第11話友達

悠歌は、あみをご飯に誘うのは、これで3回目だ。お家によんで、子供たちもいっしょにくつろいでもらう・・・・。新築の自慢の壁紙や、自慢のソファーをみてもらいたかった。夫はこういったことに関心がなく、よさを分かってくれない。わたしの自慢の手料理にもじまんの裁縫にも、自慢のガーデニングにもいっさい興味なかった。まぁ、しかし、愛しているし、夫にも愛はあるし、許すか・・・。夫はじぶんの趣味にわたしを、ひきこむことで、必死だ。夫の趣味は釣りだった。おかげでわが家には、魚は毎日、ある。足りている。なぜ、こんな、魚がわが家にはあふれているのだ、と悠歌は笑いたくなる。結婚して5年目 しあわせである。悠歌が結婚したのは30の時だったから、まわりのともだちより、遅かった。遅いほうがいい。味わい深いから。                  ソファーで、たみが、あみの似顔絵を書いている・・・。ちか頃、クレオンがだいすきでクレオンを離さない。寝る前まで、もつもんだから、寝ているあいだも、手にクレオンがついている。               『できたぁー・・・・』          自慢の大作が、できあがったようだ。   悠歌は台所から、そばへよってきて、あみといっしょに のぞきこんだ・・・。      二人とも絶句している・・・・。たみは、にんまりと、ふたりの大人を見ている。ふだんなら、おおげさにほめてくれるはずだ。    『さぁ、ご飯できたから、ふたりともこっちきて。たみ、絵はしまって』       めずらしく、きつい口調だった。二人の大人は、笑えなかった・・・。わたし何か、憑いているのかな、そうあみから相談を受けたばっかりだった。たみの書いた似顔絵に、あみの顔は、ふたつ、あった。

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