第8話 1節 アトランティスの最期(7)

ヒロたちが乗ったタリュウを先頭に、ジリュウ、サブリュウ、シリュウが影宇宙かげうちゅうの中を上昇して、五百年前のインドの山奥に来た。


「あっ、急に何も見えなくなった。以前、サーヤをさがしていた時と同じだ」


ヒロは、この時代の影宇宙と宇宙の間は行き来ができないと、竜の母親が教えてくれたことを思い出した。

「どうすれば、インドのばあちゃんとハンゾウに会えるのかな?」


*** それは、おいら達の母さんに聞けばわかるよ・・・

タリュウが答えると、ジリュウとサブリュウが続ける。


*** だって、おいら達の母さんが、インドのばあちゃんを・・・

*** 三年前に奈良からここに連れて来たんだから・・・


シリュウがあちこちに向かって、大声で叫んだ。

*** 母さーん!どうすればいいのー?・・・


しーんとして、何も返事がない。


「父さんが、インドのばあちゃんを安全なところにかくまっているから、ばあちゃんに呼びかけたらいいんじゃないか」


ヒロが、ミウとケンに明るい顔を向けると、ミウが答える。

「呼びかける前に、ヒロの千里眼でインドのばあちゃんとハンゾウを探してね」


ヒロが、じいーっと前方を見つめて、合図をするとサーヤが呼びかける。

「おばあちゃーん、ヒロとサーヤが会いに来たよー」


「ああ、天からサーヤの声がするよ・・・ヒロも来てくれたんだね」

インドのばあちゃんが答えると、影宇宙の出口が開いて、サーヤ、ヒロ、サスケが現れた。


続いて、ミウ、マリ、カゲマル、ヒショウ、ケン、ロン、そしてコタロウが現れた。

「あらまあ、大勢で来たんだねえ。みんなに会えてうれしいよ」


インドのばあちゃんは、大きなゾウのハナから降りてきて、サーヤとヒロを抱きしめた。

「サーヤもヒロも大きくなったねえ」


大きなゾウのハナの後ろから、若いゾウがサーヤに近づいてきた。


「あー、ハンゾウ!会いたかったよ・・・わあ、ずいぶん大きくなったね」

サーヤがハンゾウに駆け寄り、顔をすり寄せてハンゾウの頭を何度もなでた。


「久しぶりだな、ハンゾウ、力比べをしようぜ」

強い動物が好きなケンが、ハンゾウの頭を両手で押すと、ハンゾウが長い鼻をケンの腰にまわして持ち上げた。

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