ありえない仕事

第7話 仕事しないの?

最初の相手は亀だった。

「相手って・・・これ?」

『はい。そうです。』

「亀だよね・・・?」

『正確にはPelodiscus sinensisですけどね。』

「何それ・・・?」

『スッポンですね。』

「スッポンって鍋に入れるあの?」

『それとこれは違います。』

「違うのか〜」

「なんで残念そうなんだ・・・?」

「あんたが倒したら食べようと思ってたから。」

「食い意地張りすぎだ!」

「面白くないよ〜?」

「そうゆう問題じゃないの!」

「なら、どうゆう問題?」

「言いたくない。」

「言わなきゃわかんないんだけど・・・」

「分からなくていい。」

「んな事言われてもな・・・」

「困るって?」

「そう。」

「知るか!」

「知るか!じゃねぇよ!」

「だって〜あんたみたいなジジイに教えたくないし〜」

「まだジジイじゃねぇ!」

「40超えてるからジジイでしょ。」

「40代の皆さんに謝れ!」

「50代はいいの?」

「はっ!」

「失言だね〜引っかかったね〜」

「この〜クソガキ〜」

「高校生はガキじゃありません〜だ。」

「お前に関してはガキだ。」

「この・・・!」

ひたすら殴っても当たらない。

「その元気があるなら亀にやれよ。」

「だってスッポンだし・・・」

「だから?」

「噛みつかれたらやばいじゃん。」

「だから?」

「いい加減にしろ!」

「じゃあ、一緒に殺る?」

「いい加減の意味が違う!」

「だから?」

「もういいわ!」

『良くないと思いますが・・・』

リザは的確なことを言ってきた。

『早く仕事終わらせてくれませんか?』

「はい。」

「もうちょい話したかったんだが?」

『はーやーくーシーゴートーを』

「分かったから。」

『そーれーだーけーでーすーむートーデーもー?』

「後でメンテナンスしてあげるから。」

『メンテナンスより、ドーナツ買ってきてください。』

「お前は食べられないのにか?」

『明子さんにあげてください。』

「お前・・・」

浩介は目をうるうるさせてることからおれはこう想像したのだろうと予測した。

――なんて良い奴なんだ。俺と明子との仲を・・・

きっとそれをリザも予測したのだろう。

『仲良くさせるためではありませんよ?』

「・・・?」

「・・・違うの?」

「まぁいいや。」

父さんがドーナツを買ってきて母さんに渡すと

「誰から私がドーナツが好きだって聞いたの?」

「リザからだが?」

「リザ、どうゆうこと?」

『私はドーナツが嫌いであると言いましたけど?』

「リザは言っていないって言ってるけど?」

「リザが嘘をついてる!」

『私に嘘がつけるとでも?』

「私は思わないけど?」

「思いっきり嘘なんだが!?」

「そう、貴方が嘘をついてるのを認めるのね?」

「違う!!」

「とりあえず、あなたからシバきますから。」

「まて!落ち着け!」

「落ち着いてます。」

『明子の精神状態は問題ありません。』

「お前らな!」

「とりあえず、牢獄にぶち込んどいて。」

「やめてくれ!」

流石に可愛そうになったので

「リザが母さんがドーナツが好きだって言ってたよ?」

「そうなの?」

『気のせいだと思いますよ?』

「本当に言ってたよ!」

「リザ、強制再起動。」

『なんでですか!?』

「いいから。」

『わかりました。』

再起動には30分かかるらしい。その間に母さんはとんでもないことを再び言った。

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