5-9 グリード
どうも焔です。前回、お寿司を食べました。
「焔、さっきのどういう事?」
店から出て、借りた宿屋に戻ると香蓮が聞いてくる。
さっきのとは、店を出た後にグリードに言った言葉の事だろう。
文字通りに今夜会いに行くという意味だ。
「言った意味のままだよ。今夜グリードに会いに行くだけだ。」
「だからなんでグリードに会いに行くの?もしかして、私たちに飽きてグリードを抱きに行くの?」
香蓮が勝手に想像して、絶望し、涙している。
「あ~うんそうそう(棒)」
棒読みで返事したら世界の終りのような顔をし泣き崩れ始めたがガン無視する。
「ただいま~…てあれ?なんで香蓮泣いてるの?」
「ただいま」
「ただいまです。」
アスとヘングレが帰ってきた。だがタイミングがめんどくさい。
「ん?今夜、魔王城にお邪魔する旨を言ったら急に香蓮が泣き始めただけだ。気にするな」
「アス~焔がイジメる~私たちに、飽きたからって新しい女…えっ?焔今、魔王城って言った?」
香蓮がアスに泣きつきながらさっき俺の言った言葉の疑問点に気付く。
「あれ?香蓮、グリードが魔王だって気付かなかったのか?」
「えええええええええあの人魔王だったのおおおおおお」
会った時に俺は、鑑定をしグリードのステータスや称号を見て、グリードの全てを知っていた。
多分、今の香蓮では、少し厳しいだろう。ステータス自体は、香蓮の方が上だが経験や技術は、グリードのほうが上だろう。
「それで、さっき誤解してたのね。と言うか今日も夜出かけるから少し寝るわ。」
俺は、ほかの奴らのごたごたをガン無視してベッドに横たわる。
「お休み俺は、仮眠を取るが各自自由でしくヨロ。」
それだけ言うと俺は、睡魔に体を預け瞼を閉じる
~焔仮眠中~
「よーし、行くか」
アラームを付けてる訳でも無いが決めた時間に目が覚め、体が覚醒する。
「おはよう」
日影が起きた俺にお茶を出してくれる。
周囲を見渡すと、各自好きなことをしていた。
香蓮は、読書をしており、アスは瞑想をしていた。
ヘングレは俺の横で一緒に寝ていて俺の起床と同時に体を起こす。
「んじゃ、行きましょうかな」
俺の合図に全員が有無を言わず従う。
と言っても今回の主役は‥‥だけどな。
俺たちは、昼とは、違い、ピンクな雰囲気を出す街中を堂々と歩き魔王城に向かう。
まぁ途中から気配などすべて消して、周囲からは見えないし気付けないようにしてある。
「やっぱり、俺らの能力って規格外だな。」
俺たちは、誰にも気づかれず、何の問題もなく魔王城に潜入し、俺のマップを利用し、グリードのいる場所に向かう。
向こう側は、俺たちの存在を理解してるのかご丁寧に、謁見の間に居てくださる。
俺たちは、それに従い、謁見の間の前に居る。
「んじゃ、後香蓮よろしく。」
「えっ」
香蓮の驚きを無視し、謁見の間の扉を開ける。
「やあやあ、皆さんと言うか、勇者様たちって言ったほうが良いかな。」
グリードが謁見の間の玉座で堂々とふんぞり返っている。
見た目もさっき寿司屋で見たような服では無く、魔王のようなマントに王冠を装備しており、あの時より威圧感がヤバい。
これ普通の人がこの人の前に立ったら軽くトラウマものだろう。
「やあやあ魔王様、勇者様たちって言ってもこっから貴女と対峙する可能性があるのは、俺とこの勇者様(笑)だ。」
俺は、香蓮の肩を抱きながら他の奴らに手を出すなとけん制する。
アスたちは、一歩下がり結界を貼って攻撃の余波を喰らわないようにしている。
「とりあえず魔王様、質問してもよかですか?」
「ん~良いけど、ここまで来たんだし遊んで行こうよ勇者様」
魔王グリードの手に黒い球が生まれた瞬間、俺たちを囲むように無数の魔法が展開される。
「うれしい、誘いだが、俺は勇者じゃないのでご遠慮させていただきますわー」
そう言い残し俺は、香蓮を残し、アス達の居る結界内に逃げる。
「あっれ~君が勇者で隣の子は、惚れた女だと思ってたんだけな」
グリードの言葉に震える香蓮。
これは、面白そうなものが見れそうだ。
「誰が勇者(笑)じゃー」
香蓮が壊れそれと同時に香蓮の周囲にあった魔法群が一瞬にして霧散し、逆にグリードの周囲に無数の武器が現れる。
「うっそ~あの量の魔法を一瞬で消し飛ばして反撃するとかチートでしょう」
焦った様子もなくニコニコしながら愚痴るグリード。
「この状況でニコニコできるだけ同じだと思うだけどな」
俺は、お茶を飲みながら観戦する。
現状、香蓮とグリードの戦力差は、ほとんどなくしいと言えば、経験上グリードのほうが上だろう。
「そうだグリード、話をしたいんだが大人しく話を聞いてくれる気は無いかい?」
俺は、お茶を飲みながらグリードに質問する。
「おいおい、勇者が出てきたのなら魔王が戦わないと何されるか分かったもんじゃないから嫌だ。」
その表情は、楽しんでいるかのような表情の中で一瞬焦りが見えていた。
その顔は、昔人間による恐怖を植え付けられたことの有るようだった。
「へぇ~じゃあ勇者と魔王、出会ったのなら殺し合うのが世界の摂理ってことか。…でもならなんで私恨が混じってんだ。」
こういう事に関しては、ド直球に聞くに限る。
目論見通りグリードの顔が歪む。
「勘のいい男は嫌いだよ」
グリードの顔は、地雷を踏まれた人の顔をしていた。
どうせ、昔人に何かされたのだろう。
「あっそ、俺と遊びたいならまずそこの勇者(笑)を先に倒さないといけないぞ」
「その言葉、勇者と言うより魔王って感じだよ主。」
俺の横で同じくお茶を飲んでいたアスがつぶやく。
そうかそうかアスは、俺のことを魔王だと思ってたのか、ならアスには魔王なりの振る舞いをしてやろう。
「うっ主、そんなこと思ってないよただセリフがそう感じただけだよ」
肩を震わせ、ガクガクしながら弁解する。
「そうかそうか、君は、そうかそうか君はそういうやつなのかって言っても今までの生活自体、魔王以上のことをしてるからな。」
「えっ主頭大丈夫?」
「焔大丈夫、おっぱい揉む?」
「あるじが壊れたよ姉様」
「あるじが渡れたわね兄様」
こいつら俺の事なんだと思ってんだよ。
‥‥てかおっぱい揉むってなんだよ日影そりゃ日影の胸は好きだけど。
「鬼」
「夫」
「主」
なんでだろう色々間違ってるけど色々あってるこいつらの回答に何とも言えなくなる。
…って香蓮たちの対峙忘れてた。
まぁあいつ等も戦っている間にこんな話されていることに消沈して戦闘すらしていない。
「あ~雰囲気壊したよな。すまねえ。お詫びに俺が直々に戦ってやるよ」
立ち上がり、香蓮と位置変換しさっきまで香蓮の居た位置にテレポートし、魔王と対峙する。
俺の手には、禍々しい形状のブラッドメタルが握られており、魔王は、驚愕している。
「何、その武器…その武器を使えば、誰だって最強になれるほどの力があるよ。」
「あっそでも、残念だったなブラッドメタルより俺の方が強いからな」
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