第9話 王都下水道で伝説の怪獣と財宝を追え! 3

○地下倉庫・通路

ダン「せいッ!」ズバッ

大カエル「ゲーーー」

ナナ「危ない!」ヒュッ

ナナはナイフを放った

大ゴキブリ「ジョッ!」ドシャ

魔物たちを倒した


ダン「……助かりました」

ナナ「うむ、うまく急所にあたったようじゃ」

ダン「……ナナ王女はゴキブリとか大丈夫なのですね」

ナナ「うむ? あぁ、わらわは昔から下水道や地下はよく出入りしておったからの」

ダン「……そうですか(お姫様なのに)」

ナナ「それにしてもお主は強いのう、やはりトーゴから剣術を習ったのか?」

ダン「いえ、俺はお爺……祖父に稽古をつけてもらいました」

ナナ「そうなのか? トーゴは稽古をつけなかったのか?」

ダン「……父上は職務がありましたから」ムス

ナナ「ぁ……そうか、そうだったの……」

ダン「いえ、先を急ぎましょう」


テクテクテク


ナナ「のぅ、ダンよ」

ダン「なんですか」

ナナ「その、お主はトーゴと、父上とあまり一緒にいれなかったのか?」

ダン「……そうですね」

ナナ「そうか……、寂しくはなかったか?」

ダン「……それも騎士の家の者としての務めです」ムス

ナナ「そうか……、お主はほんに強いのじゃな」

ダン「……いえ。 それよりはやく合流しないと」

ナナ「まて! 止まるのじゃ、トラップじゃ」

ダン「え?」

ナナ「ほれ、ここが不自然じゃろう。 踏まないようにいくのじゃ」

ダン「…………はい」

ナナ「ふふふ、こうしておるとサン兄ぃと脱走してた頃みたいじゃ」

ダン「……脱走って(この国の王族はいったい?)」


○地下倉庫・階下

トーゴ「この階段から上に行けそうだな」

ユウ「まって、そっちじゃ逆方向よ。 それになんだがイヤな予感がするわ」

トーゴ「とりあえに上に戻るのが先決だろう、とりあえず様子をみてくる」


ユウ「……」カチ

ピコーンピコーン

ユウ「……(距離が縮んでないわパパ達も動いてるみたいね)あぁ、もう! なんでこんなことに」

ガコーン

「ウワァァァ」

ユウ「なに?」

しゅーーー

トーゴ「うわああッ! ぐほっ」ベチャ


トーゴが階上から滑りおちてきた


ユウ「……何してるの、遊んでるの」

トーゴ「罠だ! 階段がなくなったんだよ、チクショウ。 コントみたいな事しやがって……」

カチ

トーゴ「カチ?」

ゴゴン! ゴロゴロゴロゴロ……

ユウ「ちょっとウソでしょ」

トーゴ「へ?」

階段上から鉄球が転がってきた

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

トーゴ「うおおおおおおおおおおおお、古典的なことしやがってーーーー」ダダダ

ユウ「何やってるのよホントにーーーーーー」ダダダ


○地下倉庫・隠し通路

テクテク

ハル「みんな何処かな」

ショーコ「……ねぇハルさん聞きたいことあるんだけど」

ハル「なに?」

ショーコ「好きなタイプってどんなの?」

ハル「え!? なに急に」

ショーコ「だからどんなタイプが好きなのかなーって? 」ニヤニヤ

ハル「いきなりいわれても」あたふた

ショーコ「誰にも言わないから、ね。 そういえばこの前の交流会で随分親しくなった方がいるらしいじゃない? いさみさんだっけ?」

ハル「な、なんで知ってるの!?」ドキッ

ショーコ「ちょっと知り合いから聞いたのよ~。 で、どんな感じだったの」

ハル「どんな感じってその、なんだか他人じゃないみたいだったんだ」

ショーコ「へぇ~そうなんだ(そりゃそうよ、ユウだし)」

ハル「でもやっぱりエルフ族はエルフ族どうしじゃないとダメだよ」

ショーコ「どうして? ハルさんだって、お父さんは人間だったんでしょ、いいじゃない」

ハル「で、でもそんな」

ショーコ「そういえば、いさみさんってどことなくユウに似てるわよねぇ」

ハル「な!? なんでそんなこと」ドキドキッ

ショーコ「聞いたのよ知り合いからね。 で、失礼かもしれないけどハルさんとユウは血縁はないわよね」

ハル「そ、そりゃないよ」

ショーコ「でさー、ハルさんってユウの事はどう思ってるの?」

ハル「なっむっ、ユウは家族だよ家族、うん」

ショーコ「ふーん家族ねぇ……そういえば最近はユウも大人っぽくなったわよねぇ、アタシから見てもいいオンナになった思うわ」グヘヘ

ハル「ショーコちゃん、オジサンくさいよ」

ショーコ「で、そのユウを見てて何とも思わないの?」

ハル「お、思うもなにもユウは赤ちゃんの頃から育ててるんだよ。 そんな……」

ショーコ「ほんと? 寝てる時におっぱい触ろうとかキスしようとかしたでしょ?」

ハル「なんで知っ! ちがッ!?」 ショーコ「ふーー~~ん、ハルさんも男の子ね~~」ニマニマ

ハル「ちがうって違うよ! してないってなにもしてないんだって」

ショーコ「そうね~違うわよね~、そういうことにしときましょね~一応」

ハル「一応って、もう! 違うっていってるのに。 ショーコちゃんのばかーー」

ハルは走り出した。

ショーコ「あらー、からかいすぎちゃったかな? ま、いっか。オモシロかったし」

たたたたたた

「まってよ、ハルさーん」「ばかー、うわーん」


◯地下倉庫・奥の間

ハル「はぁはぁ、疲れた」

ショーコ「そんなに逃げなくてもいいのに」

ハル「うー」

ショーコ「大丈夫、ユウにも誰にも言わないから」

ハル「ホント?」

ショーコ「ホントホント」

ハル「よかった」

ショーコ「で、何をしたの? もんだの? チュー?」ニヨニヨ

ハル「……ッち、だから何もしてないって」

ショーコ「耳の先まで真っ赤なのに? 何もないの?」フフフ

ハル「だーかーらー」

???「そこに誰ぞ居るのかえ?」

ハル「!?」

ショーコ「今の誰?」

ドシン

ドシンドシン

ハル「……な、なに?」ビクビク

ショーコ「うわぁあでっかい!?」

ホワイトドラゴンがあらわれた。

白竜「なんぞ、お主らは?」


◯地下倉庫、白竜の部屋

白竜「何者じゃ? あの騎士の縁の者か?」

ハル「フィメナさん? はいそうです。 僕はハルこの子はショーコです」

ショーコ「話が通じそうね、ねぇねぇ? フィメナさんはどうなったの? 食べちゃった?」

ハル「ちょっとショーコちゃんそんな直球に!?」

白竜「ほほほ、正直じゃなお主。 寝起きに襲われたから寝ぼけて怪我をさせてしもうたが無事じゃ。 わらわはベジタリアンじゃ食べるわけなかろう」

ハル「……ベジタリアンなんだ」

ショーコ「けっこういい人っぽいわね」

白竜「しかしよく女子供だけでここまで来れたの」

ハル「その僕はこれでも61才です、ハーフエルフなので……」

白竜「ハーフエルフじゃと!!」

ハル「え?」

ショーコ「なに? どしたの!?」

白竜「その耳、その髪。 確かにハーフエルフじゃな、よくもぬけぬけとわらわの前に現れおって!」

ハル「えぇ!?」

白竜「成敗してくれるわ!」

ホワイトドラゴンが襲いかかってきた!

ハル「なんでー!」



白竜「まてぃ! 小僧」

ドシンドシン

ハル「ひぃー。そうだショーコちゃん狙いはぼくだから別々に逃げ……」

しかしショーコはすでに逃げていた。

「足手まといだからあっちにいるねー」

ハル「遠っ!? もうあんな所まで」

白竜「逃がさんぞ」ブゥン

白竜の尻尾の一撃

ハル「”風防波”」

バヒュン

ハル「うわぁ!?」

白竜「その程度で防げるか」

ハル「うぅ(食べられる)」

「”雷撃”」

ピシャーンビリビリビリ

白竜「ぬわぁ! ビリッとしたぁなんじゃ!?」

ユウがあらわれた

ハル「ユウ、よかった無事だったんだね」

白竜「なんじゃお主は、邪魔だてするでない」

ユウ「あなたハルにこんなことして、タダじゃ済まさないわよ ”重雷撃”」

ピカッドドドン、バリバリバリバリ!

白竜「グワアア!? この魔法、なぜお主がそんなハーフエルフなんかを守る!? 」

ユウ「な・ん・か……ですって!! エルフは私のパパよ、パパは私が守る! 」

白竜「パ……パパ?」

ナナ「おおう、ドラゴンじゃ! よーしフィメナを返すのじゃ、さもなくばこの二代目勇者のわらわが成敗するぞよ!」

ナナがあらわれた。

ユウ「ナナ! 下がって危ないわよ」

白竜「え? 二代目勇者!? 」

フィメナ「確保ーーーッ」バサ―

フィメナの不意打ち、ナナは捕まってしまった。

ナナ「なんじゃッ? フィメナ!!」

フィメナ「やっぱり来ましたね、さぁ帰りますよ」

トーゴ「おぉ、フィメナ無事だったか」

トーゴがあらわれた。

白竜「あーららららら、なんと素敵なオジサマ!」

トーゴ「ちょっ、まっ、なんだ!?」

白竜「いい男ねぇ」ギュウウウ

「ぐえぇえええええ」ゴキゴキ

トーゴはホワイトドラゴンの首に巻かれている。

ユウ「あら、ドラゴンにまで……罪なオトコねぇ」

ハル「あれ、メスなの?.」

ダン「……なんだこれはどうなってる?」

ショーコ「全員集合ね」

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