セブンポリス 

異世界でも夜明けは一緒だった。朝焼けに文子、和枝、美和、恵理は目を覚まし、昨日発見したその屋敷に行くことにした。

とりあえず、朝食だが、備蓄の魚の缶詰と肉の缶詰をそれぞれ一つ取り、開けて口にした。

自販機は動くので飲み物は買えたが、それも戻れるまでは節約しなければならない。

文子、和枝、美和、恵理の四人はとりあえず身支度した。やはり、どんな世界かわからないが美しさだけは保ちたかった。もし、突然元に戻れたら、だらしない姿を家族や同僚に見られたくないからだ。

「そういえば、六郎くんは?」

「昨夜は、私たちだけはこの部屋には鍵を内側から掛けられるから食料や薬、武器と一緒に入れさせてくれて、自分は階段のロビーで寝るって」

恵理が鍵を開けて、恐る恐る外の様子を伺うと、少しだけホッとした。

「恵理…」

「しっ」

四人は、夫や彼氏以外の年頃の男と一夜を過ごすなんて思いもよらなかった。今の流行りのイケメンアイドルや男性雑誌の読者モデルみたいに長身で、決まってはいない。会社や学校にもいるパッとしない大人しいタイプの男子だが、彼も男だ。

文子、和枝、美和、恵理の四人は、皆明るく艶のある髪や肌をし、服や靴も有名ブランドで揃えている。ゴージャス、エレガントが似合うモデルやアイドルのような彼女たちだ。彼も他に男がいないから…美女四人を独り占め出来る、ハーレムにしたいと下心を起こすかもしれない。

だが、彼は…

「もう少し、寝かせてあげましょう。この騎士さんを」

文子は三人に言った。

六郎は、外で鍬と鎌、鋸などの簡単な武器を手に入口を守るようにして座って寝ていた。



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