5-10 魔王VS一般人

どうも焔です。現在魔王グリードと対峙しています。




「どうしたんだ。魔王様、攻撃してこないのか?」




俺は、剣の形のブラッドメタルを肩に担ぎ魔王を挑発する。


鑑定でグリードのステータスを見たが数値上では、俺が負ける事はないが、油断すると負けるのは、世界の理なので気を引き締める。


そういえば、ステータスの値が消えてから自分のステータスを見ることが無くなったが魔王戦といういい機会だし見てみよう。




名前 焔


年齢 17歳


種族 半神(人間)(♂)




戦闘スキル:全魔法Lv.10(火・水・風・土・雷・氷・聖・邪・時・空間・回復・防御)・幻影術Lv.10・剣術Lv.10




常時発動スキル:魔力操作Lv.10・詠唱破棄・魔力節約・不可視・マップ・不老不死・表示変更・常時成長・空間把握




任意発動スキル:鑑定Lv.10・限界突破Lv.5・リミットブレイク・躾プログラム(性)・ダンジョンテレポート・念話・ステータスエンチャント・眷属使役・創造・破壊・領域作成・モードチェンジ




 能力 金牛・創造・子・眷属化・「???」




 使役 ミノタウロス 創造神 ジェミニ


 眷属 香蓮




 称号 異世界人・巻き込まれ・賢者・突破者・創造神の加護・ドM・シヴァ神の試練踏破者・神格保持者・性犯罪者・金牛の試練突破者・インド神の神格・変態・勇者の主・勇者キチ・???




色々増えているが、実際にはこれ以上のスキルを創っているが多分殆どが創造に統一されているのだろう。


それよりも、ついにレベルまで表示されなくなってしまった。


それと称号にある勇者キチってなんだよ多分勇者キチガイだと思うけど、なんで俺が勇者になるんだ?こんな人間が勇者でこの世界は、大丈夫なのか?




「はぁ~悲しいな俺も勇者になってたわ」




俺の落胆の声を聴き、香蓮が鑑定を使い、日影は何に落胆したのか理解してニコニコしている。




「本当だね勇者キチさん」


「ドンマイ、ついにレベルまで奪われたね勇者キチさん」




香蓮と日影の返事にイラっとしながらも魔王のほうへ集中する。


その理由は…




「おめでとう、勇者さんこれで魔王VS勇者になったね」




魔王の周囲には大量の魔法陣が展開されていた。




「ほう、魔法対決ですかいいですねぇ」




言葉が終わる前に展開されていた魔法陣から大量の魔法が発射される。


魔法陣は、膨大な魔力や設置時間の問題があるが一回生成すると壊されるまでノーコス・ノーラグで対応した魔法を打ち出せる。


結構チートになり始めてきた俺の詠唱破棄魔法連打と拮抗できるだけの性能があると言えば魔法陣の性能の強さがわかると思うが魔法陣を作るのに必要な魔力自体が一般人一人でまかなえる量ではないため、魔王の性能のやばさが伺える。


それに、魔法陣にはもう一つ特徴があるそれは…術者自身が動いてでも魔法が自動的に打たれるところだ。




「これは、どうやって防ぐのかな」




グリードは、魔法を避けながら剣を持ち白兵してくる。


今の現状、魔法陣からの魔法を防ぎながら、グリードの剣を防ぐのは不可能だろう…なら可能にすれば良いだけだけどな。




「こうするに決まってんじゃん」




俺の影が槍のように鋭く伸びグリードに迫る。


グリードは、舌打ちしながら後ろに下がるが逆に俺の影がグリードを攻め続ける。




「君、魔王より魔王らしさがあるよ」


「そんな酷い事言わないでよ、それより戦闘中に聞くことじゃないが魔王と言うか魔族が人間に対して攻撃的だから魔王を倒してきてくれと言われたがそれは真か?俺的には、お前自身人間に対しての憎しみというより勇者という物に対しての憎しみしか感じないんだけど」




俺の言葉で一瞬止まるり表情が怒りに代わるがすぐに元に戻る。




「そうだな、私に勝てたら教えてあげよう」




グリードは、俺の影を一閃し笑顔で宣言する。


その雰囲気は、魔王のように堂々としていた。




「証言は、取ったからな」




俺は、足に全力をいれグリードに白兵するとともに大量にあったグリードの魔法陣が爆発する。




「今まで遊んでたに決まってんじゃん…グッナイ」




驚いた顔をしたままのグリードをブラッドメタルで一閃する。


驚いていたため回避行動が遅れグリードの肩からお腹にかけて綺麗な切り傷ができ、グリードは地に伏せる。




「これでチェックメイトだ。」




倒れたから勝ちなどという甘い考えをせず首を落とそうと倒れているグリードの上に乗りブラッドメタルをナイフに変形させ切り落とそうとする。




「甘いよ」




腹に切り傷を受け口から血を出しながらも笑顔でこちらをにらむ。


その手には、雷の魔法で作られた剣が握られておりその剣先は俺の右腹を貫いていた。




「うっぐ」




見るまで気付かなかったが気付いた途端、腹に痛みを感じ肉の焼ける音と臭いを感じる。




「爆雷」




貫いていた剣が爆発し俺の右腹を抉り、ぽっかりと穴が開いた。




「シヴァとの戦いのときみたいになったね焔」




日影の懐かしむような声が聞こえたが俺の意識は、朦朧としていた。


横腹は雷により焼かれており血が流れることは、無いがどんどんと力が抜けていき、瞼が重く勝手に目が閉じていく。




「すまない…香蓮…俺は、ここまでらしい…」




途切れ途切れ、香蓮に謝罪をする。


今まで色々と突き合わせ問題を起こし何が何かわからないまま進めて来たがここまでらしい。


本当に今までありがとう。


俺は、目を閉じた。




「焔にシリアスは似合わないからさっさと起きろ」




転移をし俺の横に来た日影が躊躇なく抉られた傷を蹴り飛ばしてくる。


蹴られるごとに激痛が走り死にそうになる。




「っは、寝落ちした。…って日影痛い痛いマジで死ぬ…あっあっあああああああ」




起きてなお蹴り続ける日影にグリードは、青い顔をし恐怖している。




「グリード、魔王ならここまでしなきゃ」




日影は、血の付いた靴のまま笑顔でグリードに教えるが、グリードからすれば自分がそうされるかもしれない恐怖で震えている。




「まじいってー。俺よりも日影のほうが魔王感ヤバいぞ」




俺の言葉に日影以外の全員が頷き本当の魔王であるはずのグリードが一番強く首を振ってるのは一番面白く感じる。




「んじゃ、グリード致命傷同士泥仕合でもしようか。」




俺は、ブラッドメタルを籠手に変え拳で戦う宣言をする。


俺の言葉に対し含みのある笑顔を浮かべながら切られた部分を見せてくる。




「やっだ~グリード、エッティそういうのは戦いが終わったらしてやるから」


「違うわバカ!お前が私に与えた傷は、もう回復してるから致命傷同士じゃないってことよ」




顔を真っ赤にさせ早口に言うグリード。


口調もさっきまでの魔王らしい感じではなく年相応のかわいい感じだった。




「そういうことか、そういうことなら残念ながら俺もそうだから無問題だ。」




その言葉とともに俺の体が輝きだし、輝きが消えると傷の消えた俺が現れる。




「傷の修復を見えないようにしたんだね、焔優しい。」




日影には、光の中で何が起きたのか視えていたらしい。


光の中で俺が行ったのは傷の高速修復だ。


文字だけならそんな隠すようなものでも無いと思うが、傷の修復とは、肉が蠢き元の形に直す行動のことで、リアルで見たら吐き気を催す人もいるだろう。




「なっなっなんで服まで脱いでるのよ」




グリードが顔を真っ赤にして怒っているが、その理由は、俺が傷の修復とともに服を脱いだからだ。




「だってよ誰かさんが人の腹を吹っ飛ばすとともに服まで穴空いたからそんなの着てるぐらいなら脱いだほうが行動の邪魔にならないから脱いだ。それ以上の意味はない」




と言っても服の分の防御力が減ったのと色々な所からの視線が問題だが…




「焔の体…やっぱいい」


「主って服のせいでうまく分からないけど脱ぐと結構いい体してるよね。」


「今日は、久しぶりに焔とハッスルするかな」




外野の評価が耳に入り恥ずかしくなるが平静をよそおう。


いい体って言っても欠かさず筋トレしてるだけで普通に何処にでも居るような体だぞ。




「まぁそんなことよりR2開戦だ。」

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