第26話

状況を纏める。

先ず、俺は突如現れた、美少女の早坂と何故か婚約の約束を持ち出され。

幼い時に婚約指輪まで渡している状態だ。

これに対して、桜、山崎は激昂した。

何故、山崎まで怒っているのか、それは定かでは無い。

なんでボッチの俺にこんなに女子が寄ってくるのか。

それも定かでは無い。


「.....」


「.....」


「.....」


俺達の教室は。

これまで見た事の無い程に。

静寂に包まれて居た。

あり得ない光景だからだろう。

嫉妬の嵐と言えばその様にも言える。

更に、女子はキャーキャー言って、煩い。

俺は盛大にため息を吐いた。

取り敢えず、山崎、早坂、桜、俺が教室の隅に机を並べて集まり。

3コンボで会議が行われて居た。

山崎はエ●ァの碇みたいな感じで頬杖をして、真剣な顔付きを。

桜は何かを取り出す。


「.....じゃあ、何故この様になったか。飯島被告の裁判を行います」


眉を顰めた、裁判長、桜がその様に話す。

横では判事を務めると、山崎が頷いて居た。

何を言ってんだコイツらは.....。

早坂はキョトンとしているし。

それでこんな裁判所みたいな机の並べ方をしてんのな。


「何で裁判なんだ.....」


「.....兄貴。これは一大事だから」


「.....飯島。運命に関わる事だから」


俺に対して。

青筋を立てて、その様に話される、お二人方。

俺は青ざめて、は、はあ。

と言った。

ってか、教室でやらんでも。

そこらの男子生徒とかに嫌われているんだぞ。

俺、ボッチだから。


「主文。被告、飯島カイ。被告は幼い頃、早坂先輩に婚約指輪を渡した。記憶が無いと嘘を言っている。間違いは有りませんね?」


「.....いや、それ、大いに異議有りなんすけど.....嘘じゃねーし」


「ま・ち・が・いが有るとでも?」


暗黒の笑みを浮かべて、周りも俺も威圧する、桜。

怖いんですけど?

俺は苦笑いを浮かべる。

ってか、それ裁判じゃ無くて、ただの脅しだろ。

すると、早坂が話した。


「.....カイちゃんとキスもしたかな.....婚約者と認めてくれていると思う」


唐突に早坂は赤面して、俯く。

キャーッと女子が悲鳴を上げた。

いや、ちょ。

火に油を注いでるからな!

俺はその様に思いながら、唖然とする。

桜と山崎も口を半開きにして、唖然としている。

そしてコホンと言ってから。

俺を睨んできた。

その反応に俺は慌てて、早坂に話し掛ける。


「.....早坂。お前はちょっと黙っててくれ.....」


早坂は首を傾けた。

つうか、公開処刑すぎるだろ。

これって。

心臓に悪すぎて。

頭が痛い!


「とにかく!兄貴は.....!.....その.....」


「.....?」


真っ赤になる、桜。

何だ?

言葉に詰まるなよ。

俺はその様に思いながら。

桜を見る。


「.....兄貴は.....兄貴は私のものなの!私は兄貴に一番近い人として!早坂先輩がくっ付くのは認めない!!!!!」


「異議あり!!!!!」


山崎が手を上げた。

いや、ちょ。

判事がその様に声を上げてどないすんねん。

俺はその様に思いながら。

山崎を見る。


「.....私は桜が常に一緒ってのはあまり認めてないし!私も飯島と中学から知り合っていたから!」


「.....お前.....」


俺は額に手を当てて、盛大にため息を吐いた。

すると、流石の早坂も気が付いたのか。

ムッとして、立ち上がる。


「.....でも、貴方達よりも私が一番、カイちゃんと親しいから.....」


「いや!私は認めないから!」


「.....私も!」


睨み合う、美少女3人。

ナニコレ?

何でこんな事になってんの?

ってか、裁判最早、関係無いし。

意味不明が過ぎて草が生えそうだ。

マジで収拾がつかないんだけど。

どうしたら良いのよ。

これ?


「.....兄貴!」


「飯島!」


「カイちゃん!」


ファ!?

俺に向いてきやがった!

冷や汗をかく、俺。

すると、3人は言い放った。


「「「誰が好み!?」」」


「え?ちょ」


近いから!

って言うか、何を言ってんのこの子達!?

俺は回答に困惑する。

思って居ると。

チャイムが鳴り響いた。


キーンコーンカーンコーン


「ほ、ほら!予鈴のチャイムが鳴ったぞ!俺、トイレに行きたいし!」


俺は立ち上がるなり。

駆け出して。

俺はその場から逃げた。

堪らん。


「逃げた.....」


「逃げたね.....」


「.....」


3人から各それぞれ。

逃げられた。

という感じの声がしたが。

これ以上、教室に居たら呼吸が停止しそうだったからな。

俺はその様に思いながら。

教室から逃走した。

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