第3話:大祭会

父さんと私が城下町へ着いた頃には、パレードが既に第二の目次にうつろうとしていた時であった。

城下町パレードへ大祭会は、第四部に渡る大パレードで傭兵による大行進と管弦楽の祝祭という一大イベントである。そこには、そのパレードのみ来現する姫が大きな頑丈に出来ている城のシンボルでもある象の閲兵専用車でかなりの高台の椅子に座って民衆の姿を見下ろす定番もあるという。

そんな中で私は、民衆の中で押し圧し合う道を抜けて見る事を父さんと決め、笑み浮べ、どうやら城内で王との謁見を賜った上、良き話だったのだろう。王城に入る前と謁見後の父さんは、人が変った様に上機嫌であった。だが、それは、王の表の心を言い伝え、決して村による悪しき心を出しては、いなず、後に知る事となるとは、私にも父さんを見ても知る由しもできなかった。

大祭会は、いよいよ最終部になって管弦楽者らは、益々にヒートアップして行き、盛り上り、メインパレードの前文の記述話の通りに閲兵車が来場して、そこには、確に高台の椅子に姫が座っていた。しかし、城内から城外へ出た時に傭兵を率いた顔色とパレードに出ている今との顔色が違った。丸で一瞬で輝かしい灯にうつる華やかな花のアルストロメリア(百合水仙)が今にも枯朽化してしまうような如く、大きくとにかく違っていた。それは、気のせいだったのか、民衆は、それには気づいてはいなく、盛り上って歓声で掻き消す様だった。私の前から後方へ閲兵車が通り過ぎるまで心がとても痛かった。何故だろうかそう感じていた。勘付いていたといっても良いだろう。歓喜の一風でパレードが終わったと同時に、町人は、元に仕い事をする者や家へと帰る者、それぞれが戻っていった。

どうやら大祭会以外は、町人達は、既に勘付いていたのだった。他地区には、一切、口を閉していたのだった。いくら、私が町人の一人や二人に話しても「さぁ~ね」「知りませんよ」と白を切るばかりだった。

父さんと私が村へ帰ろうとする頃、先程の閲兵車が町外から城の裏門へ行こうとしていたのが見受けられた。その時は、勿論の事、姫も傭兵に囲れながら帰途をしていた。顔色を伺うと、やはり枯朽化しているのでした。

何故、先から枯朽と語っているというと、誰もが見ても解るように頭が下っていたのだった。以前のパレードの時に民衆らが見た姫の姿に心の中では、心痛だったのだろうと思った。姫は、帰途中に私達が帰るのを一度、見て、私と眼が会い、訴え掛ける眼差しであった。その後に傭兵達に声を姫にかけられ、上った頭が、またもや下りながら、城の方へ歩いていくのであった。

「もう、遅いから帰るぞ」と父さんの声で、姫と傭兵の方を見ていた私は、我に返った様にハッとなって父さんの眼を見て、「はい」と私がいって帰るのだった。気がつくともう夕暮過ぎでした。私は、この頃に王の姫に惹かれていった。

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