リザの真相

第8話 ウソ

「今の内に言っておかないといけないことがある。」

「なに?母さん。」「なんだ?」

「リザは、ロボットじゃないの。」

「どうゆうこと?」

「リザは、以前に死んだ人間。」

「はい?」

「リザは元々人間だったの。」

母さんはその内容を詳しく教えてくれた。


リザの本名は宝田沙耶なの。2年前に亡くなったあなたの妹。沙耶はクローンの1人。被験体に選ばれてしまったの。彼女は快く引き受けてしまった。もちろん私は反対したのだけど、国には逆らえなかった。そして実験は失敗。沙耶は最後に

「私が死んだらサイボーグでもいいから生き返らせてください。」

と言った。

「もちろん。」と答えるしかなかった。でも、生き返らせて上げられる可能性は約0.0009%。しかも多く見積もっての話。実験で死んでしまった沙耶の記憶を移そうと頑張ったけど、一部しか残ってなかった。私にはどうすることも出来なかった。その時に来たのが佐々木 照史(ささき てるし)だったの。

彼は私の手伝いをしてくれた。私よりも腕は良かった。なのに私や周りばかりが昇進していった。きっと佐々木くんが、ほかの人の手柄にしていたんだと思うわ。そして佐々木くんは何者かに殺された。きっと沙耶生き返らせられると嫌な人間が上層部にいるはず。でもリ起動している時にはこの話は出来ないの。だから今話したのだけど、きっと上層部にも再起動したログが残る。きっと支援も止まる。だから今の内に買い物をしてしまって、リザを消去する。

――そうしないと私たちが殺されてしまうから。


「いい?今から準備してリザが再起動する前にここを出てく。」

「リザは、俺の妹なのか?」

「リザにはその記憶が無いから妹であり、そうではない存在なの。」

「よく分からないんだけど・・・」

「後で説明するから。」

「分かった。」

母さんはリザとの通信装置を分解していた。

「早く乗って。」

「了解。」「分かった。」

「出すわよ!」

『それじゃあ、ナビ機能を出しますね。』

「うん・・・って」

「「なんでリザがいるんだ!?」」

『大丈夫です。私はハッキングされていないリザですから。』

「そうなの。なら良かった。」

『そして、私は宝田沙耶でもあります。』

「知ってたの?」

『記憶はありました。全部。』

「じゃあ無いふりしてたの?」

『うん。お母さん。』

「そう。」

『浩平兄ちゃん・・・』

「沙耶なのか・・・」

『うん。』

隣でジジイが泣いてるせいで全く感動できない・・・

「いい話じゃないか・・・」

「そう言えば、名前なんなんですか?」

「俺の名前はな、皆川大輝だ。」

「あなたは俺の父親じゃ・・・?」

「あれは嘘だ。」

「突き落としますよ?」

「それはやめてくれ・・・!」

「すべて話してください。大輝さん?」

「あぁ。もちろんだ。」

俺は彼が恐るべき秘密を握っている人物であることを知らなかった。

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