第二話 不可視の翼 ②
長旅には足が不可欠となる。彼の
道行く者は誰しもが、この二人に視線を奪われた。
「気になりますか?」
周囲に
「大勢から目を浴びるのは久々のことだ」
そう答えながら、彼はなおも
「顔知れぬ、人の形に息
少し明るい調子で女が
その詩に彼は無意識に己の右手を見つめる。
先ほどよりも落ち着いた心持ちで道を歩いていくと、もう二度と動くことのない手もあるという事実も眼前に認めた。
戦火は確かに、
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