第19話
大沼健二の仮説はこうだった。時東あみと内山冬樹が知り合ったのは、ちょうど10年前、内山冬樹が亡くなっているのは、知り合ってから2年後の8年前だ。ストーカーの田村遼平と知り合っているのは、今からちょうど5年前・・・・。このふたりは、関係しているな、プロの勘がピンと音をたてる。そして、時東あみの元彼である、城内和也にも、このふたりと同じものが入っている。あみが、くれた日記のコピーと、あみとの聞き取りから、浮かびあがってくる全ぼうが、すがたをあらわすたび、大沼は腰がぬけそうだった・・・。あみの背後に、なにが、いるのか。専門家の大沼には、つきとめなければならない最重要課題だ。大沼は、霊感があったり、霊が見えるわけでは、なかった・・・。しかし、大沼は霊に詳しかった。そういった、霊に取りつかれたケースに詳しいのである。ひたすら、分析し、症例をあつめ、さらに分析する。事実を検証し、本人に確認する。このプロセスが必須だ。さいわい、あみは、冷静だった。冷静に話してくれる・・・。冷静に人に話せる、それだけでカウンセリングの意味はもう、半分もあるだろう。あと、半分は、プロに任すべきだ。あどけない女の子が、ひとりで解決できるほど、このケースはあまくない・・・・。
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