第45話 期末考査前

期末考査と言えば?

答えは学校では重要な試験の1とされているものだ。

その為、俺はノートに必死に問題を書き記して解いての繰り返しで猛勉強をする。

のだが、全く頭に内容が入ってこない。

集中が出来ないんですよ。

まぁ、原因は有るんだがな。

俺の横だ。


「♡」


「.....」


「..........」


眉を顰めた視線、胃が痛い

何でこんなにも女って視線を尖らせれるの?

まるで槍で心臓を射抜かれた様な感覚だ。

これが原因の1。

そして、それ以外に。

俺の左腕が板の胸だが、柔らかい感触に封鎖されていて、重い。

その為にノートを書くのが難航していて、教科書を開くのも難儀だ。

うーむ、って言うか。


「.....勉強しろよ!星!」


「わ、ごめんなさーい、カイにぃ」


甘ったるい子供の様な声で。

テヘペロ、と星は舌を出して、周りを見てから鼻歌混じりに可愛らしい学習ノートを広げ勉強する星。

余りの星の様子に、#を浮かべて全員が震えた。

そんな中、一言ゆう、が呟く。


「.....いい加減にしなさいよ.....星.....」


「.....何ですか?先輩」


不愉快そうに顔を上げる、星に近づいてから。

勉強道具を置いて、腕を組んで見下ろす、ゆう。

それから、ビシッと指差して言った。

ちょ、スカートの中が見えそうだ。


「ベタベタしない!!!!!そんな事をする為に来たんじゃ無いでしょ!」


「ふーんだ!です。ベー!」


「ちょっと星さん?その態度は如何なものかと思いますけど.....」


ピクッと反応し、ひなた、もその様に言う。

星だけに勉強を教えるとなったら、何故かコイツらも来ちゃっているのはどうしたものかと思うのだが。

サクと一緒に何とかするから助けは必要無いって言ったのに。

その様に思っていると、サクが俺の袖を頬を膨らませて引っ張ってきた。

若干に悲しげな顔をして、嫉妬の顔をしていて、その可愛さをツインテールの髪が引き立てている。

ドキッとしたが、それどころでは無さそうだ。


「.....カイ。星にデレデレしてない?」


「.....それか.....いや、してないからな。えっとな.....取り敢えず、みんな落ち着け。勉強すっぞ」


勉強大事。

俺は公務員になるんだから。

仲が良いのか悪いのか分からんが、取り敢えずはみんな、落ち着こうぜ。

唯一、栞のみが全く動じずにこの場で勉強しているけど。

俺は栞を見て、スゲェと思いながら全員を見た。

すると、俺の声に少しは落ち着いてきた様で悪かったという感じで、座る。


「勉強しよ?みんな。期末考査も有るんだから」


「そうです。皆さん。勉強しましょう」


「仕方が無いけど、勉強します」


そして、再び静寂が訪れる。

ようやっと全員が納得して勉強し始めた。

俺はため息を吐いて、目の前のジュースを飲んで、クッキーを食べて。

数学の問題を解いて対策を立てていく。

そして、一旦区切りがついて。

目線だけ上に向けた。


「.....」


しっかし、こうして見ると。

女子ばっかり。

しかも全員スタイル抜群で、可愛いとか何事なのかと思ってしまう。

そして、コイツらが俺を好きだという事が信じられない。

何だか居心地が悪いな。

その様に思っていると、サクが寄って来た。


「カイ。この問題が分からない.....」


「ん?ああ、この問題はな.....」


こんな天才でも分からない事は有るんだな。

思いつつ、こうして、こうするんだ。

と、教えてから顔を上げると。

かなり近くにサクの顔があった。

まさかの事にお互いに赤面して硬直。

ピンク色の唇が、あの時を思い出させる。


『守ってくれる代償だよ』


そのお互いにキスした時の、その光景を、だ。

どうやら、サクもその様な事を思い出している様で目を回している。

俺は直ぐに口を抑える、すると。


「.....なに見つめあっているんですか?カイちゃんと桜さん」


「ハァ!!!!!」


よく見ると、星と、ひなた、と栞と、ゆう。

つまり全員がこっちを眉を顰めて見てきていた。

目を細めて、怪しい、という感じだ。

俺は否定の言葉を発しようとした、のだが。


「違うよ!違うからね!!!!?みんな!!!!!」


サクが思いっきり否定した。

目を回している。

いや、完全に敬語も崩壊してるし、駄目だこれ。

言い訳、出来てないわ。


「桜先輩怪しい.....」


「.....何かあったね。これ絶対.....」


多分、サクにブログでもあったら炎上してるわこれ。

そんな、言葉に、桜は紛らわそうとか。

目を回しながら言葉を発した。


「あー!そ、そうだ!皆さんで海に行きませんか!?夏ですし!!!!!ナツデスカラ!!!!!」


なんでそうなるんだ。

俺はその様に思いつつ頭に手を添えた。

そして、やれやれと呟く。

だが、この作戦は功を奏した様で。


「.....あ、海、良いですね!」


「海.....」


「.....海かぁ!いっぱい泳げそう!」


そんな感じで。

盛り上がり始めた。

俺は意外だな、その様に、思い。

目を丸くした。

思っていると、星が話してきた。


「胸が大きい子が好きですか?小さい子が好きですか?」


「星!お前は何を言ってんdajhjj!!!!!」


舌噛んだだろ!!!!!

突然だな!?

だが、この意見には賛同みたいに。

全員が胸を見て、俺を見た。


「「「「「...........」」」」」


すると、星が話した。

密着してくる。

俺は赤面して、全員が固まった。


「ロリ胸、良く無いですか?ホレホレ〜♩」


「コルァ!!!!!」


「きゃー!」


星に説教する、ゆう。

胸の事なんぞ考えた事は無い!

と言いつつも!

俺は男だからな!勘弁してくれ。


「.....カイ.....?」


「.....何でも無い」


星の胸辺りを見ていたらサクにクソ睨まれた。

俺は頬が膨れるサクに言い訳してから。

盛大にため息を吐いた。

そして、俺達は。

期末考査後に海に行く事になった。

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