1-5 ダンジョン準備なう

 どうも焔です。前回聖魔法と闇魔法を使ってから1週間が経ちました。

 この一週間はずっと同じように朝起きて朝練して飯食って剣術訓練して飯食って魔法訓練して図書館に入り浸って飯食って本に書いてあった魔法試して寝るという生活を送っていました。特に面白いイベントとかはなく過ごしてました。


 そして今日はついにダンジョンに潜る日です。あわよくばバックれて一人旅をする予定です。まあどうなるかはダンジョンに行ってみなきゃわかりませんが。

「ふぁ~ねっむ今日はダンジョンに潜る日だし今日は朝練なしでゆっくりしよ。そうだ今のうちに1週間の成果を確認しますか最後に確認したのが召喚されて2日目の夜だから丸一週間の成果か楽しみだぜ」

 詠唱破棄をしステータスを表示させた



 名前 焔

 年齢 17歳

 種族 人間(♂)

 LV.1

 HP     337,683/337,683

 MP (魔力) 625,883/625,883

 STR (力)  585,299

 DEX (俊敏) 606,477

 VIT (耐久) 594,625

 INT (知力) 1,132,774

 EXP (経験) 0/5

 スキル 「???」・魔力操作Lv.10・全魔法Lv.10(火・水・風・土・雷・氷・風・聖・邪・時・空間・回復・防御)・幻影術Lv.10・剣術Lv.10・詠唱破棄・魔力節約・鑑定Lv.10・限界突破Lv.2

 称号異世界人・巻き込まれ・賢者・突破者・???の加護


 この一週間でほとんどのスキルが最大まで上がった。そしていっぱいあった魔法が全魔法という名に統合された。

 ステータス面だと全部6桁を突破した王女の話を聞く限り初代勇者でも5ケタだったらしい

 この一週間の中で一番の収穫は鑑定だった。

 鑑定は名の通り鑑定したいと思ったものを鑑定してステータスのように表示してくれるこれは建物などの物から人のステータス、はたまた自分の称号やスキルも見ることができた。


 鑑定してわかったことはまずクラスメイトで俺を抜かして一番強かったのは案の定香蓮だった。次に凛音と詩紋だった。凛音は盾役として、詩紋は後方支援として香蓮の次の強さにいる。そしてこの3人はダンジョン攻略後パーティーを組み魔王討伐を目標にパーティーを組んだお話はまた別のお話である。


「それにしてもいつの間に加護なんて手に入れていたんだ自分で確認するまで気付かないし加護を手に入れることなんてしてないぞ俺」

 実際焔は1週間特に特別なことなどなにもしていない

「まあスキルの『???』と同じように今後答えがわかると思うし後回しにしますかだけどスキル取得とかの時にアナウンスがないのは辛いな何か魔法で作ろうかな」

 いろいろな魔法を使い試行錯誤していると

『スキル『神の声』を取得しました。』

 急に脳内で男性とも女性とも聞こえる声が響いた

「脳内に直接語りかけてきている…はっ!!じゃなくてスキルってスゲーななんでもいいじゃねえか」

『いえいえそれほどでも』

「お前しゃべれるのかよ」

『もちろんだってどこにも報告だけしかできないなんて書いてありませんよ後頭で考えるだけで私と話せるので声に出さなくてもいいですよ』

 今思うと誰もいないところで一人で突っ込んでいる変質者にしか見えない現状に空間魔法を使って防音しておいてよかったと思った。これがクラスメイトと居る時だったら今まで以上に白い目で見られてしまうからだ。

『あっ他人から変な目で見られているの自覚あったんですか草』

『「そりゃ俺だよはたから見てもおかしいじゃんそれよりお前は何者?」』

 純粋な疑問をなげかける。スキル名にもあるから大まか予想はできるしこんなことできるのは一人しかいないと思っているから無駄なことだと理解しているが様式美というものがあるから仕方なく問いかけている。

『お気遣いありがとう私は神です。あとあなたが頭の中で考えていることは私にも聞こえたり見えたりするので気を付けてくださいね』

『「まじかよだったら今後いろいろやばい系??」』

『そんなことはありませんよ基本的には行動に口出ししませんがいろいろアドバイスするなどはあります。簡単に言うと自分にもう一つ人格がある感じだと思ってください』

 自称神と質疑応答しているとドアがノックされた。


「焔様おはようございます。朝ごはんの準備ができましたのでお越しください」

「わかりましたいつもありがとうございます」

 起こしに来てくれた執事に軽く返事を返す。

『「まあ何であれこれからよろしくな自称神」』

『割り切ってくれるところ好きだよ後自称じゃなくて本当に神だから』

 新しい仲間に挨拶をし身支度を整えて食堂に向かった


 ~焔移動中~


 食堂につくと焔以外のほぼ全員か集まっていたことに気付いた焔はこちらを見た数人に頭を下げ席に着いた。

「ほぼ全員集まりましたね。おはようございます今日はダンジョンでの実戦訓練の日です。行くダンジョン自体は最近できたダンジョンらしく詳細な情報がありませんが一応冒険者の話曰く10階はまではそこまで強い敵が出ることがないとのことです。なので今日は1階から5階まででレベル上げをする予定です。」

 香蓮は王女たちと打ち合わせをしていた内容を伝えた。

「今回は引率として騎士団の皆様も参加してくださるそうです。後は集合時にお話ししますね。では朝ごはんとしましょう」

 話が終わると各自のテーブルにカツ丼もどきが置かれる。

「今日の朝ごはんは実戦訓練の成功を祝ってカツ丼を作ってもらいました。ではいただきます」

「いただきます」の合図とともにクラスメイトは黙々とカツ丼を食べ始める


『ほ~む~ら~さっき言い忘れてたけど欲しいスキルとかこういうのあったら便利だなってスキルを教えてくれたら加護として贈呈してあげることがあるからよろしくね』

「ごふぅっ」

 クラスメイトと同じように黙々と食べていた焔だったが神の言葉で咽る。

 何人かは見たがただ咽ただけだと気づきまた食事に戻る。ある一人だけはずーと見つめていたが気づいた人は誰もいなかった。

『「マジかよそれって例えば今女子の服だけを透視する魔眼が欲しいって言うと貰えるってことだよねそれってチートじゃね」』

『簡単に言うとそうだけ確実にあげられるわけではないし私自体がこれは駄目だなって思ったものはあげられないよ。後本当に透視の魔眼が欲しいならあげるよ。焔って意外とスケベなんだね』

「ごふぅっ」

 たびたび咽る焔を何人かのクラスメイトは心配するがそのたび「なんでもない」と返事をする羽目になった。


 ~食事悪戦苦闘中~


「御馳走様でした。まったくひどい目にあったぜ」

 神との脳内会話を愚痴った

「何かあったのですか??」

「ふぁっ!?…華蓮さんか驚いた。」

 自分の愚痴に返事が来ると思ってなかった焔は後ろから来た声に驚き振り返るとそこには華蓮が立てっていた。

「いえ食事中何回も咽ることがあったので何か体調が悪いのかと思って話しかけようとしたら驚かれてしまいました。」

「ああそういうことね。食事中にも言ったけどなんでもないよ。ただカツ丼で昔のこと思い出してちょっと黒歴史がね蘇っただけ」

 神のことを話せないが故ありそうな話を即興で作るはめになってしまった。

「ならいいのですが…そうでした。焔さん私アナライズというスキルを手に入れたのですが」

『焔~アナライズって焔でいうところの鑑定スキルね。ただし焔と違って利便性はそこまでよくないんだ例えば自分より強いもののステータスが見れないとか』

「どう頑張っても焔さんのステータスが見えないのですがなぜでしょう?」

「ふぁっ??」

 急な華蓮のカミングアウトに驚いた時と同じ声が出た。不幸中の幸いなのか周りにはもう誰も居らず華蓮と二人きりの状況だった。

「アナライズは自分より弱い人のHPとMPを表示するスキルと聞きクラスメイト全員のステータスを見ましたがどうやっても焔さんのステータスだけ見れないんです。」

 華蓮はもしかしたら自分より焔のほうが強いのではないかと疑問に持っている

「あぁそれなら多分なぜか最初からスキルにあった「不可視」のせいだと思うよ」

『スキル「不可視」を入手しました。』

 焔が嘘話をしていると脳内でアナウンスが流れた。

『「うわーー勝手になんか変なスキル手に入れられたわ。」』

「そうだったんですねならよかったです。もしかして焔さんが私より強かったらなんて妄想していましたが安心しました。」

「想像じゃなくて妄想なんだね」

 華蓮の爆弾発言に顔を引きつらせる。

「私は昔から自分より強い人に憧れていて、もし焔さんがそうだったらって思うと妄想が止まらなくて」

『「うわーこれヤバいやつだ正直に言ったらなにやられるかわかんねー」』

『逆に考えるんだヤられちゃった方がいいと』

『「嫌だよだってヤると殺るが混合してる気がするもん」』

 今までの香蓮のイメージが音を立てて崩れていく

「まあ僕のステータスはall50だったよ」

「そうでしたか分かりました。ありがとうございます。では集合に間に合うように来てくださいね」

「了解。」

 二人は各自の部屋に戻っていく


 ~焔帰宅~


『「おいバカ神」』

『なんだい愛しの焔くぅん』

『「ウザい、きもい、死ね…そんなことより話し中に勝手に「不可視」のスキルが手に入ったが原因お前?」』

『exactly 正解です。』

『「やっぱりか…後そういうどっかで聞いたことあるようなセリフ禁止なお前よりも強い神に殺されかねないから」』

『ばれなきゃ犯罪じゃにゃっ!!』

『「どうした神様ニヤニヤ」』

『今絶対に逆らってはいけない気配を感じた。今度からは気を付けますんで許してください』

『「俺にはどうすることも出来ねえな。後スキルとか今後手に入ると思うけど神からもらったスキルとかでデメリットとかってあるの?例えば使用しまくると何かに侵されるとかの後遺症が残る的な感じの」』

『特にはないけど強いて言うなら後遺症の出るものやそのスキル自体がデメリットなものとかは有るよ例えば…』

『スキル「縛りプレイ」を入手しました』

『「うわ例えの為にまた変なスキルを強制的に与えおって」』

 不本意ながら手に入れたスキルに鑑定をかける


 鑑定結果

 名前 縛りプレイ

 分類 スキル

 効果 自分のHP・MP以外のステータスを0.01%まで下げる


「はぁ?あのくそ神ばっかじゃねえのそんなことしたら今まで頑張ったのパーじゃねえかというかそうすると俺のステータスって」

 与えられたスキルの効果を見て愚痴を声に出しながらステータスを確認する


 名前 焔

 年齢 17歳

 種族 人間(♂)

 LV.1

 HP     337,683/337,683

 MP (魔力) 625,883/625,883

 STR (力)  59(585,299)

 DEX (俊敏) 61(606,477)

 VIT (耐久) 59(594,625)

 INT (知力) 113(1,132,774)

 EXP (経験) 0/5

 スキル 「???」・魔力操作Lv.10・全魔法Lv.10(火・水・風・土・雷・氷・風・聖・邪・時・空間・回復・防御)・幻影術Lv.10・剣術Lv.10・詠唱破棄・魔力節約・鑑定Lv.10・限界突破Lv.2・不可視・縛りプレイ

 称号異世界人・巻き込まれ・賢者・突破者・自称神の加護・どM


 今まではキチガイじみた値の並んでいたステータスが見るも無残なHP・MPお化けのようなステータスになっていた。※()の中の値は焔には見えていない

 しかも縛りプレイを手に入れたことで強制的に「どM」の称号を手に入れてしまった。

「マジかよもうやだ鬱だ死のう」

 ステータスがただ制限されているだけのことを知らない焔が自暴自棄になって叫んでいると扉がノックされる。


「焔さん大丈夫ですか?急に叫び声が聞こえたので来たのですが」

 扉越しに切羽詰ったような声で安否を確認してきたのは香蓮だった

「大丈夫ちょっと現実逃避したくなることが起きただけ」

 扉を開け大丈夫であることを伝える。

『「くそ神覚悟しろよぜってー殺す」』

『うわー怖い怖い』

 香蓮が安心した顔をした一瞬の間で神に愚痴った。

「そうだ。もうそろそろで時間になりますのでご一緒に行きませんか?」

「いいよじゃあ準備するからちょっと待っててね」

 集合場所に着いたときの男たちの反応に億劫になりながら香蓮を待たせるのは悪いと思い1分以内に支度を済ませ部屋を出た。






 用語紹介

 今回は簡易的なステータスの見たかを紹介します。

 名前 その人や物の名前

 ステータス

 年齢 生まれてor作られて何年か

 種族 その人の人種と性別 例:人間・エルフ・魔族など

 LV. レベル 魔物や他のものを倒すと手に入る経験値が一定以上になるとレベルが上がる。

 HP  その人の生命力。地球だと心臓を撃たれると死ぬがこの世界だとHPが残っていれば撃たれても死なない逆を言うと箪笥の角に小指をぶつけてHPが0になった場合その人は死ぬ。

 MP (魔力) その人の魔力総数。MPはスキルを使うときに使用される。基本的にどんだけMPがあろうと1日で全回復する様になっているがMP回復のスキルを持っているとその時間が短縮される

 STR (力)  純粋にその人の力で値が大きいほど持てる武器のバリエーションが増えるが繊細な作業が難しくなる。

 DEX (俊敏) その人の速さ。それ以外に何て言えばいいんだ。

 VIT (耐久) 簡単に言うと守備力。攻撃を食らった時にVITが高いとダメージが軽減される。但し魔法の攻撃自体のダメージには関係ない

 INT (知力) その人の頭の良さ。INTが上がったから知識が勝手に入るのではなく知識が上がるからINTが上がると思ったほうが正しい。INTは魔法攻撃力上昇や魔法自体のダメージ減少に関わる。

 EXP (経験) その人の経験値。魔物や人などを倒すと手に入るポイント一定以上になるとレベルが上がる。

 スキル その人の能力剣技や魔法などの使用系から縛りプレイや魔力回復など常時発動されるもの・超能力などがある。

 称号 基本はその人の地位や職種が出ることが多いがそれ以外にもスキルを手に入れたから手に入る称号や今までの活動から手に入るものなどもある。

 称号によってはステータスや魔法にボーナスのつくものなどがある


 次回の紹介は神です。

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