第13話:村への帰宅

私がホープ村に帰って来たのは、早朝で丁度、日の出が見える時間であった。ふと村の門に目を向けると看板が掛けて釘で頑丈に打ちつかれていて、こう書かれてあった。「廃村断り」と、村人達は、やはりこの村が好きで守り抜く心を持っているのだと改めて思った。直ぐ様、村長へと伺いに行った。村の状況を知りたかったからだ。

「誰だ?こんな朝早くから……って、カートス。お前!」と驚いた表情をこちらに見せて、向って来た。当然の様に厳しく怒られた。一週間も村をこっそりと出て行ってしまったから、村長っいや、父さんは親心で怒ったのだろう。とても心配してくれたのだ。何時間にも渡る説教は、私の先程までの心を癒し、涙が止まらない程の安心感と大切にして下さっている親ではないけれども、その心を持っていた事に痛感した。暫くして、説教は、終わり、村の事情を話してくれた。

「この村は、時期に皇帝が来して廃村にさせるのも時間の問題だろう。必要以上に村の者達が王を止めようとしたんだがな…もう終だ。私の故郷だったこの村を手放す方法以外は、もう考えが残されておらん…。先祖に顔向けできん」と父さんは、涙ぐんで、絶望に苦しんでいた。「父さん…父さんの為に、何かしなければいけないと思って、城まで足を運ばせ、王との謁見を申し立てた。全てが分ったんだよ。私は、父さん…村長の御陰で、ここまで来れた。私を大切に扱って下さった事で、王への決断を下す時が、制限を保つ事が、出来たんだ。私を今まで、カートスとしての名を付けて、身を匿って下さり恩に着る言葉がとても見つかりません。しかし、今まで、この村の成り立ちを見てきた私が、王への再謁見を試みれば、必ずや、分って下さいます。この村を私も守りたいんです。一人一人の協力をする姿を見て感動致しました。一つだけの解決策が分ったのです」と私は自身を持って、お礼と誓いを決定した。「そうか。お前は、真の名前を知ったのか。しかし、どう廃村を、阻止するというんだ。何か方法でもあるのか?」と疑って村長は、私に話した。

 「あるのです。私は、元々王家一族で、王子という位の高く、次期への皇帝に関わる身です。それに、よく村の外を見て下さい。私の后となられる姫が参られた。要するに、法定を定め、阻止し、改定できる権利者がここに揃ったという訳です。王がどうでようが、私達、王位継承から顧みる地位ではないのです」と私は、意味相応に話した。

「しかし、何故、そこまでして、この村を守って下さるんだ」と村長は、不思議そうに私の顔を見た。

「それは、貴方にそれ相応なご恩がありからです。貴方が私を隠して下さらなければ、私は、今頃は、王のやりたい放題に、虐げられ殺られていたでしょう。けれども貴方の恩恵心を私に齎して下さったからこそです」と私は、感謝極まり無く村長に話したのだった。

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