■第4話 魔法武器職人レイ (6)

●6


 レイたちの容疑は晴れ、牢にいた連中ともどもゴルドラの権限で即釈放が認められた。

 だがレイは裏ギルドに戻らない。


「悪いと思ってんなら作業用に場所貸しなよ。アンタんところの白魔道士{ヒーラー}様に、特別な武器を作ってやるんだからさー!」


 交渉上手というか、あのゴルドラをやり込めて、王城の一室を借りることになったのだ。

 あてがわれたのはあの地下空間の奥だ。


「ふうん。悪くないじゃん」


 そこは地下牢のひとつだが、位の高い相手を幽閉するために用意されたものらしい。

 窓のない石壁に囲まれているのは牢獄らしいが、小さなシャンデリアまでついていて豪華だ。絨毯の敷かれたリビングと、寝室にシャワー室まである。

 しかも入り口は鉄格子ではなく重厚な扉となっていて、中からも施錠ができた。


 そのリビングにはレイが騎士たちに運ばせた、大きな石の塊が並ぶ。

 飛竜が暴れて壊した壁の一部だ。

 鍛冶用の叩き台として使うつもりのようだが、並べるとちょっとしたベッドくらいの大きさだ。


 だが、これくらい必要なんだよな。

 俺は彼女が何をしようとしているのか知っていた。叩き台の上に、彼女は羽織っていたマントを敷く。


「さあ、計測を始めるよー。ほらほら、ここに腰掛けて♪ んふふ!」


 専用武器を作るためには、使い手の体をあちこち調べなければならない。

 そう言われて俺は女神やポルテも置いて1人で、こうしてレイのもとに赴いた。

 作業に集中したいから他の者は来るな、とレイが言ったからだ。


 ……というのは建前で、実はもう強制的にエロシナリオへ突入していた。

 こういうパターンもあるんだよな。


「感心したよ、アタイ。アンタ、強いじゃんっ」


 レイが扉に鍵をかけると、叩き台に座った俺の後ろからいきなりしなだれかかってきた。

 ふー、と首筋に息を吹きかけてきて、ぞくりとした。


「アタイはね、弱い相手には武器を作ってやらないんだ。弱いヤツは戦わなくていいよ。どうせ死ぬからね。……アタイの、昔の仲間みたいにさ」


 俺のローブを奪いながらレイが身の上話を始めた。


「アタイはね、前は冒険者だったんだ。でも魔物に襲われて、パーティはアタイを残して全滅して……まーよくある話だけどさー! それから魔法武器職人{マジック・スミス}に転職したってワケ」

「その話はいいんだが、レイ?」

「あーダメダメ! アンタの体に合う武器を作るんだから。これはね、あくまで調べてるだけだかんねー。んふふふふ♪」


 すでにレイの細い手は俺の上着の中に侵入し、腕や胸をまさぐっていた。


「ふむふむ、腕は細いねー。でも胸板はしっかりしてるじゃん。なるほど、だから非力でもあれだけ武器を振り回せたってことか。いいじゃん! 創作意欲湧くよ♪」


 しかしその手はいつしか、俺の股間に伸びていた。

 ズボンのベルトをあっさり外し、むくりと大きくなり始めた俺の一物を握りしめる。


「っ! いきなり、だな」

「んふふ♪ いやー、作るのはいいけどさ。ひとつ条件出していーい?」


 ゆっくりと手コキを始めながら、レイが金色の瞳を細めた。


「アタイで気持ちよくなってよ。クライ……! アンタに惚れたよ。ここまで、アタイが好きに弄びたくなった男はいないってば。んふふ、いっぱい射※させてアゲル♪」

「う、くっ」


 こいつ、ほんとに黒ギャル系なんだよな。ドS全開で攻め立ててくる。

 このまま流されても、エロシナリオは攻略できるんだが……実は隠しシナリオがあるのを俺は知っていた。


 ここで選択肢が出るんだよな。【攻めますか?】ってな。

 そこで次の、攻める部位を間違えなければ……。


「ひゃいっ!? なっ、ちょ……アンタ!? やだっ、そこはっ……!」


 俺は一物を掴まれたまま、真横にあったレイの長い耳を舐めていた。

 これでいい。びちょびちょにしゃぶると褐色の肌が震え、熱を帯びてきた。


「あっあっあっ……なんで、アタイ、弱いのっ。耳、ダメええええっ!」


 ※※※から指を滑らせ、レイがのけぞりわなないた。

 耳への愛撫だけでイッたのだ。

 ぐったりと彼女は叩き台の上に横たわる。


 ここからがお楽しみタイムだ。


「はあっ、はあ……。ア、アタイ……ひゃわっ!?」

「ん? どうした」


 面白い。黒い肌を撫で回しただけで敏感に反応する。


「お前で気持ちよくなって欲しいんだろ?」

「ち、違っ……アタイ、こんなの、こんなの初めてで……やだあぁ」


 レイは両手で顔を覆い、赤くなった頬を隠した。

 一方的なドSプレイから、意外なことにウブHシナリオへ移行するのがレイの特徴なのだ。



 ――かくして俺は、黒エルフの体をたっぷりと堪能した。

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