3-8-2 香蓮勉強会・完結編

どうも焔です。前回爆発とともに俺が3人に増えました



爆発のせいでどれが本当の俺か香蓮には分からないだろう


「さぁさぁどれが本当の俺でしょう」


三人の俺が同時に喋る

三人とも手にはブラッドメタルで作られたナイフ、刀、銃を持っている


「どれが正解でも、全員殺れば無問題」


香蓮が再度見えない攻撃をするが、三人の俺は全員避け自らの獲物の最適位置につく


「んじゃ、反撃と行きますか」


ナイフを持った俺が消え、刀を持った俺が白兵し、銃を持った俺が弾幕を張る


「跪きなさい」


香蓮の命令口調の言葉に何故か弾も含め地面にひれ伏す


「バロールの能力か、なんでそんなポンポン慣れたように使えるんですかねぇ」


跪いた刀の俺が呟く


「あなたを目指し、がんばって居ましたので」


その言葉と共に刀と銃の首が飛ぶ


「最後は…」


香蓮はモルフェウスで作った剣を自らの影に刺す

すると何もないはずの香蓮の影から血が流れ始める


「私が、そんな初歩的な隠蔽を分からないと思ってたんですか⁇」


香蓮の影から亡骸が現れる


「で、本体は、何時まで其処で観てるの??」


香蓮の足元の血が槍となり香蓮前方の何も無いはずの場所に伸びていく其処は戦闘が始まるときに焔の居た場所だ。


「なんでバレてんだ。音・匂い・呼吸・熱すら遮断していたはずなのに」


飛んできた血の槍をブラッドメタルで弾きながら姿を現す


「そりゃー焔がくれたスキルのお陰ですよ」


香蓮は俺に見えるように、わざと血を弄び、黒い球を浮かべている

あからさまに裏切り者のおかげだと表している


「はぁ…たった一個スキルを手に入れただけで、有頂天に成っているような馬鹿にはきついお仕置きが必要そうだな」


香蓮の中にある思い上がりに少し苛立ちを覚える


「あっねぇ日影、あの主って…」


「そうだね、最終階層でシヴァに会った時と同じ顔をしてる…死ぬなよ香蓮」


外野が何か言っているが集中して何も聞こえない


「香蓮一つ聞く、裏切り者で俺に勝てると思ってるのか⁇」


俺の質問に香蓮は少しは、考えた様子を見せたが口元を少し歪ませた


「ワンチャンいけると思ってます」


ブチッ!

俺の中の何かが切れ、抑えてた魔力が放出される


「「あっ」」


さっきまでは聞き取れなかった外野の声がはっきりと聞こえた


「そうか、なら死ねよ」


多分香蓮は何が起きたのか判らないだろう…というか実際に動いた俺以外全員何が起きたのか理解出来ていないだろう

ただ言うとすれば一瞬の間に香蓮の体が腹の部分から真っ二つになり頭を俺に鷲掴みにされていると言うだけだ


「えっ」


瞬きよりも速いまさに刹那の行動に香蓮の口から驚きの声が聞こえる

今だ、頭の処理が追い付いていないのかきょとんとした顔のまま固まっている

切断された腹部からは腸などの臓器が垂れており、とめどなく血が流れ血が止まる様子がない

ふと、アスの方を見ると顔を真っ青にし口元を抑えている

日影の方に目配せをし、アスと共にこの世界から消えて元の世界に戻ってもらった


「さーて香蓮さん、ワンチャン勝てると思っていたモノの3割程度の力の感想はいかほどに⁇」


俺が外野の方を見ている間に、ブラム=ストーカーの能力で下半身をつなぎ治していた


「ごふぅ… かはっまさかここまで強いとは思ってなかったよ。

 でも焔も甘いね」


口から血を吐き出し、口元に血を付けたまま香蓮が不敵に笑いながら言う


「こんなに私の血で染まった所に居るなんてカモだよ」





「っえ?」


何も起きない



「どうして、血が動かないの??」


如何やら血を使って俺に攻撃をしようとした様だが血が動かず戸惑い俺に頭を掴まれながら暴れている


「もしかして、こうしたかったのか⁇」


俺は足元に広がっている血を槍の形に変え香蓮に見せびらかす


「っつ!なんで焔が…私の…血を扱えるの⁇」


香蓮は怯えたようにビクビクしている


「そりゃーお前の(血の)中に俺が混じってるし、このスキル自体俺が作ったもんだしな」


笑みを浮かべ香蓮の腹に槍を突きさす


「あぐぅ…ぐぇ…」


さっきとは違い理解していた痛みに、喘ぐ


「痛い、痛い」


お腹に槍が刺さったまま、もがく香蓮、もがくごとに傷口は拡大化し、血が噴き出し、痛みが襲い、痛みで暴れる悪循環に陥っている

脚に温かい感触があるが多分痛みで失禁したのだろう


「ほむら…いま、はずかしいこと…かんがえたでしょ」


さっきまで痛みでもがいて居たはずなのに女ってスゲーな


「あぁ、お漏らし香蓮さん」


俺の言葉に赤面する


「いま…むだばなし、してるけど・・めっちゃ痛いんだよ」


痛みに慣れてきたのか途切れ途切れだが言葉が出てくる


ぶしゅっ


「んっ・・ぐぇっ……いっぅ」


腹に刺さっていた槍ごと香蓮を放り投げる

俺から一定以上離れた為、液体化した血と共に地面に叩き付けられる

抑えられていた栓が抜かれたように血が飛び出す


「んで、再度聞こうか、これでもなお俺に勝てると思うかい⁇」


創造の力で作った椅子に座り、地面に倒れたままの香蓮に問う


「今のままだったら多分1万回やっても勝てないです」


顔を上げずに答える


「正解、では次の問題なぜ負けたでしょう」


「スキルを過信し、慢心していたから」


少し顔を上げ目を見ながら答える

その瞳には恐怖の色が有ったがそれよりも自らの愚かさへの後悔の色の方が強く映っていた


「これまた正解、まぁ慢心も過信もしなくても多分今の香蓮だと俺に何かすることは出来ないと思うが今回みたいに無様な姿は見せなかっただろう、実際俺の分身を倒してるわけだしな」


「はぁ追い付いたと思ったら実際はもっと遠くに居たとか心折れそう」


下を向き一人ごちる


「後、香蓮お前一個間違えてるぞ。

 俺はお前らと同じ位の位置に居る」


俺の言葉にきょとんとし、馬鹿にされたと思い頬を膨らませる


「何言ってるんですか、焔が私たちと同じ位置とか、頭大丈夫?」


「言い方にイラっと来たがまあいい、正確には香蓮が俺と同じ位の位置に北の方が正しいか」


「はぁ?私が焔と一緒ならこんな無様な負け方しないでもっと接戦になってるはず」


此奴はまだ自分も常識に見捨てられていることを理解して無い様だ


「香蓮、よーく聞けよ、まずステータスの表記が無くなった時点でお前はもう普通じゃないんだよ、日影曰く普通のことで死ぬ可能性の無くなった奴はステータスが消えるみたいだからな。

後、お前俺の血を飲んだ時点でほぼ俺と同じ位のステータスになってるはずだ。まあ誤差はあるけどな」


「じゃぁなんで私は、焔に負けたんですか?」


興味が出てきたのか倒れた体を起こし体育座りをする

スカートだからパンツが見えてるが眼福と思いながら話を進める


「お前、今回の戦いで、体って使ったか?」




「それは、剣を…っは、初めに攻撃した以外、全部受け身だ」


俺の問いの意味を理解したのか息を飲み、答えに辿り着いた


「正解、さっきも言ったがスキルに慢心し、お前は自分の体をそんなに使わず相手からのカウンターに徹していた。それが主な敗因な、実際問題一番初めの見えない攻撃は、俺でもヒヤッとしたしな」


俺の言葉に何か答えを見つけたのか体育座りから体を起こしたと思ったら香蓮が消えた

はぁパンツ見放題だったのに…残念


「こう言う事ね」


突如、香蓮が俺の目の前に会わられる


「うわー後ろに出てくると思った。」


「棒読みすぎ笑えない」


香蓮はそんなこと言いながら抱きしめてくる


「まー正解だ。お前の体自体がチートなのにそれを使わずポンと出のスキルに頼ってたから負けたんだよ、今後何度か手合わせしてやるから、しっかりと体使えよ」


そんな注意をしながら俺も香蓮を抱きしめる


「そうだ、焔パンツ見てたのバレてるよ」


耳元で囁く


「んな」


くそ最後にしてやられた


「はは、戦闘だと強いのにこういう不意打ちには弱いんだね」


心の揺らぎと役目が終わった事で世界が崩壊する


「そうだ、そんなに見たいなら言ってくれればいつでも見せてあげるのに」


顔を見ながら言ってくる香蓮にデコピンをしながら服装を整のえる


「馬鹿、日常で見えるチラリズムがいいに決まってんだろ」


あっでも恥じらいながらなら自らスカートをめくってるのもいいな


「焔の変態」



創った世界が完全に崩壊し、現実世界に戻る

長い時間、あの世界に居たせいで戻ってすぐここが宿屋であることを忘れて驚いた

周りを見渡すと、来てすぐに日影を寝かしていた布団に顔色の優れないアスが寝ていたが、俺らが戻ってくるとともに体を起こす


「ふぅ、これで香蓮の魔改造はしゅーりょう、今日はもう寝て明日から活動開始ってことでお開き」


この後、寝る時に香蓮と日影に襲われたのはまた別のお話…需要が有れば描きます

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