4-1 ギルドへ行こー
どうも焔です。一夜明け今日から本格的に活動していきたいと思います
「ふぁ~眠い」
頭の方にある窓から差し込む朝日に目を覚ます
昨日は結局布団を敷いて皆で雑魚寝した。
周囲を確認するとまだ寝息を立てているアスと香蓮の姿が見える
「日影は…とっくに起きてるか」
唯一人俺より早く起きている奴が居るが鼻をくすぐる芳醇な香りを嗅げば何をしているか分かる
「おはよう日影、朝ごはんの準備ありがと」
「おはよ、良妻たるもの、夫に飯を作るのは当たり前だよ。
もう少しで出来るから、顔洗って、香蓮とアスを起こして」
コンロの前で作業している日影へ、朝の挨拶をする
日影も空間把握の能力を持っているためか、俺の挨拶に驚くことも無く返してくる
まぁ良妻の下りは置いといて実際は、嫁と言うよりお母んだな
「今、嫁よりお母んだと思ったでしょ」
俺の思考を呼んだのかお玉をこっちに向けながら拗ねる
「すまん、俺は顔を洗ってくるから料理よろしく~」
俺は逃げるように洗面台の方に向かう
その後は、顔を洗ってまだ寝てる二人を起こして、となんやかんやしている内に朝飯となった
「で、今日からの方針はどうするんですか?」
朝飯のメニューが何故か白米、みそ汁、焼き鮭と言うTHE・和食だったがどうせ日影特有の神力なのだろう
「考えだと、この世界の情報を集め終わったら取り敢えず魔王に会いに行く位だな」
俺のプランを伝える
「分かりました。でも焔、王城で色々調べてたよね?」
召喚された当初のことだ
俺は、王城内に有った図書館に入り浸りこの世界の情報を色々収集していた
「あぁ、だが地図とかの実用的な情報が何も無いんだよ」
実際、王城に有ったのは歴史やお伽噺と言ったものや魔導書・武術指南書といったものが大半だった
「あぁなら街の方に行けば良いですね」
~~焔達食事中~~
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末さまです」
何故か悔しいが、日影の作った朝飯はおいしかった
「よーしじゃあ30分後、行動開始するから各自休憩」
俺は速攻横になり、スキル系の特訓に入る
日影と香蓮は話をしながらご飯の片づけをしている
何故か手伝おうとすると止められた
アスも俺の横で自分の力の制御訓練をしている
「よし、んじゃ行きますか」
俺が身体を起こした
「もう30分経ったんですか、早いですね」
香蓮は読んでいた本を置き立ち上がる
「主~帰ってきたら特訓して~」
「香蓮に勝てたらな」
アスは何か掴んだのかニコニコしている
「焔~帰ったらマッサージして、肩凝っちゃった」
「ヤダ、マッサージとか言いながらセクハラさせる気だから」
「ちぇ」
悪戯がバレた子供のように拗ねる日影
「だが、飯を作ってくれたお礼に真面なマッサージを帰ったらしてやるよ」
俺の発言にめっちゃいい笑顔をする日影周りに花が咲いている幻覚が見える
「うっまぁ気を取り直して行くぞ」
俺は気にしないようにしながら部屋を出、女将に鍵を渡し、外へ出る
「よーし、とりあえず地図でも購入しに行きますかな」
俺は人の多い方へと向かう
「焔、今思ったけど変装とかしなくていいの?」
後から追いかけていた香蓮の言葉に固まる
「変装しなきゃヤバいわ、絶対誰かに会う気がする。
取り敢えずいい感じの青年にでもなるか」
幻影術の変身・変声を使い
この世界の人に変身する
金髪長身のイケメンになる
「よし、んじゃ名前をフレイとでもしようかな」
声も変わりさわやか系になっている
「どうせ焔を英語にしただけだよ」
「私も思った」
女どもが小声(聞こえている)で会話している
「うわー主の身体に言葉の矢が刺さってる」
あーアス可愛いな~
「よーし何言われても、もう立ち止まらんぞー」
たわいの無い話(8割俺の心を傷つける)をしながら商店へ着く
商店に着くと売り子や店主の客引きの声がそこかしこから挙がっている
「おぉ小説で憧れた異世界商店だ。屋台の歩き食いが出来る」
異世界小説を読んだことのある奴ならわかると思うが異世界の屋台で売られている食べ物を歩き食いするのが夢だったんだ
「では色々散策しながら必要物買って帰るか」
香蓮たちの方へ向くと香蓮以外全員目をキラキラさせていた。
「分かった、各自散策とし、香蓮すまん一緒に来てくれ」
言葉が終わるか終わらないか位に日影とアスは何処かに行き香蓮は俺の横に来る
「なんかデートみたいですね」
「こんなムードの無いデートは勘弁だな」
俺は香蓮の腕を掴みながら目的の場所を目指していく
ま、道中何回か香蓮と歩き食いしたがな
でもあのコカトリスの唐揚げや空牛のミルククレープなど地球では考えられない食べ物が目白押しだった
「焔、多分地図系ならここが一番いいよ」
香蓮に連れられたのは剣の絵の看板をぶら下げている周りより2周り大きい建物だった
「此処ってもしかしてギルド?」
「正解ここなら冒険に出るための道具が一通り揃ってるからね。後焔達ギルドに入っておいたら他の街に行くときとかに簡単に入れるようになるしね。」
「分かったならアスと日影を呼び戻すよ」
俺は念話を使いアスと日影に来るように連絡する
1分もしないうちに二人とも集まる
「香蓮の推薦と言う形でギルドに入ることになったからよろしく」
「なんで主ってこんなに突然なんだろう」
そんな愚痴を言いながらも俺の後ろについてくるアスと日影
中に入ると、右に受付カウンターがあり左に酒場が有る小説特有のギルドの形だった
香蓮は慣れた足取りで受付カウンターの方へ行く
「お疲れ様、今回後ろの3人をギルドに入れたいんだけど今大丈夫?」
「はい大丈夫ですよ、ではどのランクにしましょう?」
「ん~とりあえずこの二人は私と同じでこの子だけ一ランク下で」
香蓮は俺と日影を同ランク・アスを一ランク下で登録させるらしい
「承知いたしましたが、香蓮様と同じAランク及び一ランク下のBランクになるには、技術試験を受けて貰う規則になっていますがよろしいでしょうか?」
「問題無いよ」
ドンドンと話が進んでいくが、香蓮はAランクらしいがこの世界のギルドは何ランクまであるのだろう
「では裏の訓練場まで来てください」
受付嬢は奥の作業場の方へ行き俺たちは香蓮の指示に従いついていく
「今のうちに言っておくけど元の私のステータスでAランクだからね」
それはあからさまに手加減しろと言っているようなものだ
「分かってるって、どうせもう俺らは常識の埒外だってのは知ってるから、試練内容に合わせた加減をしてやるよ」
何回も注意されていると王城で魔術訓練を行った体育館の様な場所に着く
何人か、冒険者だろう人たちが訓練していた
「お待ちしました。香蓮様、そちらの三人が今回AランクとBランクを受ける方々ですか?ギルドの情報には無かったですが」
ギルド役員は俺ら3人を怪しみながら勇者である香蓮に話しかける
「この人たちは今まで人のほとんど居ない秘境で修行していたので」
「そうなんですか、では試練の内容を伝えます。」
ギルドの人は何故か納得した素振りを見せながら話を続ける
「今回は、あの的の破壊です」
ギルド役員の手の方向を見ると何か金属で出来た人形が置いてあった
「あれ?あれって昔香蓮が壊した人形と同じ?」
俺の言葉に首を振る香蓮
「残念、あれはそれの一つ上の素材アダマンチウム鉱石で出来てて殆ど壊すことの出来ない鉱石って伝えられているの」
あぁあの手から刃の爪を出すヒーローの骨格の鉱石か
「教えてくれてありがと、それにしても殆ど壊すことのできない鉱石を破壊しろってあからさまにクリアさせる気ないな」
俺の言葉に香蓮はため息を吐きながら答える
「そりゃポンと出の人に最高ランク一個下のランクを付けろって言われてもはい分かりましたって言えるわけないでしょ」
「それもそうか、そうだ役員さん、破壊ってことは近接でも魔法でもいいって事だよね」
役員は説明の再開をする
「では詳細を説明します。
まず1・達成条件は先ほども言いましたがあのアダマンチウム性の的の破壊です
破壊方法は魔法を使っても近接武器を使ってもいいですが誰かの手を借りるのは禁止です。
又、破壊できなくてもどの位の戦力が有るかでランク付けするのでご心配なく」
役員は説明を終え、質問を聞いてくるが特にないので先に進めてもらう
「では、誰からでも良いので始めてください」
「んーじゃアス行ってこい」
元からそのつもりだったのか俺らの前に出る
「では、始めてください」
「よし、じゃあまずは、硬さの確認しないとボクの力で壊れたら問題になりそうだし」
アスはわくわくしながら人形の元に歩き一発殴る
それだけで、人形は少し凹む
「うっわ~結構脆いねこの鉱石、試すほども無いね」
アスは興味を無くしたかのように俺らの元に戻ってくる
「あれ、試練は「ドッゴーン‼」…」
役員がアスの方へ話しかけようとしたとき後ろで雷が落ち、人形は融解していた
「主~つまらない」
「はいはい、戻ったらいっぱい香蓮に遊んでもらって」
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