透明な小説 -7

「お前、何か俺に向かって話しかけたか?」

 しかし声はイマニュエルには届かなかった、それもそのはず、イマニュエルには声は夢のフロントガラス越しにしか聞こえなかったからだ。もしここで亜空間物質転送装置が作動していたとしても、やはりイマニュエルは声を聴くことはできなかっただろう。イマニュエルは、この声をどうにも解釈しようがなく、仕方なく眠ることにした。夢の中で眠ることは、居眠り運転にはならないのである。

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