第22話犠牲者

今年がはじまってからの 二人めの犠牲者は、運よく一命をとり止めた。前回は、心臓マッサージや、AEDなど、救命措置をほどこしたが、なくなった。まだ、寒い2月の、凍るような夜勤のあいだの、出来事だ。    それにつづいて、わずか、また二ヶ月で、また、倒れた人がいる。前回と症状がおなじだった。全身痙攣して、倒れたようだ。   今回は体が痙攣して動けないが、意識がはっきりあり、無事だった。         2回までだ。ぐう然が重なったんだ、そう説明できるのは。今年になってから、と、言ったが、それは、今年になってから、の話だ。去年は、トラックに従業員が巻き込まれ、ドライバーは気がつかず、ひきずられ、重傷という事件が起きている。さらに、同じ去年、こんな事件が起きている。      スタッフが、一名、きゅうけい室に、荷物を残したまま、こつ然と、いなくなったのだ。連絡は今もついていない。つまり、行方不明なのだ。さぼって、帰ったので、・・・・あればよいんだが・・・・・。みな、おなじ、思いだ。いまも、この敷地内のどこかに、いるのか・・・・・。送迎バスで来ているし、さいふなど、もちものの、いっさいが、おいてある。帰れていない、のだ。どこへ・・・・いったのだ・・・・。合わせてこの、一年半で、4名の犠牲者が、出ている。ひとりは、死亡、ひとりは、重傷、ひとりは、一命をとりとめ、ひとりは、行方不明だ。            終わらないと、思う・・・・事件はまだ、はじまったばかりだ。

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