第6話:町と城

ふと気が付くと、深く眠ってしまったようだ。目の前には、父親らしき人がこちらを伺っていた。「お目覚めになったか。それは、良かった。君は、ホープ村の長の子だろう。」とまるで知られているようだった。

 村というのは、確かに私の故郷だった。

 「そっそうです…」と小声で言った私。

「どうして、遠い村からこの町へ来たというのだ」と理解が出来ていなかった。

「そっそれは…」と私は、黙り込んでしまいました。「ここにいては、いけないのだ。町外からの進入は一切、禁じられていて、私達の食料もままなくなってしまっている状況だ。君は、ここにいては、見つかった際には、色々と面倒な事が起きてしまう。だから、今すぐに、素直に町を出るんだ。今なら、傭兵の見張りは、来ない」とその人は、必至に言いました。

その町の現実を知り、私は、ますます、王を信じられなくなった。

私は、玄関の前で、「必ず、あなた方の生活は、良い方へと向う事でしょう」と後を向きながらその家を後にした。

いよいよ、決心がついた。王城へと向う心と諸々とが、私自身の背を私が押すように、門前まで、逃げ隠れする事なく、来てしまったのだった。そこには、傭兵隊の姿は、見当らず、門は、開いたままの状態だった。

認識機能の事は、私自身、知らずに入城を試みてしまった。結果は、勿論、両側の門が急に落下して来て、私を鼠取りに引っ掛ってしまった。余りにも急だったので、吃驚して気絶してしまった。そして、始めの冒頭で語った所に戻るが、部室へ錠をかけられた状態で捕まってしまったのだ。当然の如く、状況が全く、知らずに、恐怖感だけが煽がれたのだ。これが、どうしてこの部室に入れられた流れである。

一体全体、変な部室に入れられたのは、何故か、どうして、罪のない者がコンクリートで囲われた中に閉じ込められたのか…理由がわからなかった。只、私は、窓だけをじーっと見つめながらいた。

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