透明な小説 -8

 イマニュエルは東名高速道路を走っているだろう。夢の中で。直感と理性とを対話させながら、イマニュエルはあることに気づいた。この高速道路は、一見単調なカーブによって成立しているように見えて、決して終わりがあるカーブではない。すなわちこの高速道路は一つにつながった一本の道なのだ。合理的には、侵入箇所の存在しない一本道は考えられないのだが、この高速道路は円環なのだ。直感的に、夢の記憶はどこまでも続いているのではなく、どこかで途切れるはずだから、必ずどこかで円環の途切れが現れるはずだろう。そう信じて突き進むことにしたものの、一向に終わりが見えないので、あ、これは目を覚ますしかないなと思い、目を覚ますと、まだ運転席に座っているので、あ、これは本当に眠っているんだと思い、しかし運転は続けなければならず、ハンドルをずっと右に切り続けて進んだ。しかし、終わりがいっこうに見えないのだった。

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