■特別編 暗殺者サツキ(3)


「お仕置きしてやるぞ、サツキ」

「ふにゃあっ? なん……むぐうっ!?」


 俺はへたり込んだ彼女の前で屈むと、強引にキスをした。

 わずかに抵抗を見せたが、契約の報酬は絶対だ。


「にゃ、はあぁぁ……」


 やがてゆっくり唇を離せば、サツキの顔はとろとろになっていた。いやらしく唾液の糸が引く。

 その頃には萎えかけていた俺の愚息も勢いを取り戻していた。


「やだ、クライさんったら♪」


 それを見て恍惚の表情を浮かべるのはイオリだ。

 後ろからいきなりサツキの胸を揉みしだく。


「うにゃあああああ!? そこっ、こりこりしちゃらめなのだああああ!」

「あたしも参加しちゃいますね。だって途中だったんですもの♪」


 完全にエロスイッチが入ったらしい。

 こうなったイオリは止まらない。


「はーい♪ 脱ぎ脱ぎしちゃいましょうね~」

「にゃっ、やあああーーーーん!」


 抵抗むなしくサツキの服がはだけられ、網タイツ状の鎖帷子一枚を残して脱がされた。

 ロリ系だけど……ちゃんとくびれがあり、女の体のラインをしていた。

 鎖帷子は透け透けで、イオリにしごかれたピンク色の※首も、割れ目もくっきりだ。


 少ないが、ちゃんと下の茂みも存在した。

 まあ『エムブリヲ』だから、ロリ系でも18歳以上だしな。


 さすがに隠そうとサツキが身じろぎするが、鎖帷子の上からイオリの指が股間をまさぐる。


「にゃはああっ! にゃんなのおおーーーー!?」

「あら。ここ、自分で慰めたことないんですね? じゃああたしが教えてあげますね♪」


 俺の出る幕がない。イオリの白い指が蠢き、サツキの小さな体が跳ねた。


「にゃあっ、あっ、あーーーー! にゃんかすごい、すごいのだあああ!?」

「ほら、ここを、こうやって攻めれば……ね?」

「にゃんか出るっ! 出ちゃうのだああ! にゃああーーーーーーーー!」


 イオリに肉の芽を剥かれ、繊細に触られて、サツキの割れ目がぐしょぐしょになる。

 さすがは女同士だな。ああやればいいのか、勉強になる。


 はっはっと短く呼吸し、サツキは尻尾も垂れさせてぐったりとなった。

 だがもちろんこれで終わりじゃない。

 イオリが鎖帷子の隙間から指を入れて、サツキの肉の花びらをぱっくり咲かせた。


「にゃぁぁぁぁ……もう無理、なのだぁぁぁ~~……」

「大丈夫♪ 痛いのは最初だけで、すぐクライさんが気持ちよくしてくれますからね? んふふふふふ」


 鎖帷子は破れないようだが、都合良く柔軟で、編み目の穴からそのまま挿入できそうだ。

 さっき中断させられたからな。

 俺は遠慮なくサツキに覆い被さると、その狭い中に入っていった。


「んにゃああああ!! 中、こすっちゃダメなのだああああ!!」

「いいなー、あたしも後で入れてくださいね♪ クライさあんっ」


 サツキの上で腰を振り始めた俺とキスして、そのままイオリが首筋を、肩や腕を舐め回して指をしゃぶる。

 3Pって初体験だが、やばいなこれ。快楽がすごいぞ。

 さすがにあまりもたなくて、俺は早々にサツキの中に欲望を吐き出した。


「んにゃああああああ! 出てるっ、出してるのだあ! あぁ、あああ~~~……!」


 サツキをたっぷりと白く汚して、俺は離れた。

 だがすぐさまイオリがむしゃぶりついてきて、硬さを失い始めた俺のモノを舐め回す。


「じゅぱっ、じゅるるるるるっ。ふふ、クライさん……またおっきくなってきましたよ♪」

「うにゃあああ……しゅっごいのだぁぁ」


 だらしなく股を開いたままの格好で、サツキが手で顔を覆いながらも、指の隙間からこっちを見る。

 そんな彼女に見せつけるように、今度はイオリが俺の上に跨がった。


「次はあたしの番ですけど、終わったらすぐ交代しますからね? んっ……あはあっ、これです、これえ♪ これが欲しかったのおっ!」


 イオリの柔肉はサツキとはまた違い、俺の形に合わせてねっとりと絡んでくる。



 俺はさんざんイオリと楽しめば、またサツキとまぐわい――たっぷりと3Pを堪能した。



「アチシの負け、なのだぁぁ……もう無理っ、動けない、のだあああああ……!」


 俺とイオリに弄ばれ、散々果てたサツキがぐったりと地面に転がる。


「勝負は、オマエの勝ちでいいのだ。うう、このサツキ様の初仕事が、失敗に終わったのだ……」


 ……そう言えばそんな話だったな。

 やることを終えた俺は服を着ながら思い出す。


「で、結局誰なんだ? 俺の殺しを依頼した相手は」

「そ、それは……言えないのだ! 暗殺者の誇りに賭けて!」

「ふぅん。おい、イオリ」

「はーい。何でもしゃべるようになる、自白用の薬ならありますよ♪ まだ試作段階なので、ちょっと分量間違えると廃人になっちゃいますけども」

「にゃーーーー! そんな危ない薬はごめんなのだ! しゃべる、全部しゃべるのだ!!」


 全裸に白衣スタイルのまま薬を取りに行こうとしたイオリにびびり、サツキが降参した。

 半泣きになりながら呼び出したのは、彼女の結んだ【依頼契約】だ。


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【依頼契約】

履行者:暗殺者サツキ

達成条件:王宮白魔道士スライの暗殺

成功報酬:500G

依頼署名:暗殺者サツキ

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「ちょっと待て」


 俺はそれを見て目眩を覚える。

 報酬が安すぎるのも目につくが……。


「……誰だ。王宮白魔道士スライってのは!?」

「にゃっ? オマエのことなのだ、スライ! しらばっくれても……」

「俺はスライじゃない。クライだ! あと王宮って……俺は国に仕える白魔道士{ヒーラー}じゃないぞ!」

「にゃんと!? クライ……えっ、あれ?」


 サツキが固まった。

 あら、と眼鏡を直したのはイオリだ。


「王宮白魔道士{ロイヤル・ヒーラー}のスライさんですか! 確か南方のサウスニア公国に、そのような方がいたかと。あたし、薬師として向こうの宮殿にまで行ったことあるんですよ」

「ほう。完全に人違いじゃないか……!」

「にゃはっ、にゃはははは……だって、ほら。に、似てるのだ! クライにスライ、それにお城にいる白魔道士{ヒーラー}だし……にゃ?」

「帰れ!!」

「ふにゃあーーーー~~~~!! 悪かったのだああああ!」


 サツキは逃げ足だけはやっぱり速く、脱がされた服を掻き集めて、俺たちの前から消えるのだった。


          ◇


 こうして暗殺者サツキの騒動は終息した。

 俺が彼女に狙われることはなくなったが……そんなこともすっかり忘れた後日のこと。


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元気にしてるか、なのだ。サツキなのだ!

いつぞやは迷惑をかけたのだ。

ようやく正しい標的を見つけたので、これから初仕事を済ませるのだ!

ここから始まるサツキ様の伝説の第一歩を、ここに記しておくのだ。

今度会ったらサインでもしてやるのだ。にゃはははは!

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 エムブリヲに組み込まれているメール機能を使って、そんなメッセージが届けられた。


「ぜんぜん反省してませんわ、あのコ……!」


 それを読んで女神は天を仰いだが、それはいい。

 問題はだな、メッセージの詳細データだ。

 それによると暗殺者サツキが発信した場所は、東方のイースタン帝国となっている。


 あいつ絶対、また間違ってるな……!


 しかしサツキとはそうやって、あちこちさまよいながら冒険者を巻き込んでいくタイプのNPCなのかもしれない。

 ……なんて迷惑なヤツだ、まったく。

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