第40話

先輩が発狂した時間帯、わたしが、なに、していたか。思い返すことが、できた。    わたしは、展望台に、いた。会えない彼氏の、手の感覚を、皮膚で、背中に、かんじていた。自分で、つけなおした、新しいなまえ。  その日だ。            ゆるせなかった先輩は、わたしのかわりに、わたしと間違えた、わたしの、身代わりに、その怒りを、ぶちまけた。       それが、犯人だ。わたしの、しあわせを、かたっぱしから、壊す、犯人だ。      その、先輩自身では、ないのだ。その、先輩の、背後で、または、なかで、先輩を、あやつっている、黒幕。           くびになった、先輩は、もちろん、そんなことを、するような、にんげんでは、ないのだ。みんな、知っている。なぜ、なぜ、じゃ、その先輩が、そう、なっちゃったか   わたしが、探している、わたしの、しあわせを、壊した、復讐の相手、わたしが、さがしているのは、そこだ。その先輩自身では、ない。やめた、もう一人の先輩も、おなじように、変になっていた。腹が、たつとか、戦う、とかいう、次元じゃない、次元。    それに腹を立てて、戦いつづけた、わたしは、相当、バカだ。腹を立てた、なら、負け。この世は、相当、スポーツマンシップに、のっとっているな。勝負のゆくえ。3対3、2対2。6対ご。  勝敗は、つく。   犯人さがしを、はじめてから。実に・・・・。7人以上の、憑依者が、いる。7人で、検証し、その7人については、ひとり、ひとり、どんな、小さなことも、見逃さず、どんな、有り様だったか、を、確認する。3人目の憑依者は、怒鳴っていた。とにかく。 すぐ、我にかえって、変わり、妙だった。その怒鳴り方。ほかに、その近辺に、そういえば、同じような、状態に、なった人が、3人は、いた。キレて、いた。わたしは、そのとき、客観的に、分析する、チャンスと時間が、与えられた。わたしは、その感覚を、感覚として、おぼえておく。見えない箱のなかの、ものを、さわって、当てるみたいに。  手の感覚だけで。覚えておく。なんなのか分からないけど。感覚は、たしかだ。

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