第12話 1節 アトランティスの最期(11)
「おー、時間をさかのぼっている間に、島が大きくなってきたぞ。やっぱりあの島はアトランティスだよ」
ロンもアトランティス大陸伝説に強い興味を持っている。
「仕方ないね。ちょっとだけ、あの島がアトランティスか見てみようよ、サーヤ」
ミウが言うと、サーヤが笑顔でうなずいた。
「じゃあタリュウ、あの島に行こう」
ヒロの合図で、皆を乗せた竜たちがアトランティスと思われる島に近づいた。
「ここは、どこなの?遠くに山が見えるけど・・・」
マリが、島のはるか遠くに見える陸地を指して言った。
「遠くに見えているのは、多分ジブラルタル海峡の南側にあるモロッコの山だよ」
ヒロは最初に島が現れた時から、地図で見たことのあるヨーロッパとアフリカの間だと気付いていた。
「あれっ、西の方にもう一つ島が見えるよ」
サーヤが見ている島は、こちらの島と同じくらいの大きさだ。
「アトランティスって、1つの大きな島だったんじゃないのか・・・」
ケンが首をひねって、つぶやいた。
「もっと過去にさかのぼれば、海面が低くなって西の方の島とこの島がつながって大きな島になるかも・・・」
ヒロがそう言うと、ケンは納得したようだ。
「さあ、島に着いたよ」
タリュウの合図で、丘の上の林の中にみんなが現れた。
林の中から丘の頂上を見ると、広場に神殿が建っている。
それはギリシャのパルテノン神殿に似ている。
「あの神殿は、インドのカンベイ湾に水没した超古代都市の神殿にそっくりだね」
ミウが言うと、ヒロが答える。
「ブラフマーさん達が、神様としてまつられている神殿だね」
超古代都市に行っていないマリが首をかしげる。
「ブラフマーって誰?」
そのとき、遠くから話し声が近づいてきた。
「あなた達はどこから来たのですか?」
あごひげを
後ろに八人の男達が立っている。
「すごく繁栄している王国があるといううわさを聞いて、東の国からやって来ました」
とっさにヒロが答えると、中年の男は苦笑した。
「繁栄していたのは遠い昔のことだ。これまで何度も津波と
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