第18話家族

あみの家族は、どこからどう見ても異様だった。父親という人は異様だった。母親も、異様だった。母親はわたしがお風呂に入っていると、お風呂の外側から、ガラスのようなものを割っていた。電話を母親にかけると、明らかに分かる。異様だと。レストランなど、外部でかぞくで集まって食事をすると、その会話の異様さから、ほかのお客さんが、絶句しだまったままだった。説明しがたい。どう異様かを。その異様と、つきあってきた。その異様にとけこみ、その異様を受け入れ、その異様に合わせてきた・・・・。その異様に違和感を感じたのは私だけで、感じなかった兄弟の妹と弟は、その異様をそのまま、吸収した。結果、やはり妹と弟も、異様である。やはり、せつめいしにくい。その異様は、わたしのなかにも はいっている ひとから見ると 異様である。その異様をこばみ、拒絶し、恐れたが、抵抗できなかった・・・・。   そのひとのなかに その人じゃないような人がいる、説明をかろうじてするなら、そんなところだろう。その人はまぎれもなく、その人だ。 しかし、・・・・・わたしは、その人たちを、小さい頃から知っている。そして、小さいころと、今とでは、そりゃー、違うだろう。いや、弟といもうとは、わたしが最後に会った時くらいから、変わっていない。まっ・・・・・たく、変わっていない。それは、はっきりいって、不気味だ。けど本人らが、弊害をなにも生じていないんなら、他人の私がなにを言っても言いがかりか・・・・。弟と、いもうとには 両方 なにか ない。・・・・・   なにが?・・・・他人との境界線だろうか 感情だろうか おちつき だろうか ・・・ なにかが・・・・ない。自分?だろうか。何か常に他人からの期待に対処している。その期待をつねに、さがして。

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