第15話:対立戦

暫くして、大勢軍隊がホープ村の方へやってきました。乗馬している者が一人。それは、村や町を方で押し潰した王だった。

村の門の前まで来て、降りて村人に語り始めた。

「愈々と廃村する時が来た。村民の皆、是非協力をして頂きたい」と王が言った。一人の民が「それは、私達を飢え死にさせるための宣言でしょう!」と怒鳴っていった。

「なっ何たる無礼な言い種だ!慎め!王であるのだぞ」と傭兵の一人が言う。手で傭兵を退かせて「良い」と王が真剣な眼差しで言った。「飢え死になれとは、言ってはならぬ。お前達は、町人として城下町で住んで頂く。その約束は、破らぬ。従ってくれるか?」と王は、村民へ信頼を受け入れようと言う。

村人は、勿論、王であっても、その条件に従う者は、誰一人いませんでした。「そうであるか…助力あっての事なのだぞ」と又も試すが、村人は、困った顔をして、何も発しなかった。「残念であった。折角、救う術があったのだがな…殺らなければならないのか。傭兵よ!前へ!!」と半ば強制に戦いを命じた。王は、村民らの方に指を指していた。村民らは、勿論一歩も退かず、覚悟を決めた。村中には、変な空気と醸し出されていた。

「待たれ!対立戦は、王が法を反したとしても弱者且つ故郷を守る者に罪を犯したと命じる権利は、あるかもしれないが!一方行為にしか思えない。王位を穢してまでも赴くつもりですか!」と村民の後方から大声で喋り始めた。「何者だ!出て来やがれ」と一人の傭兵が発した。その姿は、王子だった。「あ

!しっ失礼しました」と傭兵が後ろへ下った。

 「やはり、ここに…」と王は苦笑した。「傭兵達よ!こやつを捕縛しろ!脱獄者だ!」と勝手な思惑を口にした。しかし、傭兵は、直には、動かなかった。

「王、どうしてこの様な、罪のなき者達に、惨い事をやるのですか!餐会から私を陥れようと企んでいたのですか!」と私は、王に罪である事を話した。「惨い事などをする為に何もかも起こした事柄ではない!正式に法で定めた事に反するから殺ったのだ!」と王は、何もかもが正答だと自信があるように捉えた。

「法に反した事で、貴方は、民を簡易に、危めるのですか!?私には、その法律を認める事は、できない!」と私は、反論した。「民は、私、王によって従い、反すれば処罰を下すのは、当然なるものだろう」と王は、恍けた様に私は想えたが、王にとっては、有するものだと思っているのだろう。自信有り気に言った。「私の言う事も撥ね除けるというのですか?」と下向きになって落ち込み落胆した私だった。嫌にも風が強く村中を吹き通った。「当たり前だ。お前は、もう私の息子ではない。そこにいる下民たる長の息子となっているのだからな!ハハハハハハッ」と村長の方に王は、もはや王族ではない素振りで指した。「そうですか。王子という肩書きは省かされたのですか」と更に落胆を味わった私であった。「口程にもない身分を今更にして誰が変えるというのか?」と王は、言い続けた。「私の王位の地位に比べ…」と直ぐに姫が奥から姿を現わして言う。「やはり、ダングラース王は、変わり果ててしまわれたのですね。自ずと特権を曝け出して、廃りゆく心は、何とも目まぐるしいのでしょう。我が子であった王子を見捨てるというのは、王様、何を目的として、ここまで」と姫は、ゆっくりと王に近寄って行く。

「フィッフィリネ姫が、どうして城外にいるというのだ」と驚いて姫にも指した。「私の率いる者達に出してもらいました」と事情を姫は、言う。「姫を捕え、村外の方へ連れ出せ」と傭兵に命じた。直ぐに危険な所である村内から外へと行かれてしまった。

「さあて、処罰をあたえる時が来たようだ。皆の者!横に並べ!!」とお構いなく、対立戦が始まろうとしていた。「かかれ!」と合図と共に傭兵達は剣を抜け、無防備である村民達に向った。その内の一人の傭兵に、私は、その危険な区域から引っ張られながら、外へ出された。私は、思わず、「村長さん!村のみんなぁ!」と叫びながら佇んでいた。

結果は、勿論の如く、村民達は、次々と傭兵に斬られていった。無慚にも、村民は、全て殺されてしまった。村には、その死体と、紅の色に染まってしまった血痕が覆い尽されてしまう程の残酷な対立戦だった。卑劣にも勢力が違い過ぎてしまって、眼を覆ってしまう程だった。王は直ぐに全滅させた後に姫を連れて、軍隊は、退避して行ってしまった。数分で村は、本当に廃村と化してしまった。唯一、息絶え寸前の者が一人、地を這ってこちらの方へ向ってくるのが見えた。それは、近くなってくる程、誰なのかが分って来た。それは、下民と呼ばれて侮辱されていて、私を育ててくれた村長の姿だった。悲しくも、今にも逝きそうな顔付きで、血がダラダラと流れていた。「そっ村長…父さん」と私は、もう見ていられずに、近寄って走りました。「すまなかったな…わ…たし…の…たいせ…つな…こ…よ…。村…を…」と言い放つのが精一杯に話した。「父さん、もう喋らないでくれ。私の力がたりなかったのだ。父さんは何も悪くない。私が招いてしまったのに過ぎなかったのだ」と私は、村長の言う事を正しく必死になって言った。

「カートス…自分…を…ど…うか…責…めない…でく…れ…。私…が…守って…きた…村…を…と…めて…くれた……カートス…い…きて…く…れ。そ…れが…わた…しの…さい…ご…のねが…い…だ」と言って息絶えてしまった。「父さん…父さん!…」と眼に涙一杯にして。流して村長の眼を閉じた姿をみて、悲しみに浸っていた。

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