第10話 学園祭・オブ・ザ・デッド 2
◯教室・『ゾンビカフェ』 客席
ルソル「わーずいぶん暗いねー」
「キャー」
時折あちこちで悲鳴があがる。
ハル「そ、そうだね。とりあえず何か頼もうか」ビクビク
ルソル「そうねー何か冷たいもの…… えーと、この字読めます?」
「ギヮアアア」
ハル「ぇえ!? あぁ、うん『
ルソル「ハルさん難しい字読めますね。どこで習ったんですか?」
ハル「オババだよ 僕は魔法も薬も全部オババに教わったの」
ルソル「オババさんってあの有名なお婆さんですよね、たいちょーがよく話してくれますね」
ハル「そうなんだ」
ルソル「スゴイ人だったって聞いてますよ。あ……これマカロンとセットなんだこれにしよう」
ハル「うーん僕は……」
泡頭看護婦「ご注文はおきまりですかぁ?」ぬぅ
泡頭看護婦があらわれた!
ハル「うわあああ!?」ギュウ
ハルはルソルにしがみつく
ルソル「おおー? ミイラ女?」
泡頭看護婦「あ ちょっとくっつきすぎよルソル! 離れて」
ハル「え? ユウ!?」
泡頭看護婦「そうよ」
泡頭看護婦はユウだった
泡頭看護婦(ユウ)「パパちゃんと来てくれたのね、よかった」
ハル「もちろん ユウの文化祭だもの」
ルソル「それにしても何それ? それもゾンビ? 看護婦さん?」
泡頭看護婦(ユウ)「さぁー? よくしらないけど人気のあるお化けなんだって」
ハル「そうなんだー」
泡頭看護婦(ユウ)「パパ?」
ハルはユウから目を背けている
ハル「なに?」
ユウ「そっちばっかり見て。コレ怖い?」
ハル「違うよ、そんなことないって」
泡頭看護婦(ユウ)「そう? こっちみて」
ハル「ッ……(ヒィイイイイ そだ顔を見なければ)」
ハルは視線を少し落とした
ユウの胸元は大きく開かれている
ハル「……ぇ!?」
ルソル「ハルさんどしたの? 耳まで真っ赤」
ハル「いや、ちがうの。 その、その衣装はなに!?」
ユウ「あぁこれ? ナース服よ」
ハル「そうなの!? (僕の知ってるナース服と違う)」
ユウ「ちょっと窮屈なのよね~」
ルソル「よく見るとエロイねーそれ、スカートも短いしー」
ユウ「そうかな? パパどう思う? 可愛いでしょ? それともエロイ?」
ハル「ぇええ!? 僕に訊くの!?」
ユウ「ハル?」
ハル「~~っ!? そ、そんなことよりほら注文! 僕はコレでルソルさんコレだって! ハイお願い!」ドキドキ
ユウ「うぅん、これとこれ? ……わかったわ待ってて」
パタパタパタ
ハル「ふぅう」
ルソル「いやー、今の子の仮装ってクオリティ高いねぇ」
ハル「……の、ノーコメントで」
○学校・校門
実行委員が受付をしている前にゾンビが現れた。
ゾンビ「うぅ」のそのそ
男子生徒「あれ、おっさんか? 本格的だな」
実行委員「家族の方かな? でもやり過ぎ、血のりが汚すぎるわ。注意してくる」
実行委員がゾンビに近寄る。
実行委員「すいません、父兄の方ですか?」
ゾンビ「うがぁ!!」
実行委員会「きゃああ」
トーゴ「おりゃあああ」ドカッ
ゾンビを倒した。
トーゴ「くそ、もうこんなところまで」
実行委員「ありがとうございます、これって」
トーゴ「ゾンビだ! 本物のな、まだまだくるぞ門を閉めるんだ」
○教室 ゾンビカフェ
「わー」「きゃーー」
ルソル「外ももりあがってますね~ たいちょーも来てたらいいのに」
ハル「ルソルさんって隊長…… トーゴが好きなんだね」
ルソル「好きっていうか……、面接もたいちょーだし、訓練もたいちょーだし なんだかんだご飯奢ってくれるのもたいちょーです。わたしの理想のオトーサンです」
ハル「そうなんだ、そっかお父さんかぁ。 うぅん(僕もちゃんとお父さん出来てるのかな)」
ユウ「お待たせ 脳漿炸裂セットとスペシャルコーヒーよ」カチャカチャ
ルソル「わーいマカロン」もぐもぐ
ハル「ありがとう これがスペシャルコーヒー? 豆が違うの?」
ユウ「そんなことないはわ ただのコーヒーよ」
ハル「じゃあなにがスペシャルなの?」
ユウ「それわねー こうよ」ガバッ
ユウはハルに抱きついた
ハル「なななな何!?」
ユウ「スペシャルサービスのゾンビハグよ。女性限定だけどハルは特別よ、フフフ」
ハル「そ そうなの」あたふた
ユウ「さらにーゾンビバイツもあるわよ。どこに噛みつこうかしら」ニヤニヤ
ハル「まってまってキャンセルキャンセル! ルソルも止めてよ」
ルソル「そう? いいんじゃない?(そんなことよりマカロンおいしい)」もぐもぐ
ユウ「じゃあ耳をいただくわよー」
ハル「なんでまた耳……うぅ」
ユウ「あーん」
○校門
ゾンビが校門を乗り越えようとしている
トーゴ「まずいな、各自戦闘準備! 緊急放送はまだか?」
兵士A「もうそろそろかと。 やっべきた きっも!!」
バリバリ
ゾンビ「うが」ドサッ
兵士A「お? 助かった」
トーゴ「へぇ、まだ結界が機能していたのか」
兵士B「戦争の遺物ですか、おかげで助かりますね」
バリバリバリ
ゾンビの群れの中に死霊使いが居る。
死霊使い「そんなものがまだ残っておるとはの。ならば……”爆裂”」
ドォオン!!
死霊使いの魔法で校門が吹き飛んだ
○教室・ゾンビカフェ
「ヌワー」「キャー」
ユウ「なに!? 爆発!」
ピンポンパンポーン!!
放送「緊急放送です、全校生徒ただちに校舎へ入ってください。緊急放送です……」
ハル「あ!? なにかあったみたいだよ」
ユウ「なによ、別に大したことじゃ……」
女子生徒「すいませーん回復魔法が使えるかたは中庭に来てくださーい!」
ハル「僕できますー! いかなきゃ」
ユウ「ちょっと! 私も行くわ」
ルソル「たいちょーの声がした? かな?」もぐもぐ
○校舎・一階
男子生徒「ゾンビだー 外にいっぱいいるぞ」
女子生徒「なにあれ本物なの!?」
トーゴ達がゾンビと戦い防いでいる。
ユウ「ゾンビ? あーぁ、校庭に入って来てるじゃない」
ハル「あ トーゴが居るよ」
ルソル「やっぱり来てたんだ わたし行ってきます」
ユウ「緊急事態ね 私もいくわ」
ハル「気をつけるんだよ」
ユウ「わかったわ」
○校庭
兵士A「いまの爆発は魔法?」
トーゴ「校門が破られたぞ 生徒たちの避難を誘導! 他のものはここから通すな」
赤四角錐頭(ダン)「父上 なにか手伝えますか」
トーゴ「うわあああっ!! てダンか驚かすな」
ダンが現れた。
ダン「すいません」
トーゴ「まぁいいゾンビどもを止めてくれ」
ダン「了解です」
ルソル「たいちょ~~」
ダン「あ、ルソルさん」
ルソルとユウが現れた。
トーゴ「……おうルソル、非番だが手伝え」
ルソル「はーい、後でクレープ奢ってくださいねー」
トーゴ「お前この状況で…… 後でな」
ルソル「わーい」
ユウ「トーゴ、どうなってるのこれ。本物のなの?」
トーゴ「そうだ墓場から出てきたんだ、くそこのヤロ」
ユウ「デカいの、あんたがボスね、速攻!」シュッ
ガキン
ダン「ぐおっ!? まてまて俺だ」
ユウ「なによあんた紛らわしい格好しないでよ」
○中庭
「イタタタ」「ザワザワ」「メディーック」
ハル「怪我人がこんなに……」
保険医「すいません回復魔法できる方こちらに」
ハル「行きます」
〇
保険医「ありがとうございます、助かりました」
ハル「大したケガじゃなくてよかった」
保険医「小さいのにたくさん魔法が出来てすごいですね」
ハル「う、うん(小さい)……。 それのこの石碑から魔力が出てるし大丈夫です」
保険医「へぇー? ただの古い石碑だとばかり」
ハル「そうなんですか? (ずいぶん不思議な力を感じるのに……)」
「ウワー― ネズミダ――」「ワー キャー」
保険医「ネズミ? もう生徒はネズミくらいで…… ちょっと行ってきます」
ハル「はい」
保険医「こらー、騒がないの」
「ダッテ―」
タタタタ……
ハル「?……(なんだろイヤな感じがする……近い)」
タタタ……
ハル「!?……(何の音? 石碑の方)」
ネズミ「フフフ……ここか見つけたぞ」
ネズミがあらわれた
ハル「ネズミが…… シャベッタアアアアアア」
○校庭
ユウ達がゾンビを倒している。
ユウ「ハァハァ、おかしい…… いないわ」
トーゴ「ユウもそう思うか」
ルソル「なにがですか? きゃああ」
ゾンビがルソルに襲い掛かる
ダン「フンッ!」バコーン
ルソル「ひゃああ」
ルソルを襲い掛かろうとしたゾンビはダンに吹っ飛ばされた。
トーゴ「すまん部下が助かった」
ダン「それより何がおかしいのですか?」
トーゴ「さっきの魔法だよ、どいつが使ったんだ?」
ルソル「もう倒しちゃってるんじゃ」
トーゴ「だといいが」
ユウ「まさか…… 陽動?」
ダン「しかし何に対して?」
ドッカアアァアアン
トーゴ「な!? 校内で!」
ユウ「中庭…… パパッ!!」
○中庭
ゴオオオオ
「ウワーー―」「バケモノダ―」
炎に包まれた中庭で生徒たちが逃げまどっている。
ハル「あ…… うああ」ガクガク
ハルは恐れおののいている。
死霊使い「なんという甘美! 混乱、戦慄、恐怖、絶望! すべてがあふれている!!」
ネズミは死霊使いだった。
死霊使い「されど、今少し足りぬな。ならばもう少し」バサッ
ガシャガシャガシャ
死霊使いがローブを翻すと大量の骨が落ちてきた。
スケルトン「……」カタカタカタ
死霊使いはスケルトンの群れを召喚した。
ハル「うわ!? 来るな! いやあーーー」
○ハルの喫茶店・跡地
「ヒドイ…… 目覚めだね」
ズルズル
「あーあ、家もボロボロじゃないか。何があったんだい ”千里眼”」
ガチャガチャ
「あぁ、もう。これっぽちの魔力しかないのかい、魔力水に服……」
ゴソゴソ
「よし。 まったく、仕方がないねハルは……オチオチ死んでもいられないよ」
バサァ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます