第1話 ようこそ魔王温泉へ3 ~潜入!丸秘宝館~
○朝・国営旅館
ナナ「ワカーナ殿が戻っていない?」
ツーリス「えぇ、そうなの観光センターにも確認したんだけど昨日の夜にお店をでた後行方がわからないの」
フィメナ「どこかに泊まっているのでは?」
ツーリス「あのコ、外泊するときは必ず連絡くれたから。 あちこち確認してるんだけど泊めたっていうところもないのよ……、心配だわ」
ナナ「ならばわらわが探してくるのじゃ、会う用事もあるからの」
ツーリス「ホント? 助かるわ」
ナナ「皆もそれでよいか?」
ショーコ「全然OK」
ダン「というか」
ユウ「他に目的もないでしょ?」
ハル「そっか、あのモンスターの事を聞かないといけないんだね」
ツーリス「そうね……、お山にモンスターが出るなんて知らなかったし、旦那さまも知らないしね」
○
フィメナ「では行ってまいります」
ツーリス「うん……、やっぱりワタシも行くわ。 心配でしょうがないわ」
フィメナ「しかし旅館の事は」
ツーリス「あら、それなら旦那さまが全部やってくれるわ。今日はね」
「なんじゃとー!?」
皿洗いをしているオキーナが奥から叫ぶ
ツーリス「あら、今日はいち従業員として働くって決まりましたわよね旦那さま?」
「まさかホントに丸一日か!?」
ツーリス「あらあらご冗談を、それともまだ『説明』が必要ですか」ゴゴゴ
「……イッテラッシャイマセ」
ツーリス「ではみなさん参りましょう」
ツーリスは皆と共に出かけて行った。
洗い場からオキーナの愚痴が聞こえる。
「はぁ、嫁に来たときは出来た姫が来たと思ったが……。ワシには出来すぎたの」
○観光列車
ガタンゴトンガタンゴトン
フィメナ「で? なぜ貴方も居るのですか?」
レイス「やだなぁ。旅は道連れ世は情けっていうじゃありませんか、ワタシも手伝いますよ」
ツーリス「あら、助かるわ」
ユウ「助かるかもしれないけど、貴方他にすることはないの?」
レイス「ないですね~、今のところは」
フィメナ「大丈夫かな……」はぁ
ツーリス「いいじゃない。人数は多い方が早く見つかるわ」
ショーコ「ねぇツーリスさん、聞いてもいいですか?」
ツーリス「なぁに?」
ショーコ「年齢からみてワカーナさんってツーリスさんとは血縁はないですよね?」
ツーリス「そうよ、旦那さまの以前の奥様のご子息ですから」
ハル「以前の奥さんってどうしたの?」
ツーリス「ワカちゃんが小さい頃に亡くされたの、旦那さまもそのことで随分苦労されてて。それでわたしが旦那さまに嫁ぐことになったのよ」
ナナ「それで姉上は良かったのか? わらわは姉上が居なくなって寂しかったのじゃぞ、姉上は寂しくなかったのか?」
ダン「ナナ……」
ツーリス「もちろん寂しかったわ、知らない国ですしね。 アナタ達と離れるのはとても辛かったわ……でも、父上が決めたことですから」
ナナ「姉上」
ダン「……(政略結婚か)」
ツーリス「でも全然悪い事ばかりじゃなかったわ、ワカちゃんが色々よくしてくれたから」
ショーコ「その頃ってワカーナさんは何歳ぐらいでした?」
ツーリス「そうねサンちゃんと同じぐらいだったから10歳ぐらいね。……だからかしら姉弟といるようで寂しくなかったしこの国にも馴染むことができたわ、ホントワカちゃんが居て助かったわ」
フィメナ「そうだったんですね、だったら早くワカーナさんを見つけないと」
ハル「そうだね、無事だといいけど」
ナナ「大丈夫じゃ。サン兄ぃみたいにそのへんからひょっこり帰ってくるかもしれんしの」
ツーリス「そうね、やだわ心配し過ぎよねわたし」ウフフ
ユウ「……」
ショーコ「どうしたの?」
ユウ「ん? いやね……ワカーナさんも複雑なのかもしれないなぁって」
ショーコ「あ~そうね、ユウもフクザツですもんねハルさんと」ニヤニヤ
ユウ「もう、私は整理できてるの今は違うわ」
ショーコ「あら~そうなの? でも昨日は惜しかったんじゃない? 絶好の既成事実をつくるチャ」
シュ
ユウのアイアンクロー! ショーコの頭を締め付ける
「あさイチデスカー ギャアアア」
ハル「ちょっとユウ!?」
ユウ「パパ気にしないで、ダン……ちょっと」クイクイ
ユウはダンに合図を送る
ダン「……ハルさんちょっとレイスさんの所にいきましょうか」
ハル「え?」
ユウ「ちょっと女子同士の話があるから、ちょっと席を外してね」
ハル「うん? わかった」
ショーコ「つぅー、無言かつ速攻でやらないでよ。心の準備が出来ないじゃない」
ユウ「余計なこと言うからよ まったく」
ショーコ「でも湯上りでツルツルモチモチのハルさんは可愛かったわよね、食べちゃいたいくらいに」
ユウ「ショーコ……まさかアナタ」ゴゴゴ
ショーコ「!? まって今のは言葉のアヤで、違うって」
○
ハル「ユウはホント、ショーコちゃんと仲がいいんだね」
ダン「……そうですね」
レイス「いやまったく、若い女子がじゃれ合う光景もまたいいものですね」フフフ
ダン「じゃれ合うってレベルなのか?」
「おぉお 荒ぶる娘よ鎮まりたまえ」「誰が荒ぶってるっていうの」
ハル「そういえばショーコちゃんが言ってたキセージジツって何?」
ダン「いやそれは……」
レイス「あぁーそれはですねー」ニコニコ
ズドン!!
レイスの持つ杖に電撃が走り杖の頭部が消し飛んだ
シュー
ユウ「そういえば……もう一人居るのよね、余計なのが」ゴゴゴ
レイス「……えーと」
ダン「……(怖ぇ)」
ハル「……ユウ さっきからどうしたの?」
「終点~、観光センター前、観光センター前」
ユウ「あら、もう着くわ降りる準備はいい?」
レイス「そうですね、降りましょう。ね」
ハル「え? ちょっと」
ダン「降りましょうハルさん」
ハル「あ……うん」
ガヤガヤガヤ
○駅前
聞き込みを終えた一行は再び駅前に集まった。
ショーコ「観光センターの人も監査に出たっきり見てないって」
ツーリス「やっぱりあっちのお店を最後に監査したそうよ」
フィメナ「駅の方に確認したが終電にはのっていなかったそうだ」
ナナ「うーむ、姉上最後の店を出てどっちに行ったかはわかるかのう?」
ツーリス「お店の人が見送った時は駅に向かっていたそうよ」
レイス「だったらあのお店から駅までの間で何かあったのですかね」
ユウ「じゃあ」
グラグラグラッ!!
「ワアアアアーー」「キャア――」
地震だ!
○
ナナ「おぉ、揺れたのう」
フィメナ「け、けがはないですか。おおナナナーシャ様」ガクガク
レイス「大丈夫ですか? フィメナさん、……まさか地震が怖いとか」ウププ
フィメナ「貴様、何をバカなことを……」プルプル
ナナ「無理するでない」
ショーコ「いやーん。怖かったわ~ダンくーん」ベッタリ
ダン「……あ、はい」
ツーリス「この辺りは地震が多いのよ、お山が近いですからね」
ユウ「そうなのね、驚いたわ」ギュウウウウ
ハル「くるしいよ。放して」
ユウはハルを抱き込んでいる
ユウ「あ ゴメンパパ」
○
「ギャアア」「イヤアア」「バケモノーーー」
ショーコ「バケモノ!?」
ナナ「モンスターか? よしいくぞ皆の衆」ダっ
フィメナ「お待ちください」ガッ
走りかけたナナをフィメナが引き止めた。
ナナ「なんじゃ!?」
フィメナ「出たのが例の炎のモンスターではナナーシャ様では太刀打ちできません、それよりもワカーナさんを見つけるのが先決でしょう?」
ナナ「しかし」
フィメナ「ツーリスさん達は安全な所ででワカーナさんを探しててください」
ツーリス「わかったわ」
フィメナ「ダン君、ナナーシャ様を頼む」
ダン「分かりました」
ダンはナナを軽々と抱き上げる
ナナ「こらダン、放すのじゃ」
フィメナ「ユウ君もいいか?」
ユウ「いいわ、さっさと片付けましょ」
フィメナ「よし行くぞ」
レイス「いってらっしゃーい」
フィメナ「貴方も来なさい、戦えるでしょうが!」
レイス「ええ~~」
フィメナはレイスを引きずっていった。
ユウ「パパ気をつけてね。ダン、ナナとパパに何かあったら許さないわよ」
ダン「わかってるって」
ハル「え? ちょっと」
ショーコ「アタシの心配は?」
ユウ「する必要ある?」
ショーコ「ひどぉい」
ユウ「じゃ後で」
タタタ
ユウ、フィメナ、レイスはモンスターを倒しに向かった
○
ツーリス「それじゃあどうしましょう」
ダン「もう一度観光センターから歩いてみます?」
ツーリス「そうね」
ナナ「ならばわらわ達は駅から歩いてみるのじゃ」
ツーリス「そうね じゃあナナちゃんは駅からお願いね」
ナナ「うむ、よしダンは姉上について行くがよい。わらわはハルと行くのじゃ」
ダン「いえ俺はナナと行きますよ、フィメナさんから頼まれてますから」
ナナ「むぅ、しかし姉上を1人にするのものぉ」
ハル「じゃあ僕が」
ナナ「ダメじゃハルはわらわと居るのじゃ」
ハル「そうなの?」
ツーリス「あら? 別にわたしは一人で大丈夫よ。みんなはのんびり探していて」テクテク
ナナ「姉上」
ショーコ「わかったわナナ。アタシがツーリスさんについてくから」
ナナ「うむ、いつもスマンのショーコよ」
ショーコ「あとで話してよ~」タタタ
ショーコはツーリスと一緒に観光センターに向かった。
ハル「話?」
ダン「どういうことだ?」
ナナ「女子同士の話じゃ、首を突っ込むのは野暮じゃぞ」
ダン「はぁ……」
ナナ「それよりダン。喉が渇いたのじゃ、なんぞ飲み物を買ってくるのじゃ」
ダン「だったらどこか喫茶店にでも」
ナナ「もう歩きたくないのじゃ、だから買ってくるのじゃ。気がきかんのう」
ナナは近くのベンチに座って言い放つ。
ダン「わかりましたよ」
ダンは飲み物を買いにいった。
○
ナナ「ふぅ、ちょっとハルも座るのじゃ」
ハル「うん」
ハルはナナと同じベンチに腰掛けた。
ナナ「ふぅー」
ハル「……ナナ、どうしたの?」
ナナ「のぅ、ハル……最近ダンがフィメナに似てきたのじゃ」
ハル「んーと、そうかな?」
ナナ「わらわの弟分なのにちっともそんな気がしないのじゃ、なんでかのう」
ハル「あぁ……(そういえばそんな事言ってたね)……仕方ないんじゃない? ダン君はナナより年上だし」
ナナ「まぁ、そうなんじゃろうけど……どれハルよ。弟成分を補給させるのじゃ」ぎゅう
ナナはハルを抱き寄せて、頬を擦りつける。
ハル「……弟成分って何?」
ナナ「ハルのような若輩者から発せられる癒し成分じゃ」ぎゅうぎゅう
ハル「じゃくはいものって……(40歳以上年上なんだけどなぁ)」
ナナ「うむ、ハルをぎゅうっとするのは心地よいの。やっぱりわらわの弟にならんか?」ぎゅうぎゅう
ハル「無理です」即答
ナナ「もう、皆いけずじゃのう」ぎゅうぎゅう
ハル「これでも僕……、パパなんだけどなぁ」ボソ
○登山道入り口
フィメナ「こいつらどこからこんなにも」
炎人達「ウオオオオ」
カップル観光客「キャアア 何コイツ!」「こっち来るな 熱っつ!」
炎人「ウオオオオ! リア充爆発しろリア充爆発しろ!」
モンスターたちは観光客に火球を投げつけている。
レイス「あらーてんやわんやですね」
ユウ「もー、これじゃあ魔法で一掃できないわ」
フィメナ「ほらレイス殿、避難誘導を早く」
レイス「はいはいはい、人使いがあらいなぁ」
炎人「ウオオオオ! 燃えろ爆ぜろここから居なくなれー!」
ユウ「いい加減にしなさい”雷斬り”」ズバァ
炎人「ボワアアア」
炎人を倒した。
「すごーい」「カッコイー」
パチパチパチパチ
観光客から拍手喝采があがる。
レイス「鮮やかですねー、コレで稼げますよ」
ユウ「ちょっと貴方」
ゴン
レイス「ぎゃふ!」
手甲がぶっ飛んできてレイスの顔面にクリーンヒットした。
フィメナ「何見物してるんですか! 誘導、早く!」
レイス「はいはいはい。痛いなぁ、もう」
○駅前
ナナ「それでのう、一度でよいからわらわを『お姉ちゃん』と呼んでくれぬか」
ハル「イヤです」即答
ナナ「もーハルはわらわが一度でよいから『お姉ちゃん』扱いされたいこの気持ちが分からんのか?」
ハル「それは……でも……ううん」
……ッ ……シロッ
ハル「あれ?」
ナナ「どうしたのじゃ?」
ハル「なんだろ変な気配と、音……ううん。声がする」
ナナ「昨日も似たようなことを言ってなかったの?」
ハル「そういえばあの時は……」
ハルは視線を巡らせて気づく。
ハルは歓楽街の角、閉店している丸秘宝館に目をつけた。
ハル「あれ? あそこって昨日は開いてたよね?」
ナナ「むぅ? そうじゃな、今日は休みかの?」
ナナ「怪しいのう」
ハル「うん」
○丸秘宝館
ガチャッ
入口は施錠されているらしく開かない。
ハル「やっぱり閉まってるね」
ナナ「ハル こっちじゃ」
ハル「こっち?」
ナナとハルは細い路地を通り抜けて館の裏側へ出ると職員用と思われる入口を見つけた。
ハル「裏口?」
ナナ「左様、ここから入るのじゃ」
ガチャガチャ
ハル「でも鍵が……」
ナナ「ほう鍵がかかっておるかの?」
ナナは胸元からピッキングツールを取り出すと。
カチャカチャカチャ……ガチャン
数秒で裏口を開錠した。
ナナ「この程度ではかかってないのと同じじゃ、不用心よのう」ニヤリ
ハル「そういえばナナ、そういうの得意だったね」
ナナ「うむ、王族の嗜みじゃ」
ハル「そうだったっけ?」
ナナ「とにかく怪しい館に潜入捜査じゃ」ワクワク
ハル「……(ナナ楽しそう)」
ナナとハルは丸秘宝館へ入っていった。
○駅前
ダン「ナナ、甘酒かお汁粉しかなかったですよ。どれにしま……」
しかし駅前には誰もいない。
ダン「あれ? ナナー、ハルさーん……いない」
―― フィメナ「王女は脱走癖がありますからね、絶対に目を離しちゃダメですよ」
ダン「どうしよう、フィメナさんになんて言えば……いやそれよりも」
―― ユウ「ダン、ナナとパパに何かあったら許さないわよ」
ダン「ヤヤヤバイ! ユウに殺される!! いや死んだ方がマシな目にあわされる」ガクガク
ダン「とにかく見つけないと、ナナ―! ハルさーん!」ドタドタドタ
○丸秘宝館・従業員用通路
テクテク
ハル「暗いねぇ」
ナナ「うむ、ここは従業員の通路かの。ハル、怪しい気配とやらはどっちじゃ?」
ハル「うん……あっちかな、誰か何か言ってるみたい」
ナナ「うむ、行くのじゃ」
テクテク
ナナ「こうしてると初めて会った時を思い出すのう」
ハル「そうだね、誘拐された時もこんな風に歩いたね」
ナナ「懐かしいの……と、ここから入れそうじゃ」
ギィイ
ナナは展示場へのドアを開けた
○丸秘宝館・展示場
???「」
ナナ「ぬ、誰じゃ」
ハル「うわっ」
返事はないただのろう人形のようだ
ろう人形「」
ナナ「なんじゃ、ただの人形か」
ハル「そうなの?、人間みたいだね」
ナナ「ふむ、ろう人形じゃな、よく出来ておる、動き出しそうじゃ」
ハル「ちょっと怖い事言わないでよ」
ナナ「おぉ、スマンスマン、ハルは怖がりじゃったな」
ハル「違うよ怖くないよ、ちょっと不気味だなぁって」
ナナ「うむうむ(強がるハルもまた可愛いモノじゃな)」
ハル「ほら、こっち早くいこ」
テクテク
○
ナナ「こう暗いと何があるのかわからんの」
ハル「そ、そう」ビクビク
夜目の効くハルはあまり人形を見ないようにしてナナを先導する。
ハル「な、何これ?」
ナナ「なんじゃコレは」
棒状のミイラのようなものが置かれており、説明書が展示されている
説明書『久志羅の珍宝』
ハル「……の珍宝、なんだろ読めない」
ナナ「わらわもじゃ、どこぞ遠方の国名かの」
ハル「どこかの国の宝なの?、何だか不気味な宝だね」
ナナ「そうじゃな、だからこそ珍宝なのかもしれぬな」
ハル「そうだね」
○
ナナ「雰囲気が変わったの」
ハル「うん、また人形があるね」
順路にそっていくつもの小部屋が再現されておりそのなかで人形が絡み合っている
ハル「何してるのこれ?」
ナナ「むッ!!」
ナナは何かに気づいた。
ハル「ナナ?」
ナナ「ううむ、わかったのじゃこれはな……遠方の国の殺人技じゃ」
ハル「ええ!?」
ナナ「聞いたことがある、その国では裸で戦う習わしがあってな、その殺人技を四十八手というそうじゃ、ほれ書いてあるじゃろう」
説明書『四十八手、宝船』
ハル「あ、ほんとだ」
ナナ「ここはその技を再現してあるということじゃな」
ハル「こんなにたくさん、コワイ国があるんだね」
ナナ「まったくじゃな、あまり見てはいかんぞ」
ハル「うん」
スタスタ
○
ハル「ここは?、たくさん人形があるね」
ナナ「なんと!?」
大部屋が再現され中ではたくさんの人形が絡み合っている
ハル「えっと、説明があるよ、乱……」
ナナ「まてハル、読んではならん」
ナナはハルの目を塞いで引っ張っていく。
ハル「なになに?」
ナナ「えーとそうじゃな……これは遠方の呪術の儀式じゃ」
ハル「え?、そうなの」
ナナ「そうじゃ、こんなものを人形とはいえ再現なぞしたら呪いがかかるぞよ」
ハル「ホント!?、コワイ」
ナナ「まったくじゃ、皆が入るのを止めたのも無理もない」
ハル「あ、ナナ、あっちに誰かいるよ」
目を塞がれながらハルは奥を指さす。
看板『特別展示室』
ナナ「……仕方ない、わらわが先にはいるから良いというまで待っておるのじゃ」
ハル「うん、わかった」
ナナは特別展示室へ入っていった。
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