第39話

悠かは、じぶんのなまえに、迷っている。  それさえ、他人がつけた、なまえだ。南無阿弥陀仏、とは、こういう、意味だ。    すべてのあらゆる、できごと、ものごと、を、すべて、アミダ様の、あみだ、と、いうなまえに、よります。こんな、意味だ。   そこで、いちばん、たいせつに、していること、それは、神の、お名前、なのだ。神の、年齢ではない、出身地ではない、顔ではない、国籍でも、学歴でも、彼女いない歴でも、ない。なんと、おなまえ、なのだ。いちばん、たいせつな、こと。それくらい、名前、とは、たいせつな、ものだ。      はなしは、大分、それたが。       えぐい、いたみは、1年前、100としたら、75にも、65にも、格段に、減っていく。どんな、えぐい、痛みでも。いっしょう、続くのか、と、思った。自分を、責めたり、その他、責められるものは、すべて、責めた。片っぱしから、壊しても、壊しても、壊されたじぶんの、こころの、代償には、とうてい、およばなかった。         それでもたまに、出会えることが、ある。犯人に。じぶんのすべてを、こわした、犯人に。もういちど、会いたい。そのために、逃げなかった。あのトキは、どうにも、ならなかった。もう1度会って、やはり、どうにも、ならないか、どうかを、見たかった。  やはり、どうにも、ならない、ことを、確認したいだけだ。いまさら、どうにか、しようと、思わない。              今日は、台風だ。みんなの敵が、なんとわたしの、味方だ。            台風は、わたしを、逃がしている。捕らわれ、から。

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