第1話 ようこそ魔王温泉へ2 ~歓楽街といい湯かな?~
○歓楽街 入口付近
ガヤガヤ
ナナ「ほう、派手じゃのう」
ショーコ「結構な人混みね」
客引「お兄さんたち これからどうです? 2時間5千ぽっきりですよ」」
ダンとレイスが客引きに絡まれた。
レイス「そうですね~どうしますダン君」
ダン「え? いや……その」
フィメナ「レイス殿! ダン君は未成年ですよ」ゴゴゴゴゴ
ユウ「ダン~! 勝手に離れるんじゃないわよ」ゴゴゴゴゴ
客引「おツレさんが居ましたか、これは失礼しました~」
客引きは別の客に声をかけにいった。
フィメナ「何やってんですか、貴殿は聖職者でしょうが」
レイス「いやぁ~まぁ。その、今は破門もされてるしいいかなって」アハハ
ショーコ「ダメな大人……」
スカウト「君スタイルいいし美人だね~、どうウチの店で働いてみ」
ユウ「ハァア!?」ギロリ
「シツレイシマシタ~」
ハル「怖いよユウ」
ナナ「見事な瞬殺」
ユウ「ホントにもう、ほらパパはぐれちゃダメよ」ギュ
ユウはハルの手を握った。
ハル「あ、うん」
ガヤガヤ
○
ユウ「ふぅ、やっと人混みを抜けたわね」
ナナ「全員おるか?」
レイス「いますよ~」
フィメナ「まだ居たんですか。どうぞ独りでどことなりと行っていただいて結構ですよ」
レイス「そんなツレないこと言わないでくださいよ~」
フィメナ「日も暮れたし早く旅館に戻りますよ」
ハル「あ、まって」
ユウ「どうしたの?」
ハル「あのお店なんだろ? すごく怪しい気配がするよ」
ナナ「どれじゃ?」
ハル「ほら、あの角の所の……」
歓楽街へ入る角に館のような建物があり看板がかかっている
看板『魔王温泉 湯元丸秘宝館』
フィメナ「えっと……」
ユウ「あれはね……」
ハル「秘宝があるの?」
レイス「そうですね~あそこはオトナの秘宝が展示されてるんですよ~」」
ダン「オトナの秘宝?」
フィメナ「レイス殿!」
ショーコ「そうね、秘宝というかむしろ珍宝ね」
ハル「珍宝? 珍しいの?」
ナナ「ふーむ。たしかに怪しいのう」
ショーコ「でしょ~」
ユウ「ショーコ~」ゴゴゴゴ
「余計なことを言うなって言ってるでしょ」「タンマタンマ」
ハル「なんかヨロイの人が入っていくよ」
ガシャンガシャン
全身ヨロイを着た人が館に入っていった。
ユウ「……オトコってのは、まったく」
フィメナ「いいですか、あれは怪しさで商売してるような店ですから怪しくて当然です」
ナナ「そうなのか」
ダン「そうなんだ」
フィメナ「分かったら帰りますよ。ほら列車が来ましたから」
ユウ「ほら行くわよ」
ハル「うん……(あの人も変な気配だったような?)」
ユウ「はやく」
ハル「わかった行くよ」
○数時間後 国営旅館
ツーリス「お帰りなさい、遅かったわね」
ナナ「姉上、疲れたのじゃ」
ツーリス「はいはい。夕食は用意してあるから、食べたらお風呂に入ってらっしゃい閉めた後だから貸し切りよ」
フィメナ「ありがとうございます、こんな遅くに」
レイス「女将さ~ん。ワタシもいいですか?」
ツーリス「あら、レイスさんも遅かったのね いいですよ一緒にどうぞ」
ショーコ「知り合いですか?」
ツーリス「えぇここ数日ウチに逗留してるわ」
ユウ「ほらパパ起きて」
ハル「ぅん? ゴメン寝てた?」
ユウ「いいの、ご飯食べたらお風呂よ」
ハル「おふろ?」
ツーリス「えぇ、自慢の露店風呂よ」
○露店風呂 男湯
ハル「うわ~これ全部お風呂? 広いし星が見えるよ、スゴイ」
ダン「露店風呂ですからね。まずかけ湯ですよ、ハルさん」ザパー
ハル「うん」ザパー
ダンとハルは温泉に入る。
ダン「あ~、いい湯ですね」
ハル「う……うん(ちょっと熱い)」
ドタバタドタバタ
オキーナ「よし行くぞ」
レイス「来ました来ました」
オキーナとレイスが駆け込んできた
ザパ―ン ザブザブ
オキーナ「よし、ここだ」
レイス「まったく旦那も好きですねぇ」
オキーナとレイスが仕切り板に顔を張り付けた。
ダン「どうしたんですか? オキーナさんまで」
ハル「何してるの?」
レイス「しッ! 静かに」
「すごーい広ーい」「一番じゃー」「まず体を洗ってくださいナナーシャ様」
○女湯
ナナ「だったら姉上に洗ってもらうのじゃ」
ツーリス「あらあら、まだ洗ってほしいの?」
ナナ「久々によいじゃろう。姉上ー」
ツーリス「ふふ、しょうがないわね。洗い場はこっちよ」
ペタペタペタ
ユウ「……いいわね、ああいうの」
ショーコ「ホント。女将さん何食べたらあんなボインになるのかしら」
ユウ「そっち!?」
ショーコ「ちがった? でもナナがアレでお姉さんの女将さんがアレなら……、希望をもっていいよね。これからよねアタシもナナも」
ユウ「そうねー」
ショーコ「で? 何がいいの?」
ユウ「え? うん……最近パパを洗ってあげてないなぁって」
ショーコ「ゴフ」
ユウ「もう一年近くパパと一緒にお風呂入ってないわ」
ショーコ「マテマテマテ…… 去年まで一緒に入ってたの!?」
ユウ「そうよ、パパを洗うのわね。 こう……楽しいのよ、お肌スベスベだし髪もツヤツヤで、すごく耳は嫌がるんだけどね耳を洗うとね」フフフ
ショーコ「言うな……それ以上はいけない。それじゃあハルさんも逃げ出すわよ」
ユウ「何よ、私のせいだっていうの?」
ショーコ「……どっちもどっちかな。そろそろアタシも体洗お」
ユウ「あ よかったら洗ってあげるわよ、どう?」
ショーコ「遠慮します勘弁してゴメンナサイ」
ユウ「なによもう じゃあ私も……」
「……ォ」「……シャ!」
ユウ「……まってショーコ、こっち来て」ボソ
ショーコ「なに?」
○男湯
オキーナ「よっしゃピチピチギャルキター!」
レイス「この角度じゃ洗い場しか見えないんですよねぇ、あぁもう女将はまだまな板を洗っているんですか肝心なバストが見えない」
オキーナ「ふっふっふ、まだまだ青いのう。大きければよいのか?」
レイス「そりゃそうでしょ、大きい事は良い事です。何事でも」
オキーナ「だから青いというのじゃ。大きさよりも形じゃ、美しさじゃ。程よいふくらみとハリ、そう美乳こそ至高じゃ」
レイス「ぬぬぬ、嫁がいる貴方はそんなこと言えるんでしょうけど。独身のワタクシどもは眼で見て楽しむのがメインなのですよ。そのためには巨乳がマストでベストです」
ハル「ちょっとちょっと! 二人とも覗いてるの!?」
オキーナ「左様」 レイス「それ以外何をしろと」
ハル「そんなのダメでしょ、もー!」
レイス「分かりましたわかりました。後で交代しますから」
ハル「ちーがーう! そうじゃなくて、オキーナさんもツーリスさんが居るのにどうしてそういうことするの」
オキーナ「……ハル君よ。これは浪漫じゃ、そう男の浪漫なのじゃ。嫁が居る居ないは関係ないんじゃ」
ハル「もー! 信じられない!」
レイス「でもハルさんだって~。 ユウさんの成長を確認してみたくはないですか?」
ハル「な! ユウのって……、もう知らない。髪洗ってくる」
レイス「フフフ、オトシゴロですね」
ダン「いい加減やめた方がいいですよ。 本当にユウにバレたら何されるか、恐ろしく勘が鋭いですし」
レイス「またまた~、そんなコトいいながら順番待ちですか?」フフフ
ダン「いや……そんなつもりでは」
オキーナ「分かっておる、しばしまっておれ。さて……もう洗い場にいったかの」
レイス「おぉ、やっと洗い終える。もう少し……」
ピシューーッ!
オキーナ「ぐあああああああああああああああ」
レイス「めがあああああああああああああああ」
ザパーン
二人は覗き穴から眼にシャンプーを穿たれ湯船にひっくりかえった。
ダン「な!? どうしたんだ」
ユウ「ダ~ン~?」
仕切り板の向こうから声が響いてきた
ダン「ユウゥ!?」
ユウ「アンタ何してるの」ゴゴゴゴゴ
ダン「いや違う、俺じゃない。断じて!」
ユウ「へぇ、でも覗いてるオッサン二人を黙認はしてたのね?」
ダン「いや…その……」
ダンの脳裏に走馬灯が駆け巡る。
○少し前 洗い場
ハルが目を瞑って髪を洗っている。
ハル「……まったく僕はパパなんだよ、ユウの成長なんて……」ごしごし
ドキドキドキ
ハル「……あぅ。 僕はパパ僕はパパ僕はパパ……」ぶつぶつ
「グ゙アアアアア」「メガアアアアアアア」
ハル「なに!? あ!! 痛ったーーーー!」
叫び声に驚き、目を開いてしまったハルの目にシャンプーが沁みる。
○
「イッターー」
ダン「ん? ハルさんどうかし」 ユウ「”爆裂”」
ドカァン
爆風と共に分厚い仕切り板がダン達を襲う。!
バギッ!
ダン「ぐはっ!」ザブン ブクブクブク
ダンは気絶して湯船に突っ伏した。
ユウ「パパっ! どうしたの」タタッ
ユウが女湯から飛び出しハルの元にかけよる
ハル「いたた……。 って、え? ユウ!?」
ユウ「そうよ。どうしたの? シャンプーが目に入ったの?」
ハル「ちょっと、いや!? 大した事ないから。戻って戻って」
ユウ「本当? ちょっと眼を開けてみて」
ハル「……無理無理無理、今は開けれないから!」
ユウ「そんなにひどいの!? いいから見せて」ムギュウ
ハル「ユウ!? ダメ、放して」ドキドキ
ユウはハルを抱きかかえ目を開けさせようと顔を覗きこんでいる。
ユウ「パパ、ほら力抜いて。ゆっくり……」
ハル「あうあう……」ドキドキドキ
ユウ「ほら、少しお湯かけるわよ。ね」ザプ
ハル「はうはう……はわ?(あれ意識が……)」クラッ
ユウ「ちょっと、パパ? パパ!!」
ハル「……」くたー
ハルはのぼせてしまった。
○
ショーコ「あーあ、やっちゃった……。死屍累々ね」
湯船に男達が浮いている。
ダン「」ブクブク
レイス「」ブクブク
オキーナ「……ぬぅ。何があったのじゃ」ザバー
ダンの陰となり致命傷を避けたオキーナが気が付いた。
ツーリス「……あら、旦那さま」
オキーナ「」ギク!!
ツーリス「どうして露店風呂に入ってらっしゃるのですか?」
オキーナ「その……わしはレイス殿に誘われてだな」
ツーリス「また女湯をお覗きに? 以前も魔法使いのお客様から大火球を受けましたのに?」
オキーナ「まてこれには訳があ」 ツーリス「ありませんよね?」
ショーコ「……(ツーリスさんって絶対怒らせちゃいけないタイプだ)」ゴクリ
ツーリス「それから旦那さまは露店風呂出入り禁止でしたわよね」ゴゴゴ
オキーナ「いや……しかしだな」
ツーリス「ちょっとこちらへ……フィメナあとを頼みますね」
フィメナ「えっと……心得ました。」
「ヒィイ 助け」
バタン
ツーリスはオキーナとサウナ室へ入っていった。
ナナ「……姉上の説教は朝までかかるぞよ」
ショーコ「でもコレどうするの? ってヤバくない」
ダン「」シーン
レイス「」シーン
フィメナ「とりあえず湯から出さねば」
フィメナはレイスとダンを露店風呂から引き揚げた。
ショーコ「うわ~ダン君スゴイ~」
ナナ「まったくダンは世話が焼けるのう。大丈夫かダン」ぺチペチ
ダン「」
ナナ「息をしとらんぞ」
ショーコ「きゃ~、やっだどうしよう」
フィメナ「何してるんですか心臓マッサージですよ、急いで」
フィメナはレイスを心臓マッサージを行う。
ドゴッドゴッドゴッドゴッドゴッドゴッ!
レイス「ごっふおぉ!? 死ぬ死ぬ!!」
レイスが気が付いた。
フィメナ「……もしかして……起きてました?」
レイス「いえいえいえ、何をおっしゃるやだなぁ」アハハ
ナナ「フィメナ! ダンが」
ショーコ「ちょっとマジで!?」
ダン「」
ダンは死んでしまった。
フィメナ「な、そんな!?(風呂で死ぬなんて……トーゴに何て言えば!?)」
レイス「あーらら、間に合うかな。離れてください”蘇生”」ドッカン
ダン「」ビクン
フィメナ「蘇生魔法!?」
ショーコ「本当に神官だったんだ」
レイス「一応そうですよ、もう一度”蘇生”」ドッカン
ダン「……ぐはっ」
ダンは息を吹き返した。
ナナ「ダン!」
ショーコ「よかった 本当に死んじゃったかと」
フィメナ「すまない助かった、なんとお礼を言えばいいのか」
レイス「お礼ならもう戴いてますよ」
フィメナ「え?」
レイス「いや~~眼福眼福」
フィメナ「!」
ショーコ「!」
ナナ「?」
フィメナ「貴様ァ!!」
ドゴン
レイス「はぅ」ガク
レイスはみぞおちに一撃を食らい気絶した。
フィメナ「(しまったつい)……えっと、これはおつりだな」
ダン「……あれ。ナナ?」
ナナ「ダン、大丈夫かの? わかるか?」
ダン「あれ……ハルさんと風呂に。ハルさんは?」
ショーコ「そういえば」
ショーコはハルとユウを探す。
「……うわぁユウ!?」「あ、気が付いた」
ショーコ「あっちね」
「ちょっと放して」「あ~よかった」
ショーコ「いつも通りね」
○深夜・歓楽街
ワカーナ「やれやれ、遅くなったな」
テクテク
ワカーナ「……(終電を逃したか、まぁ帰ったところでなぁ)」ふぅ
テクテク
ワカーナ「……(観光センターで寝るか、連絡しないと女将が心配するなぁ)」
テクテク
ワカーナ「はぁ……女将……」
???「ハーイ、ちょっとアナタ」
ワカーナ「!?」ヒ
ヨロイ男「お兄さん、どしたのさえない顔して?」ガシャン
全身ヨロイの男があらわれた
ワカーナ「……誰だお前? その恰好は?」
ヨロイ男「いえいえこれは特に意味ないです。それよりウチの店、きませんか?」
ワカーナ「店? 客引きか?」
ヨロイ男「そーですよ、どうですちょっと寄ってきませんか? そこですから」
ヨロイ男は怪しい館を指し示す。
ワカーナ「湯元丸秘宝館だと……廃業したはず、営業しているのか?」
ヨロイ男「そうですそうです。 今ならお客さんにぴったり、スッキリするよ~」
ワカーナ「……(届け出は受けてない、無許可か? どうせ終電はないんだ調べるか)」
ヨロイ男「他にも色々な新規エンターテイメントが……」
ワカーナ「よしどんなものか見て見ようじゃないか」
ヨロイ男「ハーイ。 こちらへどーぞ、おひとりさまごあんなーい」ガシャガシャ
ワカーナとヨロイ男は丸秘宝館へ入っていった。
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