急速熟成法
過去にだけ行けるタイムマシンが開発された。
もちろん帰ってくるときはスイッチを切って、自然な時の流れに身を任せなければならないから、遠い過去へ行けば行くほど、乗組員が過去から現代に戻ってきたときには、そのぶんだけ年をとってしまっているのだ。
「これでは遠い過去には行けませんね」研究助手が残念そうに言った。
「しかし、別の利用法があるじゃないか」教授がさほど気落ちするでもなく笑いながら言った。
「このタイムマシンに新しいワインを入れて、自動運転で過去に送れば、あら不思議、一瞬にして年代物のワインのでき上がりじゃ。こいつは儲かるぞ。わはははははは」
この人にずっとついていこう、と助手は心の中で密かに決意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます