
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