第24話
3月になった。
様々な未来を目指して、先輩方が羽ばたいて行った様な。
この学校の静かな卒業式が終わった。
山崎は居なくなる先輩方に涙し。
俺達も若干に寂しさを感じながら。
卒業式を過ごした。
そして在校生は一気に減り。
新入生が入って来る。
「何だかなぁ」
3月12日。
卒業式から一週間が経過した、火曜日。
所謂、火曜日はなんかちょっと〜。
という、火曜日。
俺は呆然と外を見つめていた。
街路樹を見る。
もう直ぐ桜が咲く感じだ。
あ、桜ってそっちじゃねーぞ。
「ネムネムネム.....」
「何やってんの。飯島」
日に焼けた褐色肌に。
胸元の日焼けしてない鎖骨を見せて。
その部分が特徴的ですよ。
と言わんばかりの。
ブレザーを着込んだ、ポニテ?に変えたのか。
分からないが、ポニテの黒髪の女の子。
山崎である。
俺を見て、口をへの字にして。
腰に手を当て、立って居た。
俺はそんな山崎を見てから、外を見遣る。
「.....ネムネムモード.....だ.....山崎」
「もー。そんな事を言って。次の授業、寝ないでね?クラス委員として大変だから」
「.....お前さ。クラス委員としてクラス委員として言ってるけど、俺ばっかりに構ってね?どういう事よ」
この言葉を放った瞬間。
なっ!
と、言って。
真っ赤に頬を染める、山崎。
そしてそっぽを向いて、唇を尖らせる。
む、今日は柑橘じゃなくて、オレンジの甘い香りが。
って言うか。
意味分からん。
何でそんな顔するのよ。
俺も恥ずかしいよ。
「.....そ.....そんな事.....ないもん」
「.....」
そうすか。
俺はその様に赤面で思いながら。
時計を見る。
時刻は授業開始1分前だった。
「.....山崎。そろそろ座った方が良いんじゃないか?」
「.....あ、そうだね。座ろ。.....寝んなよ?飯島くん」
「やかましいわ」
拳をコツンとぶつけ合って。
そして山崎はウインクで、座った。
俺はそれを見届けて、教室のドアを見る。
何故か、担任が居た。
え?
ちょっと待て。
アイツ、化学担任だろ。
次の時間は古典。
化学じゃねぇ。
他のクラスメイトも不審に思っているのか。
顔を見合わせて。
話している。
ガラッ
「.....席に着けー。授業とは関係無いが、今来た、このクラスの転校生を紹介するー」
「「「「「えー!!!!?」」」」」
クラスメイトが大騒ぎ。
ってか、うるせぇよ。
俺はその様に思い。
前髪を見つつ、外の桜を見て、欠伸した。
転校生なんて。
どうせ男だろうし。
俺には知ったこっちゃ無い。
「「女の子か!?」」
「「いや、男の子だと思うわ!」」
ウルサイ.....。
その様に思いつつクラスメイトの奴らを睨む。
すると、転校生がこのクラスに入って来る直前だった様で。
担任が教室のドアの方向を見ていた。
俺も窓の外の桜から仕方が無いと目線を外して。
その転入生とやらの顔を拝む準備をした。
そして静かに、転入生は入って.....って。
カツカツカツ.....。
「.....うわ.....滅茶苦茶に可愛い.....」
「.....本当に綺麗.....」
「.....スゲェ.....」
クラスメイトはその様に話す。
だが、確かにその通りだ。
流石の俺も、見惚れた。
滅茶苦茶な美人がそこには居たから。
校則に反する事無く、学校側が喜ぶぐらいにキチッと制服が着られ。
黒縁の眼鏡を掛けて。
髪は腰まで有る、長い髪。
更に小顔で。
目は眼鏡を取っても大きいだろうと言えるぐらいに大きく。
鼻もそれなりに、外国人みたいに高い。
だが、それで居て。
清楚な感じを醸し出している。
が、ここで俺は疑問に思う。
何か1つ気になる。
先ず、何故、3時限目に学校にやって来るのだ。
「.....早坂ひなた.....です.....宜しくです」
その様に、自己紹介をした、美少女の女の子。
かなり弱々しい自己紹介。
まるで、病気だと言わんばかりだ。
「早坂は病弱だ。それで時間が遅くなった。ま、みんな宜しく頼むよ」
その様に。
担任は話す。
そして、クラスが湧いた。
その中で。
「.....」
「.....?」
早坂と目が合った。
約十秒間見つめられた気がする。
俺はその事に、クエスチョンマークを浮かべた。
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