第6話 1節 アトランティスの最期(5)
夕方になって、ヒロとサーヤが、ばあちゃんの家から出てきた。
「ばあちゃん、おにぎり美味しかった。保存食もたくさん作ってくれて、ありがとう」
ヒロが愛犬のサスケを連れて家の前の道に出ると、ばあちゃんがヒロとサーヤに声をかけた。
「保存食は、少しずつ食べるんだよ。母さんに会ったら、早く一緒に帰って来なさい」
「はい、ばあちゃん、二三日で戻るから、心配しないで待っててね」
サーヤが、ばあちゃんの両肩をやさしく
ヒロとサーヤは、マリの家に向かった。
マリの両親が、納得してくれるか気になっていたからだ。
「ミウが説得してくれたから、お母さんとお父さんが許してくれたよ」
ちょうど家から出てきたマリが、サーヤとヒロに思いっきりの笑顔を見せた。
「マリは楽天的過ぎるから、お父さんとお母さんが心配するんだよ」
マリの家から出てきたミウが、愛猫のカゲマルの頭をなでながらマリに笑いかけた。
「おーい、みんなそろってるかー?」
ケンがペット猿のコタロウを連れて、こちらに向かって歩いてきた。
「ロンは、両親を説得できたのかな?家に行ってみようか?」
そう言って、ヒロが歩き出すと、みんなそろってロンの家に向かった。
ロンの家に着くと、玄関でロンと両親が話し合っている。
「
ロンが両親に向かって説明すると、母親がロンの目を見つめて話しかける。
「そんなことを
「タカハシ先生に教えてもらったのかい?中学生の頃はコンピュータに夢中だったのに、高校生になって宇宙に興味が移ってしまったな」
ロンの父親は、夕暮れの空を見上げた。
ロンの父母は共同でIT会社を経営している。
父は理論的で、母は芸術的という夫婦だ。
父は忍者だが、母はそうではない。
「とにかく、ヒロやケンたちと一緒だから、心配しなくて大丈夫だよ」
ロンが明るい笑顔を作って両親を見つめると、父親はため息をついて言った。
「確かにヒロたちは、影宇宙を通って過去に行き、サーヤを連れて現在に帰ってきたから、今度も無事に帰ってくるだろう」
「そうです。大丈夫ですよ、ロンのお母さん」
ヒロがロンの両親に近づいて、声をかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます