第15話

王様ゲーム。

基本的に、クジを引いてから。

王様誰ー、的な全員の掛け声と共に、王様を探す。

そして、王様は●番の奴が●番にこうする。

などの命令を出す。

指名された者は、だーれだ。

的な感じの掛け声を掛けてから名乗り出る。

そして任務を遂行した後、クジを回収するのだ。


「.....じゃあ、どうします?」


「なら俺がクジ作るか。爪楊枝で」


「えー?飯島怪しいから、桜作ってよ」


顔をへの字に八重歯を見せる、山崎。

いやいや。

怪しいっちゃ何やねん。

俺は何もしねぇよ。

思いながら、俺は山崎を若干赤い顔で眉根を寄せ、見る。

山崎はこれに対して手をパタパタさせた。


「あはは!冗談だよ。.....だけどね。こういうのはレディファーストだよ。飯島」


ふーむ。

そんなもんかね。

俺はその様に思いながら。

横に居る、桜を見た。

桜は爪楊枝に対し、鼻歌交じりでマジックでクジを作っている。

だが、制作は簡単だったのか、直ぐに声を上げた。


「出来たよ。兄貴、皆さん。ささっ。引いて」


山崎と栞は直ぐに引いた。

って言うか。

何よりも桜が一番楽しんでいる様な気がするな。

俺はその様に口角を上げて、思いながら。

クジを引くと、ハズレだった。

じゃあ誰だ。

王様は。


「いきますか。王様はだーれだ!」


「王様は誰だ?」


その声に、褐色の手を上げて、山崎が嬉しそうに反応した。

滅茶苦茶にラッキー的な顔をしている。


「やった。私だよ!.....えっと、じゃあね.....飯島。私の事を名前で呼んで」


「ああ!?」


「!!!!?」


桜が固まる。

栞は苦笑していた。

小っ恥ずかしいんだが!

俺は下の名前で呼ぶ事はあまり無い。

それも女子の名前を呼ぶのかよ。

俺は赤面で頬を掻きながら。

口を尖らせた。

王様の命令は絶対と言えるので。

仕方が無い。


「.....ゆ.....ゆう?」


「.....」


山崎は俯いた。

いや、何でコイツ、赤面してんだよ。

コイツが言い出したんだろ。

恥ずかしいのか?


「.....兄貴。デレデレしないで」


「.....は、はい」


桜に説教を受けて。

俺は身を退いた。

しかめっ面の桜の手の中に王様ゲームのクジが戻され。

そして手の中でシャッフル。

それから、クジをまた俺達は引いた。

すると、またハズレた。

今度は誰だ?


「王様だーれだ.....」


「.....私だ.....」


桜が控えめに声を上げた。

俺はそうなのか、と思いつつ。

桜を見ていると。

俺をチラ見して、そしてモジモジし始めた。


「じゃあ、兄貴.....ひ.....ヒジャ.....」


「.....あ?」


「.....ヒジャマクラ!!!!!」


俺達は驚愕した。

滅茶苦茶に舌を噛んだな。

俺はその様に思う.....って。

なにぃ!!!!!!!!!?


「.....膝って.....おまっ!!!!?」


「膝枕をするの!」


山崎がその手があったか!と悔しそうに(?)している。

ってか、何でそんな恥ずかしそうな顔をしているのに膝枕とか言ってんの!

なんて勢いのある言葉だよ!?

膝枕だと!?

マジで!?


「.....何でそんなに恥ずかしそうにしているのに膝枕なんか.....!」


「これも彼氏との間には必要だもん!私は.....兄貴で練習したいんだもん!」


「.....いや、だからと言って.....山崎や.....栞の居る前でって.....!」


公開処刑ジャネーカ!

俺はその様に真っ赤で思いながら。

膝枕の用意をし始めた真っ赤なトマトの様な桜を見た。

蒸気が上がる様な。


「.....さぁ。覚悟を決めて!兄貴!」


バンバン太ももを叩く、桜。

耳まで真っ赤である。

俺はタジタジした。

何なんだコイツら!?

今日、なんか積極性があり過ぎじゃね!?


「.....くそう.....!」


だが.....だが、だ。

王様の命令は絶対だ.....煩悩を捨てろ。

飯島カイ!

煩悩を捨てるんだ.....!


「.....」


カッと見開いて。

全ての煩悩を捨て。

周りが見る中、ゆっくりと桜の膝に横になる、俺。

ヤバい、俺と同じシャンプー使っている筈だが。

猛烈に良い香りがする。

俺と兄妹の関係じゃ無い事を完全に証明している。


ふにゅん。


「ふ.....ふぁぁん!」


とんでもない声を出すね!

お前がやっといて!

ってか、あの。

太ももの柔らかな感触が、何かがヤバいんですけど。

マジでヤベェ!

恥ずい!


「兄貴!その.....息が.....ハァン.....ううん.....」


「.....」


変なうめき声と。

太ももをモジモジさせて、恥じらって指を口に咥える桜さん。

俺は即刻で起き上がった。

寝れるか!こんなん!


「.....」


いかん。

マジで男の理性がぶっ壊れそうだった。

俺は赤面でハァハァと言いながら。

クジをかき集める。


「.....つ.....次.....をするぞ.....」


ってか、もう王様ゲームじゃねぇよこれ。

公開処刑ゲームだよ。

俺は思って、提案をした。


「.....そして、ルールを決めようぜ。お前ら.....」


「.....ルール?」


おやつをモグモグと可愛らしく食べている栞がクエスチョンマークを浮かべた。

至って平然だな!栞は!

思いつつ、俺は頷く。

そして俺は立ち上がって。

電話の側に有った、メモ帳を持ってきた。

ペンも同様に持ってくる。


「この紙に自分がやりたい事を書け。そしてランダムに決めよう」


「.....えー.....」


残念な感じを見せる山崎や、桜。

俺の心臓が持たんからな!

何でか知らないけど、山崎とか、が俺ばっかりを指名してくるし!

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